豆まきと乳ボーロ

息子の良太にはダウン症と知的障害があります。

2月2日、仕事帰りに良太から「ママ、あした、おいはーとと、ふぐはーつち、まめ、やで」と言われて、翌日が節分だっとことを思い出しました。

次の日、早速良太と節分のお豆を買いにスーパーへ。

スーパーに着くと「ぼく、いけるよ」と自信に満ち溢れた顔をして言うので、私は車で待機することにしました。一人でスーパーに入っていく息子は、なんとも頼もしかったです。

しばらくして「ママー!あったよー!」と満面の笑みで袋を握りしめ、帰ってきた良太。しかし、袋の中身は「福ボーロ」。豆まき用のお豆ではなく、赤ちゃんも鬼たいじできるお菓子でした。

岸田家史上、初めてボーロで鬼退治をしました。我が家に赤ちゃんはいませんが、普通のお豆では追い出せなかった、鬼までも退治できた気がしました。

おつかいは間違えてしまった良太ですが、良太が一人で買いに行ってくれたからこそ、思い出に残る鬼退治ができました。「正しいものを正しく購入すること」がすべてではなく、時に間違いも家族を笑顔にし、いい思い出を作るんだと改めて感じた今年の節分でした。

岸田 ひろ実Hiromi Kishida

株式会社ミライロ 講師

長女と知的障害のある長男を育てる中、2005年に夫が心筋梗塞により突然死し、2008年に自身も大動脈解離により下半身麻痺となる。2011年より株式会社ミライロに入社し、講師として年間180回以上の講演を行う。2014年世界的に有名なスピーチコンテスト「TEDx」に登壇後、日本経済新聞「結び人」・朝日新聞「ひと」・テレビ朝日「報道ステーション」など数々のメディアで取り上げられる。