株式会社ミライロ(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:垣内俊哉、以下「ミライロ」)と学校法人ロイヤル学園(所在地:大阪市北区、理事長:斉藤真治、以下「ロイヤル学園」)は、美容業界に特化した「ユニバーサルマナー検定(美容サロン)」(以下「本検定)」を共同開発します。
ユニバーサルマナー検定は、ミライロが主催するユニバーサルマナーの実践に必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。同検定3級は、高齢者や障害者への基本的な向き合い方やお声がけ方法を学びます。また、同検定2級は、車いすの操作方法や視覚障害者の誘導方法など、実践的なサポート方法と、より詳しい知識を学び、多様な方々への適切なサポートが出来る人を目指すカリキュラムです。カリキュラムは障害のある当事者が監修し、企業、自治体、教育機関など、多くの団体で新人社員研修やダイバーシティ推進研修などで採用され、2025年6月時点で認定者数が30万人を突破しました。
本検定では、障害のある方や高齢者など、多様な顧客に向き合うための「ユニバーサルマナー」を体系的に習得できるほか、美容サロンの接客現場で想定されるさまざまなシーンをもとに、具体的な対応方法やコミュニケーションのあり方を段階的に学べる、独自の実践型カリキュラムの構築を目指します。
ロイヤル学園(大阪ベルェベル美容専門学校・神戸ベルェベル美容専門学校・熊本ベルェベル美容専門学校)は、「ロイヤル学園に関わる全ての人へ教育を通じて感動を提供し、社会に貢献する」という学園理念のもと、美容・ブライダル業界で活躍できる人材を育成しています。
2019年からユニバーサルマナー検定を導入し、全教職員と全生徒が3級2級に取り組む体制を構築しました。その後、2025年8月時点でユニバーサルマナー検定2級の認定者数は累計で4,000人を突破し、ユニバーサルマナー検定の団体受検記録として過去最多認定記録となっています。
その結果、生徒の約9割が「多様な人に自信を持って接することができる」と回答するなど、確かな意識変化が見られるようになりました。社会の多様化が進む中、「技術力」と同時に「人を思いやり理解する力」が生徒の中で着実に育まれていることがわかります。
また、美容業界では障害のある方や高齢者など多様な顧客が増加しており、「どのようにサポートすればよいか分からない」と悩む現場の声も多く聞かれます。本検定の共同開発は、ユニバーサルマナーに取り組んできたロイヤル学園とミライロが、こうした社会課題を解消し、すべてのお客さまが安心して美容を楽しめる環境づくりと、心から寄り添える美容従事者の育成を目指すものです。
さらに、美容サロン市場は全国的にも裾野が広く、厚生労働省の「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況に基づくデータ」(※1)によると、
・美容所数 :277,752施設(従事美容師数:588,291人)
・理容所数 :107,995施設(従事理容師数:194,531人)
が登録されています。
さらに、株式会社リクルートが運営するホットペッパービューティーアカデミーによれば、ネイルサロンやアイビューティー(まつ毛)サロン、エステなどを含めれば、その市場規模は2025年業界全体で2兆6,820億円と推計されており(※2)、多様な顧客に寄り添うユニバーサルマナーの浸透は、業界全体において社会性だけではなく、経済性を伴う重要なテーマとなっています。
※1)
令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況に基づくデータ
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/24/
登録理美容所数:
p.5「3.生活衛生関係」を参照
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/24/dl/kekka3.pdf
登録従業理美容師数:
p.15「 統計表 生活衛生関係施設(者)数」を参照
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/24/dl/toukei.pdf
※2)
株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミーから引用
https://hba.beauty.hotpepper.jp/search_sp/
ミライロが主催する「ユニバーサルマナー検定」は、多様な方々と向き合う上で必要な「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための教育プログラムです。“自分とは違う誰かの視点”に立ち、相手に寄り添うためのコミュニケーションやサポート方法を学ぶことができる、障害のある当事者が監修したカリキュラムとなっています。
今回共同で開発するユニバーサルマナー検定(美容サロン)は、美容室・理容室・ネイルサロン・エステサロンなど、サロン現場での接客業務に即した内容です。施術時の声かけや移動のサポートなど、日々のサービスシーンを題材に学ぶことで、ユニバーサルマナーをより身近に感じ、すぐに実践できる実用的なプログラムを公開予定です。
また、本検定のカリキュラムには、障害のある当事者の課題やニーズも反映します。サロン利用時に感じる困りごとや「こうしてもらえると助かる」といったリアルな声を取り入れることで、より実践的で温かみのある教育内容に仕上げます。
2026年4月を予定
美容専門学校の生徒、美容室・理容室・ネイルサロン・エステサロン等、各種美容サロンの従業者
2026年4月より、ロイヤル学園が運営する専門学校の生徒を対象に受講を開始。将来的には、美容室・理容室・ネイルサロン・エステサロンなど業界全体の従事者への拡大を予定しており、美容業界全体でのユニバーサルマナーの定着を目指します。
・2019年から生徒・教職員を対象にユニバーサルマナー検定を実施
・2023年から教職員を対象にLGBTQ+対応マナー研修を実施
・2024年から生徒を対象にインクルーシブデザインの授業を実施し、製品パッケージの企画開発を実施 (美容に関する障害者の実態調査も併せて実施)
・2025年から開発した製品をデジタル障害者手帳「ミライロID」オンラインストアで販売
株式会社ミライロ 代表取締役社長 垣内 俊哉
ロイヤル学園において2019年から続く、教職員・全校生徒の皆さまへのユニバーサルマナー検定導入は、既に累計4,000人超の2級認定者を輩出するという、教育機関として模範的な取り組みだとお見受けしています。学生の皆様が、「自分と違う誰かの視点」を持つ真のプロフェッショナルとして巣立っている事に、一当事者として頼もしさすら感じます。この実績を土台に、今後は美容業界の未来を形作るユニバーサルマナーの共同開発に挑みます。業界特有の課題を反映したユニバーサルマナー検定の共同開発、そしてその学びを生徒の皆さま、さらには広く業界全体に拡げる取り組みは、単なるマナー向上に留まりません。社会課題の解決です。
美容サロンは、障害のある方にとって、ハード面が必ずしも整備されたものではありません。限られた設備やスペースをすべてバリアフリーにすることは決して簡単なことではないでしょう。ただし、ハードは変えられなくてもハートは変えることができます。美容従事者の皆さまがユニバーサルマナーを習得していることで、それまで美容に関心を持てなかった障害のある方も美容サロンに通えるようになる、「また行きたい」と思えるようになります。
ミライロは、「障害者やその家族が、今日を楽しみ明日を期待できる世界」を目指しています。ロイヤル学園さんと共同開発する「ユニバーサルマナー検定(美容サロン)」が、障害のある方やその家族にとって、今日や明日の「不安」や「心配」が「楽しい」「嬉しい」に変わっていくよう、私たちも尽力します。
学校法人ロイヤル学園 理事長 斉藤 真治
ユニバーサルマナー検定を最初に知ったきっかけは、約12年前に垣内社長がゲストとして登壇されていたパーティーでの講演でした。ミライロ社の企業理念である「バリアバリュー」――“今までバリア(障害)として捉えていたことも、考え方や周囲の向き合い方次第で強みや価値に変えられる”という言葉に強く感銘を受けました。その出会いを通じて、「知らない」ことが人と人との間に壁をつくってしまうこと、そして“知る”ことから理解と行動が始まるということを改めて実感しました。
その後、ユニバーサルマナー検定は本学園の学生が社会の中で確実に役立つ学びになると確信し、全教職員と全学生への導入を決定しました。その結果、受講後のアンケートでも良い意識変化が多く見られています。また、美容サロンの現場では、今なお高齢者や障害のあるお客様を受け入れる際に不安を感じる声があります。その多くは、かつての私自身がそうであったように「知らない」ことから生まれる不安なのだと思います。
このたびのミライロ社との「ユニバーサルマナー検定(美容サロン)」共同開発は、誰もが安心して美容サービスを受けられ、美容従事者も自信をもって対応できる環境づくりを目指すものです。ロイヤル学園の教育目標である「自由な個性と多様性を尊重し、心と形の充実感を兼ねもつ人材を育成する」のもと、これからも社会で活躍する人材を輩出してまいります。そして、本検定を通じて、美容業界が多様な社会との関わりの中で“安心”を提供できるよう、学園として積極的に取り組んでまいります。
・株式会社ミライロ
経営企画部 広報担当
mail: press@mirairo.co.jp
・学校法人ロイヤル学園
mail: office@belebel.ac.jp