新型コロナウイルスの流行に伴う「障害者雇用の課題」と「企業の対応事例」を調査しました

ミライロでは、新型コロナウイルスの流行に伴い、企業の障害のある従業員に対する対応と、障害者の職場環境を整備する際の課題を調査しました。

調査報告書


スライドショーが見にくい方や音声読み上げでご覧になりたい方ようにWord版もご用意しております。
次のリンクからダウンロード可能です。
新型コロナウイルス流行に伴う、障害者の職場環境調査.docx

調査概要

【調査内容】新型コロナウイルスの流行に伴い、障害のある従業員に行った対応
      障害のある従業員への対応に関して不安に思うこと 等

【調査日】2020年4月13日(月)~ 4月27日(月)
【調査対象】企業の人事担当者(障害者雇用の関係者)
【人数】総回答数:68社
【調査手法】Webアンケート

障害のある従業員に行った対応について

◆約8割の回答者が、障害のある従業員の働き方に「変化があった」と回答

【円グラフ】働き方の変化について
◆在宅勤務や時差通勤以外にも、自社独自の支援を実施
障害者の職場環境に「変化があった」と回答した企業のうち、
・最も多かった変化は 「在宅勤務・テレワークの推進(41/55社)」
・ 次いで 「通勤方法の切り替え・時差通勤の推進(30/55社)」 だった。

障害のある従業員への対応や職場環境整備についての詳細を回答した61の企業のうち、16社が「障害のある社員に個別に対応している」と回答した。

自由回答では、
・「会社提供のタクシーを手配している」
・「不安になったら誰かに吐き出すよう、精神面のフォローをしている」 
・「聴覚障害のある方向けの音声文字変換ソフトの権限者を拡大した」 などの声が挙がった。

◆ミライロの見解
「障害のある社員に個別に対応している」と回答した16社には、企業規模・業種・障害者雇用率に大きな偏りは見られなかった。

上記の結果から「個別の対応はどのような企業でもできる」ということが分かる。このような状況下では、できることから実践し、 改善に向けた取り組みを改善・継続していくことが事例に挙がったような対応へと繋げるポイントと言える。 そのためにもまずは、オンラインでの個別面談やアンケートの実施などを行うことで現状を把握し、何ができるのかを障害のある当事者と一緒に考えることが重要である。

障害のある従業員に行った対応について

◆約6割の回答者が、障害のある従業員への対応について「不安はある」と回答

【円グラフ】対応の不安について

◆【精神的なケア】【知的・発達障害のある従業へのケア】に不安に感じている企業が多数
「障害者対応について、どんな不安があるか」という設問に対し、身体障害者に関する課題はあまり見られず、一般的な感染予防やコミュニケーション不足についての不安が多かった。

最も多くみられたのは精神障害や知的・発達障害やに関する不安で、
・「知的障害の社員の方々が、普段通りの勤務を取り戻すのに時間がかかる」
・「不規則な勤務になることによる不調への対応が難しい」 という声が目立った。

◆ミライロの見解
不安として挙がった声の多くは、精神障害や知的・発達障害のある従業員への対応についてだった。新型コロナウイルスに関する課題は障害種別や環境により大きく異なることが別の調査からも分かっていたが、精神障害や知的・発達障害のある方は、「非常事態」への対応を苦手とする方が多いことが理由と考えられる。

上記の結果だけを見ると、一見、精神障害や知的・発達障害のある従業員の課題は大きいようにも見えるが、課題がある中にも希望はあると言える。これらの障害がある方はこれまでオフィスに毎日出社するのが難しく、働き続けられないケースもあった中で、リモートワークや時差通勤が進んだことにより、こうした方々の働く選択肢は増えていると考えられるためである。

この機会に障害当事者と密にコミュニケーションをとり、より良い職場環境を模索することで、今後の障害者雇用の可能性が大きく広がることに期待ができる。そのためには、今は障害のある従業員の特性に合わせた、個別対応を進めていく必要がある。

 

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