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2018年06月21日

700年の歴史をもつ円覚寺にはユニバーサルマナーがあった

岸田 ひろ実

円覚寺夏期講座に登壇しました

写真 登壇している岸田

2018年6月2日 臨済宗大本山 円覚寺夏期講座にて講話をさせていただきました。

円覚寺の夏期講座は毎年4日間の日程で、梅雨に入る時期に開催される学びの場です。
老若男女問わず、多くの受講者が訪れます。

写真 会場の様子

講座は円覚寺管長 横田南嶺先生の提唱から始まります。
とてもわかりやすく、時には笑いもまじえながら、禅の教えを説いてくださいました。
次に私から、いつか美しくなる今を生きるためのアイデアをお話させていただきました。

講演の後は境内の散策へ

写真 境内を散歩する様子

横田先生が直々に、境内の中に存在する素晴らしい国宝や文化財を紹介してくださいました。

境内は山の中にあり、緑豊かな自然が多く残されています。
伽藍は谷に沿って建てられており、土地の高低差を生かした壮大な空間をつくりだしています。
そこにいるだけで心が洗われる、素晴らしい雰囲気に包まれています。
しかし、そんな境内には坂道や段差、階段が多くありました。

写真 階段を乗り越えるため岸田の車いすを持ち上げ和尚さんたち

車いすでの移動は無理かもしれないと、不安がありましたが、一緒に付いてきてくださった和尚様の
「お手伝いしますので、大丈夫ですよ」という一言にとても安心できました。

車いすの押し方、段差や階段の上り下りの方法をお伝えすると、
バリアがある場所への移動もスムーズにサポートをしていただくことができました。

横田先生は「円覚寺の境内にはバリアがたくさんあります。
どうすれば障害のある方にも安心して来ていただけるようになるのか。
私たちに何ができるのかを教えてほしい」とおっしゃいます。

円覚寺の素晴らしいユニバーサルマナー

円覚寺には素晴らしいユニバーサルマナーがありました。

鎌倉時代後半に開山された歴史ある円覚寺。
重要文化財に指定されている建物も数多くあり、環境のバリアフリー化することは簡単ではありません。
むしろ、どうしてもできないことの方が多い状況です。
しかし、このように優しく向き合ってくださる和尚様のおかげで、段差も階段も乗り越えることができました。

「ハードは変えられなくても、ハートは変えられる」

円覚寺で感じることができました。

写真 和尚さんたちに階段を下ろしてもらう岸田

これからの円覚寺は、梅雨の紫陽花がゆったりと咲きほこります。
その凛とした境内の雰囲気も。
もっと多くの多様な皆様にご覧いただきたいです。

そして、和尚様の優しい「おもてなし力」にも触れていただけたらと思います。

最後に、管長の横田先生をはじめ、お世話になった円覚寺の皆様、本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
今度はプライベートで再び訪れたいと思います。

写真 館長の横田先生と岸田

臨済宗大本山 円覚寺

鎌倉時代後半の弘安5年(1282)、ときの執権北条時宗が中国・宋より招いた無学祖元禅師により開山されました。詳しくはこちらをご覧ください。