東京2025デフリンピックに向けて「手話講座」を実施しました

株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:垣内 俊哉、以下「ミライロ」)は、ミライロ・コネクト事業の一貫として、ろう者の講師と聴者の講師を派遣し、東京観光情報センターのスタッフを対象に対面にて手話講座(以下「本講座」)を開催しました。本講座を通して、耳が聞こえない方と聴者を繋ぐ架け橋となる方を増やし、さまざまな場面において手話でコミュニケーションがとれる社会を目指します。

 

(写真)東京観光情報センターのスタッフの皆さんに手話講座を行っている様子

 

取り組み内容

事前に本講座で学習したい内容や手話単語などをヒアリングした上で、ご希望に合わせたカリキュラムの考案および講師を選定し、今回はろう者の講師1名とCODA(コーダ:聴覚障害者の親を持つ人のこと)の講師1名の2名体制で担当しました。

本講座内の、「手話とは?」では聴覚障害者の言語である手話について学んでいただき、「聴覚障害について」では聞こえにくさの種類や聴覚障害者への対応方法を学習しました。さらに、「手話実践」として、基本的な挨拶や数字の表現を学び、実際に演習をしていただきました。さまざまなワークを通して、実際に手を動かして体験する時間を多く設けました。約10名のスタッフの皆さまにご参加いただき、「この単語は、どう表現するの?」といった積極的な質問が多く寄せられ、終始和気あいあいとした楽しい雰囲気で講座が進みました。

 

受講者アンケート

Q今回の研修を受講してみていかがでしたか?

 とても参考になった 90%
 参考になった 10%

Q研修の内容は理解しやすかったですか?

 理解しやすい 100%

Q研修の内容は今後の実務に役立ちそうですか?

 そう思う 100%

Q講師についてどうでしたか?

 とても良かった 90% 
    良かった 10%

 

受講者からは、「聞こえない講師から聞くのは初めてのため、最初は緊張していたがわかりやすかった。」という意見もあり大変好評でした。また、「間違えて覚えていた手話を正しく教えてもらえてよかった。」や、「手話だけでなく他のコミュニケーション方法もあることが分かった。」など、今回の学びを職場に持ち帰って共有したいというご意見も多くありました。

講座終了後に受講者にインタビューしたところ、実際の業務で使える手話単語が多く、持ち帰って他のスタッフに共有してくださるそうです。聴覚に障害のあるお客さまが来られた際に、現在は筆談などで対応されているようですが、今後は簡単な挨拶を手話で伝えられるようになるとお話くださいました。

特に、印象的だったのは、毎月聴覚に障害のあるお客さまが来所され、イベント資料を取りにこられるそうです。今回の研修を活かして、「できる」「できない」「ごめんなさい」など、簡単な手話で話をしてみるというご意見でした。 

講師コメント

 

プロフィール_鈴木義雅

名前:鈴木義雅
今回の手話講座では、「観光」というテーマに合わせ、観光関連の手話表現の学習に取り組みました。皆さんが実際に手を動かしながら「この表現なら伝わるかな?」「もっと工夫できる方法はないかな?」と試行錯誤される姿がとても印象的でした。また、講座中にはいくつかの質問も飛び交い、参加者の皆さんが手話学習に対して非常に意欲的であることを実感しました。手話を覚えることはもちろん大切ですが、それ以上に「実際に使ってみること」が普及の第一歩です。手話を学ぶことで、聴覚障害者の方々が観光地で安心して楽しめる環境が広がることを願っています。今回の講座をきっかけに、手話を日常の中で活用し、観光業の新しい可能性を一緒に作り上げていけたらと心から期待しています。

 

【プロフィール写真】福島直人 (1)

名前:福島直人
今回は、2025年のデフリンピックにむけて手話講座を開講したいというご相談をいただきました。業務に直結できるように接客の場面で使える言葉を中心に、実践的な内容を盛り込んでほしいというご要望が多くありました。カリキュラムを作成する際には、聴覚障害を理解するための講義から始まり、手話の初歩的な部分から応用的な内容まで幅広くお伝えできるように工夫しました。私たちとしても、指導した内容を即座にお仕事の場面で、聴覚に障害のあるお客様とのコミュニケーションに役立ててもらえると思うと非常にうれしくなりました。今回の講座をきっかけに、手話で気持ちを伝えられるようになってもらえれば嬉しく思います。

 

 

まとめコメント

今回の取り組みのように、オンラインではなく現地での手話講座に関するご相談をいただく機会が増えています。その背景には、2025年に開催されるデフリンピックの影響が挙げられます。手話は言語であるため、初めからすべてを手話でやり取りをするのは難しい部分もありますが、簡単な挨拶だけでも手話で伝えたいというニーズが高まっています。
本講座では、手話を学ぶだけでなく、手話を通じて障害者との向き合い方やダイバーシティについて考えていただく良い機会となりました。ミライロ・コネクトでは引き続き、さまざまな場面において手話で円滑なコミュニケーションがとれる社会を目指してまいります。手話講座をご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

お問い合わせ先

ミライロ・コネクト事業
メール:connect@mirairo.co.jp

手話や文字に関する情報保障にお困りの方