オンライン面接にて、遠隔での手話・文字通訳サービスを提供 ~テレビ会議や面接に課題を感じている聴覚障害者をサポート~

ミライロは、オムロンエキスパートリンク株式会社(以下、オムロングループ)のオンライン面接において、ミライロが提供する遠隔での手話・文字通訳を実施しました。

遠隔での手話・文字通訳の導入に至った経緯

オムロングループでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月から聴覚障害者の新卒採用面接をリモートで実施することになりました。

聴覚障害者にとって、テレビ会議システムを使った面接や会議には、下記のような課題があります。
ミライロが3月に実施した調査より、一部抜粋:
・音が悪くて聞こえない。画像が荒くて、口元が見えない。(※1)
・ビデオ通話は声が聞きとれないし、音声のみの会議には参加出来ないと思う。
・テレビ会議システムと音声認識アプリ(※2)の相性が悪く、使いにくい。

(※1)口話(唇の動きを読み取って会話をする手法)を用いる場合
(※2)相手の声を認識し、文字化するアプリ。設定や使い方等により効果的に使用できます。

上記のような課題に対して、お互いの意思の疎通を図りやすくするため、ミライロはオムロングループから遠隔での手話・文字通訳の依頼をいただきました。

遠隔での手話・文字通訳の実施方法

今回は、面接官の方、面接を受ける学生さん、それぞれが自宅からテレビ会議システムで繋がっていました。そこに、ミライロの手話・文字通訳者も入り、リアルタイムで手話・文字での通訳を行いました。

<手話通訳の場合>

面接官の方・学生さんとのオンライン面接に手話通訳者も入り、同時通訳をします。

《左上:手話通訳者/右上:面接官の方/下:学生さん》 ※写真はイメージです

<文字通訳の場合>

面接官の方と学生さんだけがカメラをオンにし、通訳者は面接官の話す言葉をチャットで文字に起します。
今回の学生さんは発話ができたため、返答は音声で行われました。

《左:面接官の方/右:学生さん/下:チャット(文字通訳)》 ※写真はイメージです

面接官の方も学生さんも、お互いの顔を見ながら同時に手話通訳者やチャットの文字を見ることができるので、リアルタイムでのコミュニケーションを可能としています。

今後の可能性について

緊急事態宣言は解除されましたが、今後もリモートワークを続ける企業は多いのではないでしょうか。

リモートワークが進むことにより、障害者の働く環境は大きく変化しています。これまではオフィスに通うことが難しかった車いすユーザーや精神障害者は、柔軟な働き方が選択できるようになっています。

一方で、それぞれの障害種別や業務によって、さまざまな課題が出てきています。
今回の聴覚障害者のケースのように、コミュニケーションに課題が生まれることもあります。

今後も、オムロングループさまの取り組みを先駆けに、遠隔での通訳サポートがさらに広がることを願っています。



■「遠隔手話通訳サービス」について、新聞でも紹介いただきました!


【日本経済新聞】
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58168860X10C20A4X30000/

【産経新聞】
https://www.sankei.com/life/news/200622/lif2006220011-n1.html