「守る」のその先へ。 お客さまの期待を超えるサービス提供を目指す。

東洋テック株式会社

東洋テック株式会社(以下、東洋テック)は、1966年の創業以来、近畿圏を基盤に機械警備、ホームセキュリティ、ビルメンテナンスなどを提供し、地域の「安心・安全」を最前線で支えてきました。東洋テックが掲げるのは、単なる契約の遂行に留まらない「お客さまの期待を超えるサービス」の提供です。

安心で快適な社会の実現に貢献する取り組みの一環として、2023年より東洋テックグループの従業員約3,700名を対象に「ユニバーサルマナー教育プログラム」を導入しました。現在では4,000名超を対象とした継続的な研修を実施しています。警備という「厳格さ」が求められる現場において、いかに多様な方々に寄り添い、さりげないサポートを「当たり前」に提供できるか。この課題に対し、東洋テックグループの教育機関“TECアカデミー”の講師が全従業員への研修を実施し、独自の実践的な教育プログラムを展開しています。

今回は、この大規模な取り組みを牽引するご担当者さまに、導入の背景から現場の変化、そして目指すべき未来について詳しくお話をうかがいました。

(写真)インタビューを受けてくださった方2名の写真
 (左:TECアカデミー講師 片岡 博子 様、右:TECアカデミー講師 本越 行雄 様) 

お客さまの期待を超えるサービスへ

聞き手

今回の取り組みに至った具体的な背景や、導入の内容を詳しく教えてください。

私たちは警備やビルメンテナンスを通じて、数多くのお客さまと接しています。これまでも多様なお客さまの安心・安全を守るため、さまざまな教育を実施してきました。しかし、2024年4月の改正障害者差別解消法の施行や、2025年の大阪・関西万博開催、2030年までには誰一人取り残さない持続可能な世界を実現するという、SDGsの理念が浸透する社会の中で、合理的配慮の提供など今まで以上に多様なお客さまの安心・安全を守ることが求められるようになり「今のままの業務で、本当にすべてのお客さまに満足いただけるのか?」という自問自答がありました。

単に依頼を受けた業務を遂行するだけでなく、目の前でお困りの方がいれば自然に手を差し伸べる。そんな「お客さまの期待を超えるサービス」こそが、これからの東洋テックグループに求められるサービス品質だと考えました。そこでミライロと連携して、東洋テックグループ全従業員を対象に「ユニバーサルマナー教育プログラム」を導入しました。

(写真)インタビューを受けている様子左側が本越様右側が片岡様

 

東洋テックが進める「ユニバーサルマナー教育プログラム(2023年5月31日作成)」は以下の通りです。

  • 東洋テックの社員は、ミライロが運営・管理するユニバーサルマナー検定3級、2級の認定取得に加え、全従業員への浸透を促すためにユニバーサルマナーBOOKを活用した社員教育を実施する。
  • 東洋テックの新入社員全員を対象に、ユニバーサルマナー検定3級を実施する。
  • 上記は2023年度から毎年継続的に行うものとし、ユニバーサルマナーの知識およびスキルの維持・向上に努め、東洋テックグループ全従業員が広く社会に貢献することを目的とする。


現在も継続して、毎年新入社員全員を対象に、ユニバーサルマナー検定3級を受検する機会を設けているだけでなく、4,000名超の従業員が毎年1回、必ずユニバーサルマナーに関する教育を受講するようにしています。私たちが大切にしているのは、検定を受講して終わりにせず、繰り返し学び続けることです。その思いで取り組んでいます。

サポートしたい気持ちがあっても、知識がなく一歩を踏み出せない

聞き手

導入前に、現場や組織として感じていた具体的な悩みは何だったのでしょうか。

現場の従業員は、もともと「人を守りたい」「役に立ちたい」という強い正義感を持っています。しかし、実際に車いすユーザーや白杖を使用している視覚に障害のある方をお見かけした際、「どう声をかければ失礼にならないか」「良かれと思ってやったことが、逆にご迷惑にならないか」と迷い、結果として行動できずに「見て見ぬふり」のようになってしまう場面があり、「サポートする知識がないことで一歩踏み出す勇気が持てずに悔しい思いをした」という声がありました。

何も知らない状態で車いすを押すのは怖いですが、どのようにお声掛けをしてどのように操作すれば安全かという「知識」があれば、自信を持って行動に移せると思います。また、視覚に障害がある方へのお声掛けも「大丈夫ですか?」という問いかけでは相手も「大丈夫です」と遠慮してしまいがちです。そうではなく「私に何かお手伝いできることはありますか?」というお声掛けをすることで、相手へ配慮のあるコミュニケーションが取れることをユニバーサルマナー教育で学びました。

(写真)新入社員研修のグループワークの様子

(2026年4月9日 新入社員を対象にユニバーサルマナー検定3級受講)

経営陣の強い共感と、現場で「今日から使える」実践性

聞き手

他の研修サービスもある中で、なぜユニバーサルマナー検定を選ばれたのでしょうか。

最大の理由は、ミライロの垣内社長の講演を当社の経営陣が拝聴し、その理念に深く共感したことです。実は、本格導入に先立って、会長、社長をはじめとする経営陣約60名が自ら検定を受講しました。「これは単なる福祉の知識ではなく、私たちのサービス品質を間違いなく向上できる」という共感を経営層から得られたことが、全社展開への強力な後押しとなりました。

(写真)東洋テックグループ 代表取締役会長 田中(右)、代表取締役社長 池田(左)/ミライロ 代表取締役社長 垣内(真中)(2022年7月23日 東洋テックグループ初のユニバーサルマナー検定3級講習にて)

数ある研修の中でユニバーサルマナーを選んだのは、その「実践性」です。私たちは多くのオフィスビル、金融機関などで業務に従事しておりますが、そこには必ず多様なお客さまがいらっしゃいます。ユニバーサルマナーは障害のある方だけでなく、ご高齢の方やベビーカーの使用者など、すべての人に対する「適切な距離感と配慮」を教えてくれます。私たちの現場で「今すぐ使えるスキル」が凝縮されていたことが決め手となりました。

また、検定だけでなく「ユニバーサルマナーBOOK」というバイブルがあることも大きかったです。TECアカデミー講師はユニバーサルマナーBOOKを最大限活用して、自社の現場に即した教育資料を作成しています。ミライロが提供するユニバーサルマナー検定は、東洋テックグループの目指す「お客さまの期待を超えるサービス」に合致していたからこそ、迷わず選定しました。

(イメージ画像)ユニバーサルマナーBOOK

 

現場だけでなく、プライベートでも一歩踏み出す行動

聞き手

 導入後、社員の皆さんの反応や具体的な行動にどのような変化がありましたか? 

最大の変化は、社員が自信を持って行動できていることです。毎年行っているユニバーサルマナーの実技研修では、実際にアイマスクをして階段を昇り降りしたり、車いすで段差を越えたりします。実際に体験をすると「わずかな坂道でも車いすだと想像以上に加速して怖かった」、「たった2~3センチの段差を乗り越えることがこんなに難しいとは思わなかった」といったように体験しないと分からない「当事者の感覚」を肌で感じることができます。また、実際に現場で起きそうなシチュエーションを研修プログラムに取り入れています。そうすることで、日常生活でも自信を持って自然と行動ができる従業員が多くなりました。

また、研修を受けた社員からは「自分の親を介護する時、車いすをゆっくり押してくれと頼まれた理由が分かった」「新幹線の駅でお困りの方に自然と声を掛けることができた」などプライベートでも一歩踏み出す行動ができたという声も多く届いています。研修アンケートでも「今日からサポートできる自信がついた」という回答が多く、体験することで自信に変わったことを実感しています。
(写真)車いす体験の研修を行っている様子。

 

当たり前のことが当たり前にできる社会を目指して

聞き手
今後、この取り組みをどのように発展させていきたいとお考えですか。
今後は、この取り組みをさらに「深化」させ、「定着」させていくフェーズだと考えています。現在はTECアカデミーの講師が研修実施を担当していますが、将来的には各現場のリーダーや隊長が、現場でユニバーサルマナーを教えられるような体制を目指していけたらと考えています。

また、現在は身体に障害のある方やご高齢の方への対応が中心ですが、今後は知的障害や精神障害、あるいはLGBTQ+の方々など、より多様な方々への理解も深めていきたいと考えています。私たちの仕事を通じて「東洋テックの警備員さんは困っている方のサポートができる」「東洋テックに頼めば安心だね」という評価が広がり、それが地域の安心と安全に貢献できることを願っています。当たり前のことが当たり前にできる社会を、まずは私たち従業員から広げていき、ミライロさんとはこれからも良きパートナーとして、学び続けていきたいと思っています。
聞き手
ありがとうございます。東洋テックさまの取り組みのさらなる発展が楽しみです。