視覚障害者と聞くと、全く見えない人のことを想像する方が多いと思います。
実は、まったく「見えない」人もいれば、視力はあるが「見えにくい」人もいて、人によって見え方はさまざまです。
今回は、視覚障害者がどのような見え方をしているのか、例を交えてお伝えします。
視覚障害の等級
見え方を知る前にまず、視覚障害の等級基準をお伝えします。以下は全国の自治体が発行している障害者手帳における基準で、5つの等級に分かれています。等級ごとに自治体や企業から受けられる助成金や割引サービスが異なります。
1級
- 視力の良い方の眼の視力が0.01以下のもの
2級
- 視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下のもの
- 視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
- 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼かつ両眼中心視野角度が28度以下のもの
- 両眼会報視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
3級
- 視力の良い方の眼の視力が0.04以上かつ0.07以下のもの
- 視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
- 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度が56度以下のもの
- 両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野死人点数が40点以下のもの
4級
- 視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの
- 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下のもの
- 両眼開放視認点数が70点以下のもの
5級
- 視力の良い方の眼の視力が0.2かつ他方の眼の視力が0.02以下のもの
- 両眼による視野の2分の1以上が書けているもの
- 両眼中心視野角度が56度以下のもの
- 両眼中心視野点数が70点を超えかつ100点以下のもの
- 両眼開放視認点数が40点以下のもの
視覚障害者の見え方は人それぞれ!?
このように、視覚障害の等級は5つの等級に分けられています。
視覚障害者の見え方は一人一人の症状や進行具合によってさまざまです。
まったく目が見えない人もいれば、視力はあるが視野が狭い人もいます。
視覚障害者だからといって全員がまったく見えないわけではありません。
そして「見えにくさ」も人によって異なります。
視覚障害は大きく2種類に分けられます。
1.視力障害
視力が著しく低いため発生する視覚障害
2.視野障害
視野が著しく狭くなるために発生する視覚障害
では、視覚障害者にとって、日常の風景はどのように見えているのでしょうか。「見え方紹介アプリ」という疑似体験アプリを使用して体験してみましょう。
見え方の違い
まずは私たちが見ている公園の風景です。
同じ風景が視覚障害のある方にはどのように見えているのでしょうか。
今回は、4つの例をご紹介します。
羞明(しゅうめい)
強い光を受けた時に不快感や、痛みを感じる症状であり、見え方としては、視界がかすんで見え、白い霧がかかったような見え方になります。日中の強い日差しや、夜間での車のヘッドライトなどがあたると、光が散乱し見えにくい状態です。
※見え方や度合いは人によって違います。あくまで一例としてご紹介しています。
夜盲症(やもうしょう)
暗闇での視力が著しく衰えてしまう状態です。夜間や暗い空間にいるときに見えづらくなります。一般的に、明るい場所から暗い場所へ移動した際、しばらくすると目が慣れてきます。これを暗順応と呼び、夜盲症のある視覚障害者は、この暗順応がうまく機能せず見えにくい状態になります。
※見え方や度合いは人によって違います。あくまで一例としてご紹介しています。
視野狭窄(しやきょうさく)
視力はあるものの、視野が狭い状態です。写真のように望遠鏡やトイレットペーパーの芯から覗き込むような見え方になります。視野に入る部分は見えますが、周囲の状況が比較的分かりにくく、足元にある障害物などに躓いてしまうなど歩行がしづらい場合があります。
※見え方や度合いは人によって違います。あくまで一例としてご紹介しています。
中心暗点(ちゅうしんあんてん)
視力はあるものの、視界の中心部分に斑点が見えたり、ぼやけて見えたりする状態です。焦点が合いにくいため、拡大鏡の使用や焦点をずらして文字を読む方が多くいます。
※見え方や度合いは人によって違います。あくまで一例としてご紹介しています。
一人一人の見え方に合わせたサポート方法を
今回は写真を使って視覚障害者にもさまざまな見え方があることをご紹介しました。
また、見え方はもちろん、求めているサポートも人それぞれです。街中で視覚障害のある方を見かけた際は、自分の先入観で動くのではなく、まずは相手にどのようなサポートが必要かを聞くことが大切です。
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まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は一例をご紹介しましたが、視覚障害者の見え方にも違いがあります。もし街中や駅で視覚障害者を見かけてサポートをする際、「普段どのようにされていますか?」と質問してみてもよいかもしれません。きっと、どのような見え方をしているのかやサポートしてほしいことを教えてくれると思います。