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2020/09/29

「私には二人兄弟の子どもがいます。次男に障害があり、長男はそんな次男を受け入れられません」

岸田 ひろ実

※このブログ記事は、私、岸田ひろ実が講演をする中で、いただいた質問などをもとに書いています。

 

娘と息子の話をしていると、こんな質問をいただくことがあります。

 

「私には二人兄弟の子どもがいます。次男に障害があり、長男はそんな次男を受け入れられずにいます。どうしたら、岸田姉弟のようになれるのでしょうか」

 

そんな風に思ってもらえるなら、娘と息子も、きっと喜びます。

私は、娘に「弟と仲良くしなさい」と言ったことはありません。

 

娘が幼稚園生の時「ママは私のことが嫌いなんでしょ」と言われたことがあります。

びっくりして、理由を尋ねました。

「ママが好きなのは良太だけ。良太なんか生まれてこなきゃ良かったのに」と、娘は大泣きしました。

ダウン症の息子は当時、とても手のかかる子どもでした。

娘の目には、私は良太ばかりかわいがって、娘ばかり叱っていたように見えたのかもしれません。

 

そんなつもりは、もちろんありませんでした。

むしろ、どれだけ娘を頼りにしていたことでしょうか。

落ち着きがなく、すぐに飛び出してしまう良太に、私は必死で付き添っていました。向き合っていました。

お利口さんな娘だったからこそ、それができていたのです。

でも、娘にとっては、それは重荷でしかなかったのです。

手のかかる息子がいるから、私に対して普通に甘えられなかったんだ、寂しかったんだ、とその時はじめて気づきました。

 

それから、私は娘のことをよく抱きしめるようにしました。

「あなたのことが大好き」「あなたのことが大切」と、思った時にすぐ伝えました。

娘が変わってきたのは、それからです。

気がつけば、息子のことを誰よりも愛し、誰よりも大切にしてくれるようになりました。

 

障害のある子の方が、手がかかる。目が離せない。

それは、仕方がないことです。

仕方がないけれど、そんな大人の事情は、子どもにはわかりません。

 

寂しい思いをしている子どもに気がつくこと。

そして、できるだけ手をかけて、気にかけることを忘れないようにすること。

愛する子どもに、しなくても良い我慢をさせないこと。

 

それが、私が娘から教えてもらった、子どもたちとの向き合い方でした。

 

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