1人の社員の情熱から広がった、ユニバーサルマナーの輪

株式会社静鉄ストア

「安全・安心・健康・美しい・楽しい」をモットーに、静岡県でスーパーマーケット「しずてつストア」を34店舗展開する株式会社静鉄ストア。(以下、静鉄ストア)

「ユニバーサルマナー検定」や「ユニバーサルコミュニケーション講座」を導入し、多様な方々の視点を設備や接客に取り入れています。取組みのきっかけや、導入後の変化について、CS向上推進委員会担当課長の佐藤一敏(さとう かずとし)様にお聞きしました。

ユニバーサルマナー検定導入のきっかけは、1人の社員の情熱から

CS向上推進委員会 担当課長 佐藤一敏様

CS向上推進委員会 担当課長 佐藤一敏様

佐藤

2016年春、日本テレビのニュース番組「NEWS ZERO」内で、キャスターの櫻井翔さんがユニバーサルマナー検定を受講しているのを見た1人の社員が、高齢者や障害者への応対方法は、様々な方々が訪れる弊社にとって必要な知識だと、休日に東京で開催していた個人検定3級・2級を自費で受講しに行きました。検定後、ユニバーサルマナーのバッジを着けて仕事をしていた社員を、常務役員が偶然見て、「それは何のバッジ?」と訊ねたところ、検定の説明を受けたそうです。その後、常務役員からCS向上推進委員会にユニバーサルマナー検定導入の提案があり、「多様な方々の適切な向き合い方を、障害のある当事者の講師から学ぼう」「すべてのお客様に、より質の高いサービスを広げていこう」と、満場一致で導入が決まりました。1人の社員の行動力と情熱から、ユニバーサルマナーが広がっていきました。

ユニバーサルマナー検定から、設備改善のアイディアが生まれた

検定後に導入した、車いす用トレー(上)と買い物カートに設置したルーペ(下)

検定後に導入した、車いす用トレー(上)と買い物カートに設置したルーペ(下)

佐藤

検定後すぐに、受講した社員から設備改善のアイディアをもらいました。「車いすユーザーにとって、かごを膝に置き、車いすをこぐことは困難かもしれない」「目が見えづらい人にとって、賞味期限や商品の成分が書かれている文字は見えづらいだろう」等の意見があがりました。新店舗の高須店では、かごを固定して買い物を楽しめるように車いすトレーの設置や、文字が大きく映るよう買い物カートにルーペを設置しました。どちらも、お客様から好評をいただいています。ユニバーサルマナーを習得したことで、物の見方が変わり、行動も変わったことを強く実感しました。

既に実践していた取組みの重要性を、再確認できた

様々な配慮がなされている「しずてつストア」の設備

様々な配慮がなされている「しずてつストア」の設備

佐藤

実は検定を導入する前からも、多様な方にとって買い物しやすい環境つくりのために、いくつかの工夫をしていました。例えば、冷蔵コーナーでは、カテゴリーごとに、表示プレートを斜め下に向けて掲示し、背が低い方や車いすに乗っている方でも、どんな商品があるかがパッと分かるようにしました(写真右)。また、オストメイトの方や幼児連れの方にも安心して買い物をしていただくために、オストメイト対応トイレやベビーベッドも設置しました(写真左)。これは、店舗をつくる際に、色々な特性があるお客様の来店を想像して、社員内で話し合って実現したアイディアでしたが、検定を受けていたことで改めて必要性を実感し、自信を持つことができました。

 

手話講座から学ぶ、コミュニケーションの在り方

しずてつストア本社にて、40名が手話講座を受講

しずてつストア本社にて、40名が手話講座を受講

佐藤

「しずてつストア」には、耳が聞こえづらいお客様の来店も多いです。その一方で、多様なコミュニケーション方法を求めるお客様への適切な対応に不安を感じていました。そこで、各店舗の社員が集まり、「ユニバーサルコミュニケーション研修」を導入しました。聴覚障害のある講師・薄葉さんから、聞こえづらいお客様の特徴や対応方法を教えていただきました。その方に応じて口話や筆談、ジェスチャーを使ってコミュニケーションを取ることが大切という学びがありました。毎日の朝礼で接客5大用語の手話を行っていましたが、正しい手話や意味を理解でき、充実した時間を過ごすことができました。更に「耳マーク」を店舗の入口に貼るだけでも、安心感を持っていただけることが分かったので、さっそく取り入れてみようと思っています。

おもてなしの心を、すべての人へ

聴覚障害のある講師・薄葉と社員の写真。「ありがとう」という意味の手話と一緒に

聴覚障害のある講師・薄葉と社員の写真。「ありがとう」という意味の手話と一緒に

佐藤

今後は、より多くの社員にユニバーサルマナーを広げていきたいと考えています。

ユニバーサルマナー検定を通して、障害のある方が、どのような視点で生活しているのかの一部を理解することができました。設備や接客の改善にも繋がり、視野も広がりました。また、受講した社員の多くから、障害の有無に関わらず、多様なお客様の状況に合わせてお声がけができるようになったという、声が届いています。

「自分とは違う誰かの視点に立ち、適切な理解のもと行動すること」。この意味を全員が同じレベルで理解し、様々な特性のあるお客様に、安心して楽しく買い物をしていただける「ユニバーサルマナー溢れる店舗づくり」を進めていけたらと思っています。