※2018年実施
1.すべてのお客さまに、ストレスフリーを実現します |
日本航空株式会社
※2018年実施
1.すべてのお客さまに、ストレスフリーを実現します |
取り組みの背景と成果 |
誰もが安心して旅行する環境を整えるために、移動にバリアを感じている方々の困りごとが何か、旅行に必要なサポートが何かを深掘りし、見える化する必要があった
取り組み内容 UD版カスタマージャーニーの作成 |
ポイント①
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移動にバリアを感じている方々の声を、インタビュー調査(定性)とWEB調査(定量)から集めました。肢体不自由者・視覚障害者・聴覚障害者・知的障害者に加え、高齢者からもヒヤリングを行いました。
空港や飛行機を利用する際の感情や思考を深く理解するため、1名2時間ずつインタビューを行い、「どのような対応を受け、何を感じたのか(ポジティブかネガティブか)」など、詳しくヒヤリングしました。例えば、車いす使用者からは「機内トイレは利用に時間がかかるため、お手洗いに早めに行きたい」、「機内トイレのスペース拡充や利便性を向上してほしい」などの声があり、機内でのお手洗いに関する課題が明確になりました。
※写真は調査のイメージです
インタビュー調査でヒヤリングした内容が、その他多くの障害者や高齢者にも当てはまるのかを検証するために、WEB調査を実施しました。定量的に傾向を把握することで、課題の大きさや改善策の優先順位を適切に把握することができました。例えば、車いす使用者については、空港での搭乗手続きのスムーズさに課題があり、60%以上の車いす使用者が、「手続き時間を短くしてほしい」、「必要なお手伝いの情報伝達を行ってほしい」と感じていることが分かりました。
ポイント②
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定量と定性的な調査から、カスタマージャーニーマップを作成しました。例えば、聴覚障害者からは「必要なお手伝いの情報を確実に伝えてもらいたい」というニーズがあるのに対し、視覚障害者からは「予約で障害や福祉器具情報を毎回伝える手間を軽減してほしい」、「白杖を預けるため保安検査ゲートを通過しづらいので、保安検査をスムーズにしてほしい」というニーズがあり、障害種別や利用シーンによって困りごとやニーズが異なりました。そこで、障害種別や利用シーンごとに行動・思考・ニーズを表にまとめました。
ポイント③
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明らかになったそれぞれの課題について、困る度・改善度合いを数値化し、数値の高い順に優先度をつけました。
※こちらの表は調査結果から一部の情報を抜粋したイメージです
担当者の声 |
日本航空では、すべての方に安心してご旅行を楽しんでいただけるようアクセシビリティの向上に取り組んでいます。今回、障害のあるお客さまに航空機を利用いただく上での問題点やニーズを把握するために、カスタマージャーニーマップの作成をお願いしました。
航空機の利用シーンごとの困りごとについては、これまで課題として認識していましたが、今回の調査で定量的に明示いただいたことで、各課題の重要性を裏付けすることができました。
今後、より多様な方の立場に立ったサービス提供が求められる中で、「UD版カスタマージャーニー」は、お客さまに選ばれる事業者になるため、現状の把握や方針を検討するための羅針盤になると考えています。
今回のカスタマージャーニーの作成によって、「単なる移動手段」に留まらず「感動体験」につながるサービス提供に貢献することができれば嬉しいです。
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株式会社ミライロでは「障害者」と表記しています。「障がい者」と表記すると、視覚障害のある方が利用するスクリーン・リーダー(コンピュータの画面読み上げソフトウェア)では「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまう場合があるためです。
「障害は人ではなく環境にある」という考えのもと、漢字の表記のみにとらわれず、社会における「障害」と向き合っていくことを目指します。
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