先日、国会議事堂(参議院)に行って感じたバリアフリーについて書きたいと思います。
国会議事堂を訪れる前は正直な気持ち、バリアフリーは整っていないのではないかと思っていました。一般の方が見学できるコースでは階段の昇り降りが随所にあるので余計にそんな印象になるのかもしれません。
しかし、実際に行ってみると、本会議場までの移動においてはスロープやエレベーターが設置されていて、私のような車いすユーザーでも1人で移動できるバリアフリールートが確保されていました。多目的トイレもあり、最低限のバリアフリー設備は整っているという印象です。
本会議場においては大型の車いすが入る上で、スペースや電源の確保などが必要になるでしょうが、なんとかなる範囲の改修で対応できるのではと感じました。
一方で、介助者の同伴、投票や挙手、意思の伝え方などについては、これから合理的配慮で積極的に解決していかなければいけない課題です。
全体的な印象は、ハード面の拡充よりもルール面の拡充が急務だということでした。
思い返せば、TEDxKOBEや報道ステーションも、車いすユーザーの私が出演することで舞台やスタジオのバリアフリー対応を考えて対応してくださいました。エクアドルは車いすユーザーの大統領が就任したことから、国会のバリアフリー化が進みました。
そこに障害のある当事者がいることで初めて気付き、何ができるのかを考えることができるのです。そしてそこから、変えていこうという行動に移せるようになるのです。
国会議事堂のみならず、学校も企業も行政機関でも、障害の有無にかかわらず多様な人々が同じ場所でそれぞれが活躍できる環境をつくることが大切です。そこが整ってこそ、どんな人にも優しい国づくりに繋げることができる。国会議事堂を訪れて改めて感じることができました。