株式会社ミライロ(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:垣内 俊哉、以下「ミライロ」)は、コミュニケーションサポート事業の一貫として、東京宝塚劇場のスタッフを対象にした手話講座(以下、「本講座」)を実施しました。阪急電鉄株式会社(東京宝塚劇場)が、アーツカウンシル東京、「東京芸術文化鑑賞サポート助成」を受け実施した本講座は、11月に2回にわたり行い、聴覚障害者の親を持つCODA(Children of Deaf Adultsの略)が講師を務めました。
本講座は、劇場現場での情報保障の理解を深めること、および劇場に来場される聴覚障害のあるお客様への対応力向上を目的としています。
本講座は、劇場業務に即したシチュエーションを想定し、事前に東京宝塚劇場の劇場内でよく使われるフレーズや場面についてヒアリングを行ったうえで、カリキュラムを作成しました。
講座の内容は主に以下の通りです。
・聴覚障害に関する説明や情報保障についての理解
聴覚に障害のある方が劇場内でどのような支援を必要としているかを理解し、対応の基本的な考え方を学びます。
・基本的な手話表現と接客で使えるフレーズの習得
実際の業務で活用できる手話や顔の表情の使い方など、簡単な会話表現を重点的に取り上げます。
・実際のやり取りを想定したロールプレイ
ペアワークや会話練習を通じて、より実践的な手話でのやり取りを体験していただきます。参加者は短いフレーズでも工夫することで十分伝わることを体感し、相手に伝える楽しさを実感します。
講座全体を通して、単に手話を覚えるだけでなく、劇場という現場で即活用できるスキルを身につけることを目的とした、実践的なプログラムとなりました。
2日間で計34名の劇場スタッフの方々にご参加いただきました。
講座の冒頭は受講者の緊張した様子も見られましたが、実際に手話表現を体験する中で徐々に表情も和らぎ、積極的に質問や発言をされる場面が多く見られました。ペアワークやロールプレイでは、劇場内の実務に即した内容も取り入れられ、1階や2階の案内、売店での対応など、実際の現場で使うような言葉のやり取りについて質問もございました。参加者の皆さまは、「相手に伝わる楽しさ」を感じながら、短いフレーズでも工夫次第で十分伝わることを体感されていました。
今回の手話講座では、劇場という日常業務の中で実際に活かせる表現や対応を中心に取り組んでいただきました。また、東京宝塚劇場ならではの用語などもカリキュラムに含めて作成いたしました。現場で実際に使う言葉を想定した練習では、短いフレーズでも工夫次第で十分に伝わることを体感されており、手話や顔の表情への理解も深まったと感じています。手話は専門性が必要な場面もありますが、日常のやり取りに取り入れるだけでも、聴覚に障害のある方とのコミュニケーションは格段にスムーズになります。今回の学びが、劇場スタッフの皆さまの日々の業務や来場される方への対応に役立つことを期待しています。
今回の取り組みのように、聴覚に障害のあるお客さまへの対応のために現地での手話講座のご相談をいただく機会が増えています。その背景には、2025年11月に開催された「デフリンピック」の影響もあり、各企業や団体から手話の学習をしたいというご要望が強くなっているように感じます。本講座は、手話を覚えるだけでなく、手話をきっかけに障害者への向き合い方やダイバーシティを考えてもらう良い機会となりました。ミライロでは、引き続き、さまざまな場面において手話でコミュニケーションがとれる社会を目指します。
・コミュニケーションサポート事業(ミライロ・コネクト)
メール:connect@mirairo.co.jp