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龍谷大学
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取り組みの背景と成果 |
※1 平成18年12月に施行されたバリアフリー施策を推進するための法律。正式名称を「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」という。そのうち、建築物移動等円滑化基準に該当する項目について記載。
※2 各都道府県、市町村が制定する「福祉のまちづくり条例」。
取り組み内容「大学施設におけるユニバーサルデザイン設計標準」 |
「大学施設におけるユニバーサルデザイン設計標準」は、バリアフリー法と福祉のまちづくり条例に加えて、障害のある学生や教職員の声を取り入れた新しい設計の基準を指します。
下記の3つの項目をわかりやすく示した設計標準を作成しました。
A・・・バリアフリー法に該当する項目
B・・・福祉のまちづくり条例(※バリアフリー法と異なる場合のみ記載)に該当する項目
C・・・障害のある学生の声に該当する項目
※画像は実際に作成した成果物のサンプル版です。
法律や条例の中から、大学施設の設計においてポイントになる情報を抽出した基準に加えて、障害のある学生や教職員、障害学生サポーターなどの意見を反映した「大学施設におけるユニバーサルデザイン設計標準」にすることで、障害のある学生等にとって通いやすい大学、利用しやすい施設づくりを目的としています。
現状、大学施設を建築・改修する際に指標とするのは法律や条例です。しかし、その標準は一般的な建物を指すものであり、大学独自の施設整備に関する方針や具体的な整備基準は明確に定められていません。また、法律や条例の中から、大学施設や利用者に必要とされている情報を汲み取ることや、大学内においても整備基準が無いなど、大学担当者が抱える問題も多く存在しました。
以上の理由から、設計標準の作成にあたっては、障害者の意見も反映した上で進めていくことになりました。
障害当事者の意見を調査するための具体的な取り組みとして、以下2つを実施しました。
障害のある学生・教職員・障害学生サポーターに対してWEBアンケートを実施し、124件の回答が得られました。
アンケートから当事者の声を吸い上げたことで、通常見落とされがちな利用者の視点で課題を明らかにすることができました。
障害のある学生・教職員等が集まる意見交換会を実施しました。WEBアンケートで得られた課題などを用いて、当事者同士で意見を交換することで、設計標準の精度をさらに高めることができました。
担当者の声 |
龍谷大学では、これまでユニバーサルデザイン(以下、UD)の実現に向けて3キャンパスにおける施設整備を実施して参りましたが、施設整備の方針や具体的な整備基準が明確に定められていない等の理由から、継続的かつ効果的な対応が難しいという課題がありました。
この課題を改善すべく、ミライロ様にご協力いただきUD設計標準を作成いたしましたが、UDの関係法令をはじめ、「大学特有のUD」についても記載されているので、学内で共有認識を持った上で既存建物の不具合への対応や新築建物の整備に対応することが可能となりました。
株式会社ミライロでは「障害者」と表記しています。「障がい者」と表記すると、視覚障害のある方が利用するスクリーン・リーダー(コンピュータの画面読み上げソフトウェア)では「さわりがいしゃ」と読み上げられてしまう場合があるためです。
「障害は人ではなく環境にある」という考えのもと、漢字の表記のみにとらわれず、社会における「障害」と向き合っていくことを目指します。
性的マイノリティの中にはさまざまな性自認、性的指向の方がいらっしゃいます。株式会社ミライロでは、性的マイノリティの総称として「LGBTQ+」と表記しています(過去公開分のブログ等はLGBT表記の場合があります)。
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