導入から8年!ユニバーサルマナーが文化に

株式会社静鉄ストア

画像 静鉄ストア25周年ロゴ株式会社静鉄ストアは、静岡県内にスーパーマーケット「しずてつストア」を34店舗展開する地域密着型企業です。2024年に25周年を迎え「しずてつストアでみんなをハッピーに。」をスローガンに、地域のお客さまと向き合い続けています。

静鉄ストアでは、2016年からユニバーサルマナー検定3級および2級を導入しています。この取り組みは社員1人の情熱から始まり、8年の時を経て社内にどのような影響をもたらしているのか、エンゲージメント推進課のご担当者さまにお話をうかがいました。

ユニバーサルマナー検定導入のきっかけに関する記事はこちら

社内で広がるユニバーサルマナー検定

聞き手

ユニバーサルマナー検定は現在、社内でどのように広がっていますか?

画像 ユニバーサルマナー検定のロゴ
毎年特定の時期に、3級と2級を実施しています。各店舗の責任者にあたる店長・副店長から優先的に受講し、現在ではすべての店舗にユニバーサルマナー検定受講者が在籍しています。

社内では「ユニバーサルマナー」という言葉の認知度は非常に高く、自発的に受講を希望するスタッフも増えています。
ユニバーサルマナー検定を受講する前は、車いすユーザーなど障害のあるお客さまが来店した際、一歩引いてしまう従業員が多かったように思います。ユニバーサルマナー検定を通じて、多様なお客さまの視点に立って、サービスを考えるようになってきたのではないかと感じています。

※ユニバーサルマナー検定とは
障害者や高齢者など多様な人々に向き合うための「マインド」と「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。

手話とコミュニケーションボードによるサービス向上

聞き手

具体的に、どのような取り組みをしていますか?

画像 コミュニケーションボード

たとえば、聴覚障害のあるお客さまが来店した際、快適にお買い物をしていただけるよう、朝礼で接客に使う手話のフレーズを練習しています。多くの従業員が「いらっしゃいませ」などの基本的な挨拶を手話でできるようになっています。

また、2024年4月に改正障害者差別解消法が施行されたことも踏まえ、しずてつストア独自のコミュニケーションボードを作成しました。これにより聞こえづらい、話しづらいお客さまにとって、よりお買い物がしやすい環境を提供できたらと思っています。

障害がある方の困りごとを想像し、自分たちができることに取り組む姿勢は、ユニバーサルマナー検定を通じて身に付いたものだと思います。

しずてつストアの理念と行動宣言に基づく取り組み

聞き手

従業員研修は一過性に終わることもありますが、継続的に取り組めている理由は何ですか?

私たちは、お客さまに来店していただいて初めて仕事が成り立ちます。お客さまにもっと喜んでいただき、良いサービスを提供するために投資を惜しみません。

経営理念として「しずてつストア百年構想〜しずてつストアでみんなをハッピーに。」というスローガンのもと、5つの行動宣言を掲げています。

①お客様もスタッフも笑顔の数が地域で一番多いお店をつくろう。
②お店で働く仲間の列に入ろう、味方になろう、思いやろう。
③安全な商品をお届けするために、自分は何ができるか考えてみよう。
④一日に一度、自分がお客様だったら、とイメージしてみよう。
⑤環境や地域のことを考えて行動しよう。

これらの行動宣言は「自分とは違う誰かの視点に立ち、行動する人を育てる」というユニバーサルマナー検定の理念と重なり、企業文化として理解しやすいことが継続的に実施できている理由の一つです。

画像 静鉄ストアの店舗

 

お客さま中心の取り組みとユニバーサルマナーのさらなる浸透

聞き手

改正障害者差別解消法の施行もありましたが、今後どのような取り組みを進めていきたいですか?

法改正があったからではなく、お客さまの満足度を高めるためにできることを私たち一人ひとりが考え、取り組んでいきたいと思っています。お客さまの声を受けての改善も重要ですが、積極的にアイデアを提案し、改善を進めていきたいと考えています。

そのためにも、今後もユニバーサルマナー検定のeラーニング受講制度などを活用し、より幅広い従業員に受講してもらうことを目指します。

従業員全員が自分とは違う誰かの視点に立ち、行動できる人へ

聞き手

最後に一言お願いします。

社員は数年ごとに勤務する店舗が変わりますが、継続して同じ店舗で働くアルバイトスタッフにもユニバーサルマナーを学んでもらい、組織や店舗の風土形成に貢献してもらいたいと考えています。時間的にも制約の多いアルバイトスタッフへの普及方法が今後の課題です。

さまざまなお客さまにご利用いただくスーパーマーケットとして、自分たちの都合だけで商売を続けるわけにはいかず、地域で信頼され、選ばれるお店になる必要があります。ミライロとの取り組みを通じて、障害がある方々の視点や自分とは違う人々の視点から多くを学びました。

写真 講義風景写真 実技風景

思考が変われば言葉が変わり、言葉が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば運命が変わります。ユニバーサルマナーを学ぶことで、従業員や来店されるお客さまの人生が豊かになることを願っています。

聞き手

本日は貴重なお話をありがとうございました。