ノウハウ
2020年09月10日

障害者や高齢者対応の課題を見える化するには?~UD(※)版カスタマージャーニー~ 

森田 啓

※UD=ユニバーサルデザイン(以下、UD)

ニーズが多様化する現代において、様々な要望に応えお客様や従業員に選ばれる企業になるには、いわゆる”健常者”の視点だけでは充分とは言えません。
障害者や高齢者など多様な方の視点に立った、サービスや商品開発、施設や空間づくりが不可欠です。

こうしたUDの視点での配慮は、近年スタンダードになりつつあります。

では、具体的にどのような配慮が必要なのかを考えるにはどうしたらいいでしょうか?

それは、「現状」「課題」を正しく把握、理解することです。
その把握、理解に有効なのが「UD版カスタマージャーニー」というフレームワークです。

UD版カスタマージャーニーとは

一般的に「カスタマージャーニー」とは、ペルソナの動き(接点や行動、思考、感情など)を時系列で見える化したものです。

ペルソナとは、サービスや商品、施設や空間の典型的なターゲットとなるユーザー像のことです。
ペルソナで定められるユーザー像には、氏名や年齢、職業、ライフスタイル、身体的特徴など細かい情報が盛り込まれます。

ペルソナの動きを見える化することで、お客様を正しく知り、理解することにつながります。
理解することでお客様が感じている課題が浮き彫りになったり、改善策の検討につなげることができるようになります。

UD版カスタマージャーニーとは、ペルソナに「障害者」や「高齢者」など、UDの配慮が必要な方々を加え、より広い視点で現状や課題を見える化したものです。

【画像】UD版カスタマージャーニー例

 

UD版カスタマージャーニーを作成するメリットとは

大きく5つのメリットがあります。

1.俯瞰的な視点でお客様の動きを把握することで、深く理解でき、課題を発見できる

2.企業目線ではなく、お客様目線で考えられる

3.課題解決の優先順位や費用対効果が可視化される

4.マーケティング活動における意思決定が迅速で的確になる

5.「誰一人取り残さない」というSDGs理念の実現に活用できる

 

UD版カスタマージャーニーの作成方法

目的にもよりますが、主に座談会などの「定性調査」と、Web調査などの「定量調査」を組み合わせて、可視化していきます。
1人1人の行動や課題を深堀りした上で、課題の優先順位や大きさを知るために、広く定量的に確認をしていきます。

カスタマージャーニー自体は、今までもフレームワークとして認知されていましたが、障害者や高齢者などの視点を取り入れた「UD版カスタマージャーニー」は今後のスタンダードになると考えています。
「誰一人取り残さない」社会の実現のためにも、UD版カスタマージャーニーは大切です。

 

■導入事例

日本航空株式会社
障害者や高齢者に特化したカスタマージャーニーを作成し、お客さまの「見える化」を実現
https://www.mirairo.co.jp/works/post-12509

自治体・企業の皆さまを対象に、無料オンラインセミナーを開催しています

無料オンラインセミナーのお知らせ

経営者・人事担当者向け 3分でわかる!LGBTの取り組みチェックリスト

資料ダウンロード(無料)