コクヨの新オフィスを監修!ユニバーサルマナー検定の実施や手話通訳士の派遣を行い、障害のある当事者が働きやすい環境づくりをサポートしました

【写真】「HOWS PARK」のロゴが入ったオフィスを車いすユーザーが移動する様子「HOWS PARK」

この度、コクヨ株式会社が2023年6月1日より本格始動させたダイバーシティオフィス「HOWS PARK(ハウズ パーク)」をユニバーサルデザインの観点から監修しました。

同社では、2024年にインクルーシブデザインが考慮された新商品構成率20%以上(シリーズベース)を目標としています。新オフィス「HOWS PARK」は、グループ全体の目標に沿ったものであり、これからの社会に求められるオフィスづくりに先駆けたチャレンジです。

ミライロでは同社とパートナーシップを組み、新オフィスの技術監修の他、プロジェクト推進に向けたダイバーシティの理解・共感を醸成するためのエンゲージメント活動や課題のヒアリング等を行うワークショップの開催などをサポートしました。

 ◇本件に関する同社のプレスリリースはこちら

【ロゴマーク】HOWS PARK「HOWS PARK」ロゴ

 

「HOWS PARK」始動までに実施した取り組み

①プロジェクトメンバーを対象に「ユニバーサルマナー検定」を実施

「HOWS PARK」は、同社の特例子会社・コクヨKハート株式会社の一部部門の本社内移転に伴い、将来的に両社の強みを生かして業務推進を進め、新たな価値創造を実現する場所を目指したものです。2021年11月よりプロジェクト体制を組み、コクヨKハートの社員の皆さまも連携して計画を推進されていました。

そこでまず、同社のプロジェクトメンバー24名を対象にユニバーサルマナー検定3級を実施し、その内15名には同検定の2級まで受講していただきました。

検定を通して多様な方との向き合い方やサポートの方法を習得いただき、「選択肢を提示し、『何か手伝えることがあるか?』と聞くことが大事であるということがわかった」などという感想をいただきました。

②社員同士が話し合うワークショップに手話通訳士を派遣

ユニバーサルマナー検定で理解を深めたあとは、社内の現状を把握するために、コクヨKハートの障害のある社員の皆さまにも集まってもらい、ディスカッションをしました。

既に整えられている点や、今後課題となり得る点を中心に確認し、毎日過ごす職場だからこそ、誰もがより快適に過ごせるよう、同社の社員と共に意見交換を行いました。

聴覚に障害のある社員がいるグループにはミライロの手話通訳士を派遣し、ファシリテートをしながら進めることで、コミュニケーションの壁を感じることなく、意見を言いやすい環境を作りました。

【写真】5名がテーブルを囲み手話をする様子「イメージ写真」

③社員の皆さまの声も取り入れて新オフィスの設計図を監修 

ワークショップを通じて集められた社員の皆さまのアイデアを形にするために、オフィスの設計図を技術監修しました。ユニバーサルデザインの視点からミライロの専門家が監修し、より使いやすいオフィスにするために社員の皆さまのアイデアを加えた30の配慮事項としてまとめました。

  • 配慮事項を元に変更を加えた一例

    【トイレ】

    電動車いすにも対応できる広さの多機能トイレを増設しました。引き戸の自動扉やオストメイト、ユニバーサルシートの設置なども行いました。

    【サインボード】
    新たなデザインを起こし、機能的で使用者の気持ちに配慮したものを設置しました。

    【スロープ】
    1/12勾配の十分な広さ・長さ・視認性を考慮し、あえて異なる床色を採用しました。

    【ロッカー】
    社員一人一人にロッカーを準備しました。ロッカーの配置と高さは、車いす使用者でも出し入れしやすいよう、低い位置に、上下2段の立方形状を設計しました。 

【写真】ロッカーと多機能トイレ【写真】オフィスの内装(目にやさしいオフィス 。テーブルや床はクリームホワイトなど優しい色合いを採用。さらにブラウンカラーと木目を入れ、目に優しく明るい印象の執務空間をデザイン。照明器具もグレアを感じないような器具を採用。)

 

 

 

 

「左:ユニバーサルデザインを取り入れたロッカー・多機能トイレ/右:目にやさしいオフィス」

コクヨ株式会社 CSV本部 サステナビリティ推進室 理事
井田 幸男様からのメッセージ

【写真】井田様ミライロさまを知ったきっかけは、ミライロIDのお取り組みでした。すごくイノベイティブな会社だなと感心しました。そのあと自らユニバーサルマナー検定の2級3級を受講して、障害のある方に教えていただける新鮮さと、対話の重要性を気づかせていただきました。これをきっかけとして、インクルーシブデザインに取り組む開発者がユニバーサルマナー検定を受講させていただいたり、他のメニューでもお世話になり、多くのメンバーがたくさんの気づきを得る機会を提供してもらっています。今後は、より持続可能なリレーションシップを目指して、一緒にビジネスが出来たらいいなと考えていました。例えば、ミライロIDを活用したコクヨのインクルーシブデザイン商品を多くの方にお届けして、多くの方が働く・学ぶ・暮らすことに社会参画いただく機会を提供し社会のバリアを減らして行くことに貢献していけたら、ステキだと思います。

株式会社ミライロ 営業部 塩谷のコメント

今回は新オフィスの始動に向けてご一緒させていただきましたが、設計図の監修だけに留まらず、社員の皆さまのダイバーシティの理解・共感の醸成や、障害のある社員の方からのヒアリングなどもサポートさせていただきました。「HOWS PARK」は無事に始動となりましたが、社員の皆さまが多様な方のことを理解し、共に話し合い、一からオフィスを作り上げられたことで、これからこの場所で働く社員の皆さまにも、ユニバーサルマナーやプロジェクトメンバーの皆さまの想いが広がっていくことと思います。今後も「HOWS PARK」を通じて生まれるインクルーシブなモノ・コトに1人の消費者として注目すると同時に、またコクヨの皆さまとD&Iの実現に向けてご一緒できることを心待ちにしています。