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2020年06月03日

おにぎりに学ぶ、ダイバーシティ。

岸田 ひろ実

ちょっと、想像してみてください。

今からあなたはおにぎりをにぎろうとしています。
さて、できあがったのはどんな形のおにぎりですか。

私は俵型のおにぎりができました。
みなさんはどうでしょうか。

きっと違う形のおにぎりをにぎった人もいると思います。

でも、私の常識の中では俵型が当たり前。
お弁当箱にいれる時、並べて入れやすいからです。
もう何十年も、俵型のおにぎりをにぎってきました。

俵型のおにぎりが弁当に入っている様子

そんな私は、娘が大きくなった時、彼女が三角のおにぎりを握っていてびっくりしたんです。

娘の小さな手でにぎる三角のおにぎりは、きれいな形ではありませんが、

どうしても三角のおにぎりが良いと言うのです。

娘が作った、さんかくのおにぎり

そして数年前、息子が作ってくれたおにぎりを見てもびっくりしました。

俵型でも三角でもなく、まん丸なのです。

息子にとっては、まん丸のおにぎりが当たり前だったということです。

息子が作った、まん丸のおにぎり

不思議ですね。
私は子どもたちに俵型のおにぎりを作っていたのに。
二人はいつの間にか、違うおにぎりを作るようになっていました。

おにぎりの形には地域ごとにも違いがあるそうです。
最近は、コンビニやメディアの普及で、育ちや地域に関係なく、いろんな形のおにぎりをにぎる人が増えているのかもしれません。
だって、一つの家庭ですら、3種類のおにぎりができたわけですから。

私は、娘と息子に「その形よりも、俵型の方がお弁当箱に入れやすいよ」と言おうとしたことがあります。
でも、やめました。

娘は三角のおにぎりをかじって、具が見えるのが好きだし。
息子は不器用な手先で、簡単ににぎって食べられるのが好きなんです。
その人によって食べやすいおにぎりの形は違うのです。

つまり「おにぎりは俵型がいい」と押しつけるよりも、いろんなおにぎりの形を認めて選べるようになった方が、生活は豊かに、楽しくなるんです。

自分で作ったまん丸おにぎりを見る息子

おにぎりの話になってしまいましたが、これは、職場のダイバーシティでも同じことが言えます。

会社にもいろいろな人がいて、多様な人の経験や気づき、文化を取り入れた方が、サービスも商品も良くなります。

例えば、働くママ社員の意見を取り入れた商品開発で売上を伸ばした食品宅配サービスや、目が見えない社員の意見から生まれた手触りの良い布製品などがあります。

違いを互いに認めあって、配慮をしあえるようになれば、それは誰にとっても働きやすい環境にもなります。
人材を増やす、社員を辞めさせない、そして一人ひとりのパフォーマンスを上げるためには、そのような環境が必要不可欠です。

私は、たくさんの違いに出会うたびに思い出していることがあります。
「おにぎりは俵型じゃないといけない」と思い込んでいた自分のことを。

ずっと同じ文化の中で生活していると、いざ違う文化を見た時に「それはおかしいよ」「こっちの方がいいよ」と思ってしまいがちです。そこに悪気がなかったとしてもです。

でも、言われた方は想像以上に戸惑います。

「私にとってはこれが当たり前だったのに、おかしいのかな」と思うと、自信を失ってしまいます。

言いたいことも言えなくなります。

受け入れることが難しかったとしても、認めることならできます。
「私はこうやっていたけれど、あなたはこうやるんだね」と思うだけでいいのです。

認めるだけで、相手の考え方や行動を見つめることができます。

母と娘と息子が笑顔で食事している様子

そうすることで、自分が気づかなかったやり方や価値が生まれてくるのかもしれません。

それで失敗したり、効率が落ちてしまったりするようなら、押しつけるのではなく、「こんなやり方もあるよ」と提案する方法もあります。

私に違うおにぎりの形と楽しみ方を教えてくれた、娘と息子のように。

これからも、いろんなおにぎりの形を見つけていきたいなと思っています。

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