障害者や高齢者に特化したカスタマージャーニーを作成し、お客さまの「見える化」を実現

日本航空株式会社

JALの航空機写真

日本航空では、アクセシビリティの向上に努めており、社員の基本的な考え方である「JALフィロソフィ」をベースとして以下のサービスポリシーを定めています。

1.すべてのお客さまに、ストレスフリーを実現します
2.すべてのお客さまに、さまざまな旅の選択肢を提供します
3.お客さまや社会の皆さまと共に、旅を通じた楽しさ・豊かさを創出します

また、日本航空はSKYTRAX社の「ワールド・エアライン・スター・レイティング 」にて、2年連続で最高ランクの5スターに認定されています。

 

取り組みの背景と成果

 

課題

誰もが安心して旅行する環境を整えるために、移動にバリアを感じている方々の困りごとが何か、旅行に必要なサポートが何かを深掘りし、見える化する必要があった

成果

  • 障害者と高齢者、計340名の声を集めた「カスタマージャーニー」が完成
  • それぞれの障害におけるタッチポイントごとの困りごとを伺ったことで、移動にバリアを感じている方々のニーズが明確になった  

 

取り組み内容 UD版カスタマージャーニーの作成


JALの社員が視覚障害のある方を案内する写真

 

ポイント① 
障害者と高齢者へのヒアリング


移動にバリアを感じている方々の声を、インタビュー調査(定性)とWEB調査(定量)から集めました。肢体不自由者・視覚障害者・聴覚障害者・知的障害者に加え、高齢者からもヒヤリングを行いました。

■1人2時間のインタビュー調査を実施(定性)

空港や飛行機を利用する際の感情や思考を深く理解するため、1名2時間ずつインタビューを行い、「どのような対応を受け、何を感じたのか(ポジティブかネガティブか)」など、詳しくヒヤリングしました。例えば、車いす使用者からは「機内トイレは利用に時間がかかるため、お手洗いに早めに行きたい」、「機内トイレのスペース拡充や利便性を向上してほしい」などの声があり、機内でのお手洗いに関する課題が明確になりました。

車いすユーザーのインタビュー写真視覚障害者のインタビュー写真
※写真は調査のイメージです

■合計340名にWEB調査を実施(定量)

インタビュー調査でヒヤリングした内容が、その他多くの障害者や高齢者にも当てはまるのかを検証するために、WEB調査を実施しました。定量的に傾向を把握することで、課題の大きさや改善策の優先順位を適切に把握することができました。例えば、車いす使用者については、空港での搭乗手続きのスムーズさに課題があり、60%以上の車いす使用者が、「手続き時間を短くしてほしい」、「必要なお手伝いの情報伝達を行ってほしい」と感じていることが分かりました。

ポイント②
 カスタマージャーニーの作成


定量と定性的な調査から、カスタマージャーニーマップを作成しました。例えば、聴覚障害者からは「必要なお手伝いの情報を確実に伝えてもらいたい」というニーズがあるのに対し、視覚障害者からは「予約で障害や福祉器具情報を毎回伝える手間を軽減してほしい」、「白杖を預けるため保安検査ゲートを通過しづらいので、保安検査をスムーズにしてほしい」というニーズがあり、障害種別や利用シーンによって困りごとやニーズが異なりました。そこで、障害種別や利用シーンごとに行動・思考・ニーズを表にまとめました。

作成したカスタマージャーニーの画像

 

ポイント③ 
解決すべき課題・ニーズの優先度を定量的に導く


明らかになったそれぞれの課題について、困る度・改善度合いを数値化し、数値の高い順に優先度をつけました。

解決すべき課題の優先順位をまとめた表
※こちらの表は調査結果から一部の情報を抜粋したイメージです

 

担当者の声

◇日本航空 担当者様

日本航空では、すべての方に安心してご旅行を楽しんでいただけるようアクセシビリティの向上に取り組んでいます。今回、障害のあるお客さまに航空機を利用いただく上での問題点やニーズを把握するために、カスタマージャーニーマップの作成をお願いしました。

航空機の利用シーンごとの困りごとについては、これまで課題として認識していましたが、今回の調査で定量的に明示いただいたことで、各課題の重要性を裏付けすることができました。


◇ミライロ ビジネスソリューション事業部 森田

今後、より多様な方の立場に立ったサービス提供が求められる中で、「UD版カスタマージャーニー」は、お客さまに選ばれる事業者になるため、現状の把握や方針を検討するための羅針盤になると考えています。

今回のカスタマージャーニーの作成によって、「単なる移動手段」に留まらず「感動体験」につながるサービス提供に貢献することができれば嬉しいです。


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