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東京都現代美術館にて要約筆記研修を実施しました

作成者: ミライロ・コネクト|2025.11.05(水)

当社は、東京都現代美術館(東京都江東区)からのご依頼を受け、ミライロ・コネクト事業の一環として、文字通訳派遣コーディネーター2名を講師として、職員の方々を対象とした要約筆記研修(以下、「本研修」)を実施いたしました。
ミライロ・コネクトとして要約筆記研修を実施するのは初の試みとなります。今回の取り組みを通して、聴覚障害に対する理解を深めるとともに、文字という関わり方を広め、さまざまな場面において視覚情報でコミュニケーションがとれる社会を目指します。

取り組み内容

本研修は、「サポートが必要な聴覚に障害のあるお客様への対応力を高めたい」という東京都現代美術館のご担当者様からのお問い合わせがきっかけとなり実現しました。要約筆記や筆談で対応する際のポイントを学びたいものの、即時的な学びの機会は社会全体で限定的です。

そのため、日々の業務の中で実際に起こり得る状況を想定しながら、「どのようにすれば来館者に安心していただけるか」「限られた時間の中で伝えるために大切なことは何か」といった点を意識してプログラムを組み立てました。参加者の皆さまにとっても、より実践的で具体的な学びとなるオリジナルプログラムです。

その結果、本研修内では【要約筆記】と【筆談】の違いを中心に「要約のポイント」についてご説明しました。研修の前半では要約筆記をテーマに、「文章の中でどこが本当に伝えたいポイントなのか」を一緒に考え、東京都現代美術館での過去の講演を題材に実際の練習を行います。後半は筆談をテーマに、要約筆記との違いを整理したうえで、円滑なコミュニケーションのための工夫も習得。最後に、想定シチュエーションを用いたペアワークでは、相手に分かりやすく書く工夫や、スピード感の大切さに気づく場面が多く見られる充実した研修となりました。

参加者のご様子

当日は、東京都現代美術館の職員7名の方々にご参加いただきました。皆さまが積極的にご参加くださったことで、終始和やかな雰囲気の中で研修を進めることができました。難しい、という声もありましたが、練習を重ねるうちに徐々にコツを掴まれ、最後には「正しく伝えられる楽しさ」を実感されていたご様子でした。
また、研修中には「こういう場面でも使えるのではないか」など、前向きなお言葉も頂きました。今回の学びを日常の業務や来館者対応に活かしていただけるのではないかと感じております。

まとめコメント

要約筆記は通訳としての専門的な技術が必要な部分もありますが、筆談は身近で日常のやり取りに活かせる手段です。それぞれ性質は違うものの、どちらもちょっとした工夫や意識で誰でも実践できる方法である、ということを研修を通して感じていただけたのではないかと思います。今後もこうした実践的な学びの機会を大切にしながら、柔軟に研修内容を組み立てていければと考えています。「まずは試してみたい」「こんなことに困っている」といった小さなきっかけでも構いません。ぜひお気軽にご相談ください。

ミライロ・コネクトでは引き続き、芸術分野を含むさまざまな場面において文字や手話でコミュニケーションがとれる社会を目指します。聴覚障害者に対しての情報保障や研修について、ご検討の方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先

ミライロ・コネクト事業
メール:connect@mirairo.co.jp