こんにちは。ミライロハウススタッフです!
皆さん、
「発達障害」とは一体どんな障害で、当事者の方はどんなことに困っているのかご存じでしょうか?
今回は発達障害について、そして発達障害がある方を対象とした取り組みを行う株式会社三和製作所さんのハートブリッヂというプロジェクトについてご紹介します。
発達障害について知っているよ!という方もそうでない方も、ぜひ一緒に理解を深めましょう!
発達障害とは?
まず発達障害とはどういった障害なのでしょうか?
発達障害は主に行動や情緒に特徴(凹凸)がある状態のことを指します。幼少期に気づく場合と成人してから気づく場合がありますが、どちらも原因は生まれつきみられる脳機能の偏りによるものです。決して育て方や環境のせいではありません。生まれつきの特性です。
発達障害にはいくつかの種類があり、それらが重複している場合もあります。
今回は
・ASD(自閉症スペクトラム障害)
・ADHD(注意欠如多動症)
・LD(学習障害)
の違いを詳しく見てみましょう↓
障害名 | 特徴(一部) |
ASD(自閉症スペクトラム障害) | ・社会的コミュニケーションや対人関係で困難を感じる ・同じ方法や状態(遊び方・服など)にこだわる ・聴覚や感覚などが過敏 など ※自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害が統合されたものです |
ADHD(注意欠如多動性障害) | ・忘れ物や失くしものが多い ・じっとしていられない ・空気を読めず、思いつきで行動してしまう など |
LD(学習障害) | ・聞く、話す、読む、書く、計算や推理をするなどの特定のものに困難を感じる ・知的な発達の遅れはなし など |
上記はあくまで一部です。
困りごとやその度合いは一人ひとり異なります。
そのため周囲から理解してもらえず「変わった人」や「わがまま」「親のしつけがなっていないのでは」と言われてしまうことがあります。
また子どもの時期においては、失敗や苦手について周囲から理解が得られないことで自信をなくしてしまい、その行為自体を避けようとする傾向があります。
周りの大人が一緒になってその子に合った方法を模索し、苦手を取り除いて自信をつけてもらうこと、必ずどこかに自分に合った方法があることを知ってもらうことが大切です。
<例>
忘れ物が多い児童が先生に毎回怒られることで自信をなくし、学校に行きたくなくなってしまう
⇨防ぐために
・周囲の大人が一緒に対策を考える
・登校前にその日の提出物を一緒に確認するルーティンを決めたりする
など
宿題に苦戦した結果、プリントをくしゃくしゃにして怒り出してしまう
⇨防ぐために
・どういうところがわからなかったのかを丁寧に確認し、児童にできる問題および形式を考える。
例えば…
問題を1問ずつプリントアウトする
確実にできる問題に戻り「できた!」とモチベーションを上げてから、少しずつ問題のレベルを上げる
など
※厚生労働省「発達障害」
※文部科学省「発達障害者支援法」
そして、失敗を未然に防ぐ・苦手を取り除ぐ工夫を行なっているのが、ハートブリッヂさんです。
ハートブリッヂとは?
ハートブリッヂは「何かひとの役には立てないか?」をモットーに、特別支援教育の分野において子どもたちやご家族、先生方に寄り添いながら「もの」や「こと」を創造する、株式会社三和製作所の取り組みです。
知的障害や発達障害のある子どもたち、苦手なことがある子どもたち、そしてそのご家族を、物づくりと空間づくりそして食の面からサポートしています。
※ハートブリッヂホームページ
※三和製作所ホームページ
◇ものづくり
子どもたちの「できた!」という喜びを大切にしており、成長の段階に合わせた工夫が施された製品を作っています。
例えばこのスモック。
全部で6シリーズあり、服を着ることに失敗したりそれによって苦手を感じたりすることがないよう、段階的に変化させた工夫がなされています。
子どもが持ちやすい大きさのボタンにし、ボタンとボタンホールの色を段ごとに変えることで掛け違いを防いだり、留めにくい一番上はマジックテープに変えたり、指の力が弱い子どもでもファスナーをあげられるよう裾に小さな取っ手をつけたりなど、工夫が詰まっています。
またスモック以外にもちょう結び練習エプロンや食事用エプロン、ランチョンマットも作っています。エプロンは腰ひもの中に硬めのひもをいれることで結びやすくし、通す穴と紐の色を左右で変えることで通す場所を分かりやすくしています。
◇空間づくり
三和製作所のオフィスにハートブリッヂガーデンというコミュニケーションスペースを設置しています。保護者さんの交流や「できた!」につながる教材の体験、上記で紹介したものを含むその他製品も試すことができます。
◇食からの支援
インクルーシブスイーツパティシエの志水さんがインクルーシブスイーツについて発信しています。これは誰もが同じものを同じ空間で食べられることを大切にして作られたスイーツです。飲み込む力が弱い方はもちろん、障害のない方も楽しめるようになっています。
ミライロハウスのYouTube チャンネル「ミライロハウスTV」でも、これまでに志水さんが作ったチョコレートやお汁粉をご紹介しました。
Youtube
Youtubeチャンネル「ミライロハウスTV」にて、ハートブリッヂ代表の小峰さんへお話を伺ったインタビュー動画を公開しています。どういった思いから製品を作ったのか、また作っていく上で工夫した点など、製品や施設に込められた想いを伺いました。
ぜひご覧ください!
◇動画はこちら
最後に
今回は発達障害とハートブリッヂをご紹介しました。
私は身体に障害があり、どうしてもできないことがあるため、ハートブリッヂさんの「できた!」という喜びを大切にしている姿勢にとても共感しました。今後も「できる!」に注目してさまざまなことにチャレンジしていきます。
発達障害は認知度が上がっているように感じる一方で、どう接したらいいのか、困っているときにどう声をかけたら良いのかなど、まだまだ知られていない点も多くあります。今後、障害や取り組みに関してより周知されていくことで、障害の有無に関係なく誰もが過ごしやすい環境に変わっていくことへつながるのではないでしょうか。