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陸前高田市にて「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を目指し、垣内が講演しました!


東日本大震災から5年。

岩手県内で最大の犠牲者が出た陸前高田市は、現在、戸羽太市長が掲げる「ノーマライゼーションという言葉のいらないまち」を合言葉に復興の道を歩んでいます。
これは「障害のある人もない人も、ともに生きる共生社会を実現しよう」というものです。

8月3日、弊社代表・垣内が障害のある当事者の視点から、誰もが過ごしやすい社会実現のために必要なことについてお伝えさせていただきました。

 

陸前高田市3

 冒頭のあいさつで戸羽市長は、「マイナスからのスタートを余儀なくされた陸前高田市だからこそ、市民・地域・企業・行政が一丸となってまちづくりに参画し、震災の経験と教訓を後世に語り継ぐことができる。また、あらゆる可能性を模索しながら、チャンスと希望にあふれたまちをつくり上げることができると信じている」と語られました。

 

災害時、障害者の死亡率は約2倍以上

白砂青砂の景観で知られた陸前高田市は、2011年3月11日、最大17メートルの大津波に襲われました。1,900棟以上の建物が全壊。市全体では、人口の7%に当たる1,761人が犠牲になりました。

また、障害がある方の死亡率は住民全体の約2倍。
これは「障害者手帳所持者」の死亡率であるため、実際にはこれよりも高かったことが予想されます。

情報の問題では、視覚・聴覚障害者の多くには正確な情報が伝わっていませんでした。
避難の問題では、重度の肢体不自由者が家族だけでは助けられずに津波で亡くなった例もあります。

一方で、地震後、近所の人が駆けつけて車いすの通路を確保し、高台までサポートしてもらい助かったという車いすユーザーの例や、地震で家具の位置が変わってしまい、身動きが取れなくなっていたところ、それに気づいた隣人の声かけ、手引きで非難を開始できたという視覚障害者の例もあります。

震災直後に必要な情報が、障害者やその家族へ伝わっていたか、日頃から地域の一員として生活し、気にかけてくれる人がいたかが避難できたかどうかの大きな影響に繋がっています。

 

「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」に向けて

陸前高田市2

陸前高田市の方々300名に向けて、「バリアバリューから社会を変える~復興のまちづくりからUD先進国をリードするまちへ~」という演題で代表・垣内がお話させていただきました。
障害のある当事者の視点から高齢者や若者、障害の有無に関係なく、誰もが快適に過ごせるまちづくりに取り組むために何が必要なのかをお伝えしています。

 

障害を「障害」と感じなくてすむように設計すること

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(陸前高田中心市街地デザインにおけるユニバーサルデザインを垣内が監修している写真)

ユニバーサルデザインは、国籍・性別・年齢・障害の有無に関わらず、皆にとって使いやすい建物を、製品を、サービスを考えていく在り方です。
私たちは、障害者の「障害」は人ではなく「環境」にあると考えています。大多数の人に沿って作られて環境に、一部の人々は不自由や不安を感じています。

バリアを解消することは大きなコストがかかりますが、最初からバリアを作らないことはそうではありません。

新しいまちづくりをスタートさせる陸前高田市だからこそ、ユニバーサルデザインのまちづくりのスタンダードを作っていくことができます。

困っている人がいたら、誰もが助けられる街へ

モデル_視覚障害

 陸前高田市には、昔ながらの家屋や商店もあります。今すぐハード(設備)を変えることは難しくても、ハート(対応)は変えることができます。

普段の利用はもちろん、有事の時にも、困っている人がいれば誰もが声をかけられる文化を形成していくことが街には必要です。高齢者や障害者に向き合う「ユニバーサルマナー」を、ハートを変えるためのヒントとしてお伝えしました。

誰もが快適に過ごせるまちづくりのために

陸前高田市1

ミライロでは、陸前高田市の中心市街地に新たに建設する建物のユニバーサルデザインチェックリストを作成しています。
これにより自治体の職員や店舗スタッフの方々が、障害のある方が施設を利用する際に最低限配慮すべきことを知ることができます。
また10月には「ノーマライゼーションのいらないまちづくり」について市全体で考えるシンポジウムを、復興や障害者福祉に関わる著名な方々をゲスト招いて開催いたします。

尊い命と財産を守る防災・減災の街づくりを進めるとともに、誰もが快適に過ごせるまちの一助となるよう、これからも尽力して参ります。


この投稿は 2016年8月5日 金曜日 14:23 に お知らせ, 講演・研修レポート カテゴリーに公開されました。 この投稿へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。