ブログ ノウハウ 施設・設備
2017年05月02日

車いすやベビーカー利用者の「入退場時間をずらす」という工夫

岸田 ひろ実

講師の岸田ひろ実です。ゴールデンウィーク初日は池袋サンシャインシティにあるプラネタリウム・満天に足を運びました。

写真 プラネタリウム内部

(画像引用)コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City

私はリラックスして鑑賞できるプラネタリウムが大好きで、見かけるとフラッと行くことが多いのですが難点があります。

それは車いすで行くと、席に移乗できない場合があること。

映画館やコンサートホールなどに設けられている「車いす席」は、車いすのままそのゾーンにいても良いという形式が多いです。

写真 車いすのまま鑑賞する様子

しかしこの形式だと、天井を見上げるプラネタリウムでは首が疲れてしまいます。せっかくだから、ふわふわの椅子に座りたい……。

車いすで移乗しやすい席(端の席、前列の席など)が設定されているとありがたいのですが、満天ではシステムの都合上オンライン予約だと席の指定ができないとのこと。

直接窓口でチケットを予約すれば問題ないのですが、私はよく調べずに先にオンライン予約をしてしまったのです。さらに連休で他の席は既に満席、変更もできません。

「どうしよう……」と電話で相談すると、スタッフの方が「他のお客様より先にご案内しますので、ゆっくり座っていただくのはどうでしょうか?」と提案してくれました。

満天の座席表は、こんな感じです。

画像 座席表

(画像引用)コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City

私たちの席はA2列の9番と8番でした。

他のお客様より5分早く中に入れていただいたおかげで、私はこのようなことができました。

・スムーズに席までたどり着けた
・他のお客様の邪魔にならず、娘に手伝ってもらって着席できた
・時間に余裕を持って、安全に移乗できた

写真 ひじ掛け

この肘掛けが…

写真 上がるひじ掛け

上がるので、車いすで移乗しやすくなります

写真 移乗した岸田

車いすで席に移乗する時、どうしても申し訳なく思ってしまうのが周りのお客様への迷惑です。せっかく座っているところを立ち上がらせてスペースを取ってもらったり、気を遣わせてしまうのが申し訳なかったので、今回の配慮はとても嬉しかったです。

同じようなオペレーションで代表的なものは、飛行機の搭乗です。狭い機内を安全に移動できるよう、障害者・小さなお子様連れ・妊婦の方などは一番最初に機内に入ることができます。

そして、退室も一番最後に案内をしていただくとスムーズです。

専用の席を設けることや、直前で席を変更することが難しくても「入退場時間を工夫する」ことで、移動に不安を感じている方も着席しやすくなります。まずはできることから一つずつ、それは場合によってはオペレーションかもしれません。

満天が更に素晴らしかったのは、柔軟な対応をしてくだったスタッフの皆さんに、心地よいユニバーサルマナーでご対応いただけたことでした。

ゴールデンウィークのプラネタリウム鑑賞、とても楽しい時間を過ごせました。

岸田ひろ実が講師を務めるユニバーサルマナー検定はこちら

画像 岸田の著書 ママ、死にたいなら死んでもいいよ