聴覚障害がある方の「情報バリア」を解消するには? ~今、企業・自治体に求められていること~ 開催レポート

こんにちは、ミライロの薄葉です。
私は、ユニバーサルマナーの講師を務めていますが、聴覚障害のある当事者として、情報やコミュニケーションのバリアを解消する事業「ミライロ・コネクト」にも携わっています。

聴覚障害がある方は、「聞こえない・聞こえづらい」だけでなく、「外見上、分かりづらい障害」のため、当事者が感じている困難を周囲の人から気づかれにくい側面があります。特に、コミュニケーションをとる上でバリアが生じます。そのバリアを解消するために、ミライロ・コネクトでは、すべての人がリアルタイムでコミュニケーションができるようなサービスを事業者向けに展開しています。今回は、先日開催したセミナー「聴覚障害がある方の『情報バリア』を解消するには?~企業・自治体に求められていること~」の様子をご紹介します。


↑ミライロ・コネクト事業部責任者の民野が挨拶をする様子

参加者に、参加の動機を伺うと「聴覚障害のあるスタッフが働きやすい環境を考えたい」「当事者が普段、どんなことに困っているのかを知りたい」とお答えいただきました。聴覚障害のある方に対して自分や社会は何ができるのかを、皆さん真剣に考えていらっしゃいました。


↑聴覚障害のある方もご参加くださり、手話通訳とUDトークで情報保障を行いました。

まずは、聴覚言語障害について基礎知識をお話しました。

「聴覚障害といっても、一人ひとりの聞こえ方は違います。音量が小さくなり聞き取りづらくなる方や、音質が歪み音の聞き取りはできても内容が聞き分けづらくなる方、そして全く聞こえない方など、多様です」

その後、社会に存在する、環境・意識・情報のバリアにおいて、聴覚障害のある方がどんなことに困っているかを、参加者とディスカッションしました。

「職場で考えられる例として、会議ではリアルタイムに音声情報が取得できなかったり、他愛もない雑談に入りづらかったりするのではないか」という意見があがりました。
こちらの意見には、このように返答しました。

「私は普段、相手の口の形を読み取ってコミュニケーションを取っています。目の前の一人とは話が通じても、複数となると、誰が何を話しているのかを把握することが困難です。そこで、会議ではUDトークを用いて、リアルタイムで内容を把握できるようにしています」

そして、ミライロ・コネクトで展開している5つのサービスをご紹介しました。
(以下、サービスの概要です)

1.手話通訳派遣サービス
聞こえない方がいらっしゃる場所に、厚生労働省認可の経験豊富な手話通訳士を派遣します。採用面接や評価面談などで、派遣します。

2.遠隔手話通訳サービス
聞こえないお客様が受付窓口などにいらっしゃった際、タブレットを介して、通訳センターに常駐する手話通訳が、職員と聞こえないお客様の通訳を行います。

3.手話・文字リレーサービス
電話での問い合わせが難しいお客様のために、ホームページのリンクから、手話と文字による電話通訳サービスを提供できます。

4.UDトークの販売・導入サポート
音声情報を文字化する音声認識アプリ「UDトーク」の販売と導入サポート行います。

5.ユニバーサルコミュニケーション研修
企業や自治体に赴き、聴覚障害のある方とのコミュニケーションの方法をスタッフの方々にお伝えしています。業種に合わせてオーダーメイドすることも可能です。

セミナーの最後には、フリーディスカッションの時間を設け、参加者全員で活発な意見交換を行いました。
参加してくださった皆さまからは、以下のご意見をいただきました。

S様(自治体勤務)「当事者講師である薄葉さんに、一緒に働く聴覚障害者には質問しづらいことも教えてもらえて良かったです」

K様(住宅メーカー勤務)「2020年に向けて社内の空気を少しでも前進させることができると良いと思う。フリートークは他の参加者や講師・スタッフから様々なことを教えていただけたので有意義だった」

聴覚障害のあるお客様や社員への対応方法を知りたい方、情報やコミュニケーションのバリアへの解決方法を知りたい方などのご参加を歓迎しています。ぜひお気軽にご参加ください!

▼日時
5月17日(木) 17:00~18:30
6月25日(月) 16:00~17:30
申し込みフォーム:https://goo.gl/41iWnV

▼開催場所
株式会社ミライロ 東京オフィス
(東京都渋谷区東3-9-19 VORT恵比寿maxim 11F)

▼参加費
無料

▼セミナー内容
・聴覚障害者をめぐる社会の動き
・聴覚障害者が困っていること
・ミライロ・コネクトの紹介
・スタッフとのフリートーク
※企業・自治体のご担当者様を対象としています。


▼講師紹介
薄葉 幸恵

幼少期の肺炎の後遺症から特発性の感音性難聴と診断され、少しずつ聴力が低下し 30 代半ばで聴力を完全に失う。自らの障害に向き合い、「目に見えづらい障害」に対する理解の普及を行う。

 

▼お問い合わせ
03-6712-6312(株式会社ミライロ東京オフィス 担当:高内)

薄葉幸恵Yukie Usuba

株式会社ミライロ 講師

幼少の頃肺炎に羅患し、その後遺症で突発性の感音性難聴と診断される。以降も聴力が落ち続け、30代半ばで完全に失聴。コミュニケーションは手話や口話を使い分けて行う。ブライダル施設運営会社にて勤務中に受講したユニバーサルマナーの研修がきっかけで、株式会社ミライロに入社。聴覚障害のある当事者講師として、「目には見えづらい障害」に対する理解を中心に、全ての人々が輝いて暮らせる社会を目指す。