こんにちは、ミライロ広報部の岸田奈美です。
先日、写真素材・ストックフォトで有名なピクスタさんとコラボレーションし、「障害のある方が、企業で活躍する写真素材」の撮影会を開催しました。写真の販売は3月頃から行われるそうなので、どうぞお楽しみに。
※「PIXTA」はプロ・
撮影会では、さまざまな障害のある人が働くシチュエーションを撮影しましたが、最もニーズが高く、撮影枚数も多かったのは「車いすユーザーの社員が働いている風景」です。
法定雇用率の引き上げがあり、色々な企業でこういった素材は必要とされていますね。撮影会にあたって、気づいたことをまとめました。
“演じてる感”が出ると、活躍できるイメージが沸かない
障害者採用のWEBサイトやパンフレットを見た時に、違和感を感じることがあります。それは、「健常者のモデルが無理をして、障害者を演じている」ことがわかる写真です。
普段、障害者と触れ合ったことがない人なら気づかなくても、本人からすると「これはないな〜」とすぐに気づきます。明らかに被写体が間違っていると「この企業は障害者と向き合ったことがないのかな」「あまり理解してもらえないのかな」とマイナスなイメージを持ってしまうことも。
障害のあるモデル(最近は障害者モデル専門の芸能事務所も開設されましたね)に演じていただくのが、最も自然でオススメですが、予算や時間の都合で、難しい場合もあるかもしれません。
健常者のモデルが被写体になる場合は、事前に自然な動きをチェックしておく、障害のある当事者に監修してもらう、といったポイントを押さえておきましょう。
アクティブな車いすを使おう
車いすユーザーを被写体にした写真はよく見かけるのですが、その中にこういう車いすの写真があります。(ご紹介している写真はすべて、PIXTA様で販売されております)
https://pixta.jp/photo/28063120
この車いすは、主に病院・福祉施設などで使われることの多い「介助用の車いす」です。最近では、スーパーやホテルなどでもレンタルできることがあります。
なんでこの車いすが撮影で使われることが多いかと言うと、単純にお安いからなんです。でも、一旦ストップ!
「ちょっとつらい時だけ利用している」「ご高齢の人が利用している」なら自然ですが、企業でバリバリ働く意欲のあるアクティブな障害者が使うことは、まれです。(もちろん、いらっしゃらないわけではありませんので、不適切な写真ではないです)
今回、私たちの撮影会で撮影した写真はこちらです。
https://pixta.jp/photo/47050017
どうでしょうか。関西風に言うと“シュッとしている”感じがしませんか?
この撮影会では、オーエックスエンジニアリング社(http://www.oxgroup.co.jp/)の日常用車いすをレンタルして、撮影しました。介助用の車いすと比べると、コンパクトで軽く、デザインもオシャレです。外に出てバリバリ働く、車いすユーザー歴の長い人だと、こういう車いすを利用している方が多いのです。
レンタルが難しいかもしれませんが、電動車いすという選択肢もあります。最近ではWHILL(https://whill.jp/)なども話題ですね。
車いす一つとっても、全く印象が変わってきます。TPOにあった福祉器具が映っていると、「この企業はちゃんとわかってくれるんだな」「障害のある人が働くイメージがつきやすいな」と思ってもらえます。
車いすは正しく乗って、正しくサポート
車いすをこいだり、誰かに押してもらったりするシーンを撮影する場合にも、注意が必要です。
・前輪(小さな車輪)が、きちんと進行方向を向いているか
車いすを一度停車させて、方向を変える時に起きがちなミスに「車輪が進行方向以外を向いている」ことがあります。ひどい時だと、真横を向いていることも。方向を変えたら、10cmほど後方にまっすぐ下がると、前輪が進行方向を向きます。
・停車している時、手はアームレストか、膝の上に
たまに、車いすをこいでいない=停車している時なのに、手がタイヤの外側に落ちていることがあります。このまま進行するとタイヤに手が巻き込まれて事故に繋がるため、不自然です。テーブルについている時は、テーブルの上に手を置いても良いですが、そうでない時は膝の上か、アームレストの上に手が収まるようにしましょう。
・車いすは正しくサポートする
例えば、誰かが手伝って車いすで坂道をくだる場合は、後ろから。のぼる場合は、前から。ユニバーサルマナー検定でもお伝えしていますが、正しい介助方法で介助しているか、きちんとチェックしましょう。
今回は、車いすユーザーの撮影ポイントのみ、簡単にお伝えしました。その他の障害に関する撮影ポイントも、機会があればお伝えしたいと思います。
障害のある当事者視点を取り入れて、ちょっとしたポイントを押さえると、「障害者がいきいきと働いているイメージがつきやすい企業」の写真素材になります。ぜひ、試してみてください。
※本文中で紹介しております、アクティブな車いすを使用した写真素材は、順次ピクスタさんに販売予定です!