視覚以外の情報で料理をするコツは?小学生と一緒にハンバーグを作ってみました

こんにちは。ミライロ講師の原口です。

今回も私と仲の良い小学生2人(東灘小学校少年団野球部5年生の家城悠我(いえきゆうが)くんと岡本翔真(おかもとしょうま)くん)と私の日常についてお伝えします。

前回は服の選び方についてお伝えしましたが、今回は私がどのように料理をしているのかをご紹介したいと思います。

第3回目@クッキング_26

買い物をする時に、伝えてほしいことは?

まずは、3人で近くのスーパーへ買い出しに。子どもたちは買うものリストを確認しながら、私を売り場まで連れて行ってくれました。

第3回目@クッキング_2

普段、私が1人で買い物をする時は、スーパーの店員さんにサポートをお願いしています。その時に、「商品名」「値段」「賞味期限」の3つを教えてもらいます。

子どもたちは、賞味期限までは気が付かなかったものの、商品名や値段は率先して教えてくれました。

最近では、商品名が点字で書いてあるものも増えています。
子どもたちも点字が書かれているケチャップの容器に興味津々でした!

第3回目@クッキング_10

今回は子どもたちの希望もあり、ハンバーグを作りました!

普段からよく、どのように料理をしているのかと聞かれますが、私は大学時代から一人暮らしをしているので、みなさんと同じように料理をします。

食材の皮を剥いたり、切ったりするときは基本的に手で触って確認しながら作業を進めます。全盲なので、包丁を使う際は少し慎重になりますが、子どもたちはその様子を見て、隣ではらはらと心配してくれました。

第3回目@クッキング_17

視覚以外の感覚を使って、ハンバーグを焼いてみよう!

食材を切る、皮を剥くなどとは違い、炒めたり焼いたりする時は、さすがに触ることはできません。

では、どのように焼き具合を判断していると思いますか?

私は鼻と耳、そして舌で確認しています。 食材の水分がなくなっていくときの音の違い、物が焼けていくときの香ばしい匂いで、ちょうどいい焼き加減を判断しています。
また、生でも食べられる食材の場合は、味見をすることで最終確認も行っています。

第3回目@クッキング_24

 

今回は子どもたちにアイマスクをした状態で、ハンバーグをひっくり返すタイミングを当てる体験をしてもらいました。

まずはそれぞれ1回、普通にハンバーグを焼いてもらい、続いてアイマスクをつけて挑戦しました。

第3回目@クッキング_37

黒焦げになってしまうのではないかと見守る私の方が緊張しましたが、香ばしい匂いがしてきたタイミングで2人とも手を挙げ、見事絶妙な焼き具合のハンバーグができあがりました。

この成功も1回目の体験があってこそだと思いますし、私もこれまでに何度も失敗してきているので、やはり経験値も重要であると改めて感じました。

まとめ

今回の体験を通じて、スーパーでは商品の名前や値段、賞味期限を伝えてくれるだけで買い物しやすくなるということを子どもたちに学んでもらうことができました。

一方で、視覚以外の感覚を使うことで、普通に料理ができるということも感じてもらえたと思います。

見えない私が包丁を持ったり火を扱ったりすることを心配し、時には代わりにやってくれる方もいますが、意外と1人で慣れていることも多いのです。

過剰に手伝うのではなく、見守り、時には心配しながら声をかけてくれる子どもたちのサポートがとても嬉しかったです。

最後に……

無事にハンバーグが出来上がり、みんなでおいしくいただいていた時のことです。

野菜も取らなきゃ!とちょっとおしゃれにベビーリーフを買っていたのですが、小学5年生には大人すぎたようで、残したものを私のお皿にこっそり乗せてきました。

私:「なんで乗せるねん!」
子供:「え?なんでわかるん?」
私:「手が伸びてきたのが雰囲気で分かったわ」
子供:「ええっ!?すげえ!」

今回もこんなやり取りがありました。
仕方なくたくさんのベビーリーフをいただきましたが、実は私もそんなに好きではなく、普段は残していることは秘密です(笑)

第3回目@クッキング_42

原口淳Jun Haraguchi

株式会社ミライロ 講師

生まれつき、視覚障害(全盲)のある講師。2011年より株式会社ミライロに入社。視覚障害者の視点から、教育機関や企業に対してユニバーサルデザイン化のコンサルティングや講演活動を行っている。地元兵庫県のブラインドサッカーチーム「兵庫サムライスターズ」で現役選手として活動する傍ら、小中学生を中心にブラインドサッカーの普及活動も行っている。