こんにちは、新宿二丁目バリアフリーマップラボのサムです。
今回は、これまでに掲載してきた新宿二丁目バリアフリーマップの記事の内容についてお話します。
それぞれの店舗・施設の記事に「施設情報」という項目を設けています。
なぜ、そのような情報が必要か、ひとつづつ解説していきましょう。
施設についての情報は、車いす使用者や視覚障害のある方のためばかりでなく、
お店を利用するすべての人がhappyになる手段なんです。
車いす使用者は一番気になるところですね。
1階の路面店だと入りやすいし、外からでも店内の様子が見えることが多いので安心感があります。2階や地下階は、エレベーターがあったとしても、そこだけエレベーターが止まらないところもあるので、悩ましいですね。
逆に7階以上の建物の場合は基本的にエレベーターがあるので、安心です。
段差が無い方が良いことは皆さんもご存知だと思います。
酔っぱらうと、段差を踏み外して、足首を捻挫してしまうなんてよく聞くエピソードです。ただ、お店の出入口や店内に段差があることは少なくありません。
段差があるからお店の評価が下がる、ということはありませんが、車いす使用者の声掛けに快く対応したり、簡易スロープの用意があったりすると安心して利用ができますね。
これも、車いす使用者や視覚障害のある方が気になる点です。
入口の幅は80cm程度あると、使いやすいです。
(75cm程度でも使用できる場合も多いですが、ややギリギリになります)
扉の形状は、自動ドアかアメリカンスタイル(開店時には開放されている状態)が良いです。
車いす使用者が開き戸を開けるときをイメージできますか?
扉のハンドルを片手でつかみながら、片手でバックして、扉が開いたら、閉じてくる扉をおさえながら回り込んで入らなければいけません。
視覚障害のある方も、ハンドルを探すのに時間がかかり、たとえ見つけたとしても、その扉を引いたら良いのか押したらよいのか、さらに引き戸なのかがわからない事があります。
さらに扉のハンドルがレバーで無く「握り玉(ノブ」だったりすると、握力が必要となるので上肢に障害がある方が利用できない場合があります。
このような扉や入口の情報が事前にわかっていると訪れるときに安心ですね。
最低限確保するべき通路幅は90㎝です。
これは、車いす使用者が通過できる幅というだけでなく、いろいろな体格の人が周囲に気を使わず歩ける幅でもあります。
さらに、120cm以上あると、車いすと歩行者、歩行者同士も譲りあってではありますが、通り過ぎることができます。
エレベーターのカゴ内の寸法は扉が80㎝、奥行きが140㎝、幅が140㎝あると、車いす使用者でも利用が可能です。
ただ、大切なのは、エレベーターまでにたどり着く前に段差があるか無いかです。
古いビルの場合、エレベーターはあっても、手前に階段が5段ぐらいある場合がありますね。
階段と手すりはセットで考えると良いです。
手すりの無い階段は、障害のない人でも怖い場合がありますし、かつお酒を飲んだりしていたら危険ですね。
そこで手すりが必要となります。
できれば、手すりは両側にあると良いです。片側だけだと、片手に荷物を持ったりしてふさがっている人は、手すりのある側しか階段を通行できなくなってしまいます。
段差が有ればスロープが必要なのですが、逆にスロープを苦手とする人もいます。
常設するのは、テナントでは難しいところもありますので、簡易スロープ(駅で電車の乗り込みに利用しているもの)が用意されていると安心です。
バリアフリートイレ(「多機能トイレ」、「多目的トイレ」という呼び方は解釈の問題があり、「バリアフリートイレ」、もしくは「目的別トイレ(車いす使用者トイレ等)」と呼ぶようになりました。)があるのが望ましいですが、設置するのはなかなか難しい設備でもあります。
既存のトイレでも、階段同様に手すりがあるだけで、車いす使用者であっても、つかまり歩きのできる人は利用できます。
画像を見ていただくとイメージしやすいですね。手すりの有無の情報は重要です。
①キャッシュレス決済ができるか?
視覚障害のある方や上肢に麻痺がある方など、現金の受け渡しが難しかったり、時間がかかってしまう方がいます。障害の有無にかかわらず、キャッシュレス決済があることでお会計がスムーズになりますね。
②テーブル会計が可能か?
レジカウンターが高くて車いすに座った状態では届かないといった問題や、お会計の動作に時間がかかるような方も、テーブルの上でゆっくりと対応できるので、有効なバリアフリーの対応です。
お店のスタッフはメモと筆記用具をお持ちだと思うので、筆談していただける場合も多いです。
お客様から声をかけるのは難しい場合があるので、カウンターに「筆談できます。」と掲示してあると安心ですね。事前にお店のページなどで「筆談可能」と書いてあるのも安心感につながります。
補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)はペットではありません。
国内ではいかなる理由があろうと補助犬同伴での受け入れは義務になっています。
「ほじょ犬マーク」が施設やお店の入り口に貼られていると安心して補助犬を同伴することができます。
このように、施設情報として掲載している内容は、障害のある方にとって安心して利用ができる情報です。障害のない方にとっても便利な情報になっていますので、施設や店舗を訪れる際には気に留めてみると新しい発見があるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。