公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館(本社:東京都台東区、館長:高橋明也)からのご依頼を受け、施設の手話による案内動画を作成する運びとなりました。株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:垣内 俊哉、以下「ミライロ」)は、ミライロ・コネクト事業の一貫として、聴覚障害者向けの手話案内動画を提供し、耳が聞こえない来館者にもわかりやすく、安心して楽しんでいただけるよう努めています。また、さまざまな場面において手話や文字でコミュニケーションがとれる社会を目指しています。
取り組み内容
本動画では、東京都美術館を利用する際の案内を手話にて解説しています。
館内の企画棟や公募展示室をはじめ、講堂やギャラリー、ミュージアムショップなど各施設をご紹介しております。
また、チケットカウンターでは、障害者手帳があればチケットが不要でそのまま展示受付に進めることや、聴導犬などの介助犬が館内同行可能であるなど、聴覚障害者が事前に知っておきたい情報を取り入れています。その他にも、筆談機や音声文字表示器の設置や、手話通訳者がいる時間帯、ヒアリングループなど補聴をサポートするシステムがある場所など、聴覚障害者が特に気になる情報を丁寧に説明しています。
動画の撮影は、案内者と一緒に訪れている気持ちになれるよう、周りの様子がわかるように工夫をしました。
今回の取り組みのように、動画コンテンツへの字幕や手話を付与する動きは世界的にも進んでいます。
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)では、障害のある人を含め、誰もがウェブコンテンツを平等に利用できるように、「聴覚障害者向け:動画コンテンツへの字幕・手話通訳提供」が具体的な対策として挙げられています。
まだ国内では数は多くありませんが、今後デフリンピック開催もあることから、今回のような取り組みが増えることが予想されます。
出演者
長井 恵里
1996年2月27日生まれ、徳島県出身。『虹色の朝が来るまで』(18)で映画初出演・主演。主な出演作に、NHK 謎解きドラマ「L の招待状」(20)、『田中家』(21)主演、『ケイコ目を澄ませて』(22)、『月』(23)、NHKドラマ「デフ・ヴォイス法廷の手話通訳士」(23)、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(24)、『十一人の賊軍』(24)など
監修者コメント
福島直人
今回東京都美術館様からのご依頼を受け、長井様ご協力のもと、手話による施設案内動画を作成でき非常にうれしく思います。CODA(コーダ:聴覚障害者の親を持つ人のこと)である私の親は、文字のみで内容を十分に理解することができず、私が文章を手話で翻訳して伝えることがあります。そのため、第一言語が手話の方は文字だけではなく、今回のように手話での解説がある方がより具体的に内容が伝わると感じました。社会的に動画には字幕のみということが多いですが、手話による情報保障も増え、手話と文字が一般的な情報保障の形になれるように社会に声を届けていきたいと思います。
まとめコメント
東京都美術館の使命(ミッション)として、「展覧会を鑑賞する、子供たちが訪れる、芸術家の卵が初めて出品する、障害のある方が何のためらいもなく来館できる、すべての人に開かれた「アートへの入口」となることを目指す」ことを目指しています。さらに今回は、WCAGや、障害者情報アクセシビリティ施策推進法などに則って、聴覚障害者が安心して来館できるようにと手話案内動画を作成しました。
このような国際基準や国内法を念頭に「すべての方に」と各施設や企業などで、聴覚障害者のための情報保障として「手話通訳」や「文字情報」の提供が進んできています。東京都美術館のような先駆的な例もありますが、各施設・企業などでその特徴を活かした情報提供のやり方があります。施設・企業の強みを活かした方法を一緒に検討していただくことが社会を変えていく一歩になると信じ、ミライロ・コネクトでは引き続き、さまざまな場面において聴覚障害者が手軽に情報にアクセスでき、気軽にコミュニケーションがとれる社会を目指します。ご興味のある方はどうぞお気軽にご相談ください。
お問い合わせ先
ミライロ・コネクト事業
メール:connect@mirairo.co.jp
