「KOTOBAL」で、誰ひとり取り残さないコミュニケーションを実現する

コニカミノルタジャパン株式会社

コニカミノルタ株式会社は、AI機械翻訳とオペレーターによるハイブリッド翻訳で、最大31カ国の外国語対応と音声筆談・手話通訳を可能にするサービス「KOTOBAL(コトバル)」を開発。自治体、ホテル、金融機関の窓口に訪れた外国人や高齢者、障害者のコミュニケーションをサポートしています。ミライロは、聴覚障害者への情報保障(遠隔手話通訳)を担当しています。

今回は「KOTOBAL」の開発経緯やミライロのサービスへの評価、今後の取り組みなどについてDXソリューション事業部ICW事業推進統括部のご担当者さまにお話しをうかがいました。

2019年にスタートした通訳サービス「KOTOBAL」

聞き手

「KOTOBAL」を開発した経緯について教えてください。

2016年にコニカミノルタの新規事業として、医療機関向けのコミュニケーション支援サービス「MELON(メロン)」の提供を開始しました。

その後、医療機関以外のお客様からも通訳サービスが使えないか?とご相談をいただき、2019年に「KOTOBAL」というブランドで医療機関以外の事業者向けに新たなサービスを開始しました。

サービス開始後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い日本に住んでる外国の方が給付金等の申請手続きのために市役所の窓口に多く訪れるようになった結果、市役所での外国人対応ニーズが高まり、自治体を中心に導入が進んでいます。

市民からの要望を受けて追加された聴覚障害者向けのサービス

聞き手

外国語以外に聴覚障害者向けのサービスも追加されたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

「KOTOBAL」は外国語に特化したサービスを展開していたのですが、ある自治体様から「KOTOBALを聴覚障害者とのコミュニケーション支援に活用できないか」という相談がありました。「KOTOBAL」はAIの通訳を特徴にしていて、精度が高く、喋ると的確に文字が表示されます。その様子を見ていた市民の方から「音声認識で筆談の代わりにできないか?」と提案があったようです。

私たちは、このことから聴覚障害者にKOTOBALが役立つのではないかと可能性を感じ、お客さまと一緒になって、文字にしていくタイミングや文字の大きさなども改良していきました。

筆談機能に加え遠隔における手話通訳サービスも使えるように

聞き手

その後、さらに「KOTOBAL」を改良し、より利用しやすいサービスに進化していったのですね

自治体窓口でKOTOBALを利用しているシーン

自治体窓口でKOTOBALを利用しているシーン

手で書く筆談の代わりに音声で文字にする「音声筆談」の機能とミライロの手話通訳者の方に繋げる「遠隔手話通訳」の機能をセットにリリースしました。筆談だけでなく手話を母語としている方に向けて、ボタン一つで筆談と手話を簡単に選択できるようになっています。

聴覚障害の利用者には手話がメインの方も多くいますが、「KOTOBAL」は筆談も使えることで選択肢が広がったため、ご利用いただける範囲が広がりました。障害者向けの窓口でも、外国語の翻訳の利用があるなど「KOTOBAL」が多方面でいろいろな方に使っていただけるようになりました。

新しいサービスを作り上げるパートナーとしてミライロを選んだ

聞き手

ミライロのどのような点をご評価いただいて、パートナーにお選びいただいたのでしょうか?

写真 担当者さま

DXソリューション事業部
ICW事業推進統括部
小笠原堂裕さま

私たちは、ずっと外国語のコミュニケーション支援を手がけていたので、手話の通訳を提供している会社について詳しく知りませんでした。

遠隔手話通訳サービスの提供にあたって、ミライロ以外の会社様にもお声掛けさせていただきましたが、ミライロの担当者とお話させていただいて、ミライロは「これから事業を伸ばしていく」、コニカミノルタも「これから手話を含めて聴覚障害者のための遠隔コミュニケーション支援サービスを提供していく」ということで、一緒に新しいサービスを作り上げるという思いに近いものがありました。

パートナーとしてやっていく会社であれば、将来性も含めてミライロがいいと思い、決めました。

手話通訳サービスの接続率も質も良く、利用者からの評価も高い

聞き手

実際にミライロの遠隔手話通訳サービスのご評価はいかがでしょうか?

実際にサービスを開始してみると、ミライロの手話通訳サービスは、コールした際の接続率と手話通訳の質がとても高く驚きました。とある自治体の方が、すでに他の手話サービスを利用していたのですが、あまり質が良くなかったとのことでした。そのような経験をされていたので、「コニカミノルタさんのサービスは大丈夫?」と不安がられていましたが、実際につないでご利用いただくと「待つことなくすぐに接続され、手話の質もかなり高い」と、とても高い評価をいただいています。

新しい顧客体験の提供を目指す

聞き手

「KOTOBAL」は今後どのような展開を考えていらっしゃるのでしょうか?

写真 担当者さま

私たちは「翻訳アプリ」としてではなく、自治体やホテル等の事業者様に対して、外国の方や障害がある方との新たな伝わる体験を提供したいと思っています。

最近では透明ディスプレイに翻訳後の文字をリアルタイムで表示するサービスを開始しました。これまではアプリに向かって話すのに抵抗感のあるお客さまもいました。透明ディスプレイであれば、映画の字幕のようなイメージでディスプレイに表示されます。お互いの目線も合わせながら自然なコミュニケーションをとることが可能になり、新しい顧客体験やおもてなしに繋がると考えています。

コニカミノルタは技術の会社でもあります。弊社の技術を使って「誰ひとり取り残さない社会」の実現を支援していきたいです。

聞き手

本日は貴重なお話しをありがとうございました。