雇用 ナレッジ
2020年06月23日

ダイバーシティ&インクルージョンの基本~企業にできることは?~

ミライロ

「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉はご存じでしょうか。この記事では、ダイバーシティ&インクルージョンの基本から、企業が推進していくために出来る取り組みを分かりやすく解説していきます。

多様な人が働いている集合写真

<目次>

ダイバーシティ&インクルージョンとは

近年では、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を経営戦略の重要課題としている企業が多くなってきました。

元々、ダイバーシティには「多様性」など、インクルージョンには「包括・包含」という意味があり、これらの企業では、年齢、性別、性自認や性的指向、障害、国籍、文化、宗教、言語などに加え、価値観やライフスタイルなど、幅広い多様性(ダイバーシティ)を理解して受け入れ(インクルージョン)、それぞれの人が感性や能力を発揮できる風土を作ること、新しい視点や価値を生み出すことなどを目指し、様々な取り組みを進めています。

ダイバーシティ&インクルージョンは、英語の頭文字をとD&Iと略されることもあります。
D&Iはもう古い?これからはDEI?より一部抜粋

様々な価値観を持った人が集まり、それぞれの能力を発揮したり、多様な考え方を織り交ぜたりすることで、今までになかった視点でのイノベーションが生まれやすくなります。

また、海外ではD&Iから発展し、DEI(ダイバーシティ・イクイティ・インクルージョン)という考え方も主流となりつつあります。

DEIに関する記事はこちらからご確認ください。
◇参考記事:D&Iはもう古い?これからはDEI?

ダイバーシティ&インクルージョン事例

ダイバーシティ&インクルージョンを推進するには、具体的にどのような取り組み事例があるのでしょうか。

よく行われている代表的なものとしては、

  • 障害者雇用による障害者の活躍
  • LGBTの受容・理解
  • 女性社員の活躍
  • 高齢者の採用/活躍
  • 外国人社員の採用/活躍

などが挙げられます。

全てを達成していくのは難しいですが、今回の記事では、主に上記から2つを取り上げ、具体的に行えることを紹介します。

■障害者雇用による障害者の活躍

障害者雇用による障害者の活躍

障害者雇用促進法が改正され、令和3年3月1日より、以下のように企業や団体での障害者雇用率の割合が0.1%ずつ引き上げられました。

  • 民間企業:2.2% → 2.3%
  • 国及び地方公共団体等:2.5% → 2.6%
  • 都道府県等の教育委員会:2.4% → 2.5%

◇参照:内閣府障害者雇用対策ページ 令和2年10月14日情報

このような法改正による影響からも、多様性を発揮していくダイバーシティ&インクルージョンの考え方からも、ますます障害のある社員の雇用と活躍は重視されるようになると分かります。

障害のある社員が働きやすいようにするためには、具体的に以下のような施策が挙げられます。(数ある取り組み事例の一部をご紹介しています。)

<意識面の施策>
・困りごとや気持ちを理解するための研修
・何か困った際に適切な配慮やサポートを行うための研修

<環境面の施策>
・どんな人にも使いやすいユニバーサルデザイン設備の整備

<情報面の施策>
・ユニバーサルデザインやバリアフリー情報を分かりやすく伝える案内
・視覚障害のある社員への点字や読み上げによる情報保障
・聴覚障害のある社員への手話や文字による情報保障

■LGBTの受容・理解

lgbtのイメージ

LGBTの方々にとって働きやすい環境であることも、ダイバーシティ&インクルージョン推進のためには大切です。近年では、性別を問わずに使用できる衣類や化粧品類など、ジェンダーフリーな商品をはじめとし、社会でのLGBTへの理解や受容に関する動きは広がってきています。

具体的に行える施策の例としては、以下が挙げられます。
(数ある取り組み事例の一部をご紹介しています。)

<意識面の施策>
・差別的な態度を生まないための研修やルールの策定
・カミングアウトされたときの適切な対応や配慮
・アライ(LGBT当事者を理解し支援する、当事者ではない人)を生み出しやすい環境づくり

<制度面の施策>
・いつでも相談できる窓口をつくる
・同性パートナーも配偶者と同じような待遇を受けられるようにする

<設備面の施策>
・性別を問わずに誰でも使いやすいトイレを整備する

ダイバーシティ&インクルージョン施策を進めるには

上記で紹介したようなダイバーシティ&インクルージョンの施策事例は、どのようにすれば推進することができるのでしょうか。

紹介した事例全てを一気に推進するには、時間も費用も多くかかってしまいます。特に、環境面でのオフィス改修や、情報保障のための案内窓口や制度確立など、ハードの部分に関しては全体的にコストがかかりやすくなります。

その一方で比較的コストが低く整えやすいのは、社員全員の多様性に対する正しい意識や理解の醸成などといったソフトの部分です。

いくら環境や制度が整っていても、情報が伝わりやすくても、周りの社員の意識が整っていないと、ダイバーシティ&インクルージョンは形骸化してしまうため、そういった観点からも意識などソフトの部分の整備は必須となってきます。

具体的には、多様性に対する考えや価値観を受け入れることはもちろん、多様な方への接し方や配慮、当事者社員が何か困った時の具体的なアクションを知ることなどがソフトの部分の整備につながります。

ダイバーシティ&インクルージョンに関する研修

では、正しい意識や理解の醸成などを社内に広げるためにできることは何でしょうか。

多くの企業では社内に向けて、理解や受容を推進するためのダイバーシティ&インクルージョンに関する研修を行うところが増えています。

ここで留意しておきたいのが、当事者でない社員の視点のみでなく、当事者自身の視点も踏まえて研修を行うことです。

障害者やLGBTなどに関する一般的な知識をそのまま伝えても、思い込みや誤解が生じたり、当事者でないと分からない気持ちの部分などを伝えることが出来ず、適切な対応を身に付けるという部分では欠けてしまうかもしれません。

当事者の視点を取り入れることで、なぜのそのような対応が必要なのかという部分をより深く学ぶことができ、本当に身につく、社員の心に残りやすい研修が実現できます。

ミライロが運営するユニバーサルマナー検定は、障害のある当事者講師が講義内容を監修しており、当事者自身のエピソードや覚えやすいフレーズにより、記憶に残りやすい身に付きやすい研修を行うことが可能です。

PCがあれば一定期間内でいつでもどこでも学習できるeラーニング形式でも受講可能なため、社内でまとまって研修ができない企業・団体様でも、社員それぞれのペースに合わせて受講いただけます。

ご興味のある方は下記ページをご確認ください
ユニバーサルマナー検定詳細ページ

新規CTA

また、LGBTに関しても、基礎的な用語やこれまでの歴史、職場における対応方法や具体的な取り組み事例などを総合的に学ぶことが出来る研修をご用意しております。LGBTの当事者講師により、ハード面、ソフト面における配慮事項や、カミングアウト時における対応なども学べます。

詳しくは下記ページをご確認ください。
LGBT対応マナー研修詳細ページ
※LGBT対応マナー研修は現在eラーニングでの受講には対応しておりません。企業・団体様の状況に合わせ、オンデマンド配信やオフィス内受講などでのご案内をしております。

LTBT対応マナー研修バナー

以上のように、ダイバーシティ&インクルージョンを企業で推進していくために出来ることをお伝えしました。意識醸成などのソフトの部分など、まずはできることから始めて、社内でダイバーシティ&インクルージョンが浸透しやすいような流れを作っていくことが大切です。

施策の進め方などに迷った際は、いつでもお気軽にご相談ください。