一般の方向け 雇用 ナレッジ
2021年02月02日

障害を特別視しない、職場におけるインクルーシブな関係とは?

藤巻 栞

21卒入社の藤巻です。

私は、ミライロに内定してうれしい気持ちになったと同時に、「職場において、障害を特別視せず、良好な関係を築くにはどうしたらいいんだろう?」という、漠然とした疑問を抱きました。
それは過去に、障害のある人へ過剰な配慮をしてしまう経験があったからです。

例えば、車いすユーザーを見かけた時、「車いすをおさなければいけない」、視覚に障害のある人を見かけた時、「誘導しなければいけない」と考えて声かけをしていたのですが、「いや、大丈夫です!」と断られることがほとんどでした。

私はこれまで、「街で障害のある人を見かけた時、何かしなければいけない」と思っていましたが、たびたび断られたことで、過剰な配慮になっている可能性に気づくことができました。

しかし、職場で障害のある人と接するとなると、どうしたら良いのか想像ができません。
障害があることを特別視せず、良好な人間関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?
そんな不安な気持ちを、社長や先輩社員にぶつけてみました。

■社長

写真 ミライロ代表の垣内

#垣内 俊哉(かきうち としや)
#どうぶつ好き

■先輩

写真 ミライロ社員の苫米地

#苫米地 麻衣(とまべち まい)
#入社1年目の先輩社員
#バイク好き

 

”分からないから、関わらない”、は不健全な人間関係をつくる

 

藤巻
私は今、障害のあるスタッフと一緒に働く環境へ飛び込むことに不安があるのですが…

社長
アルバイトをしていた時は、不和が生じているわけではなかったけど、「障害がある方と距離をとることで摩擦をなくす」雰囲気がありましたね。
たとえば、プライベートで「飲みに行こう」となったときに、そもそも誘わないとか。
「どうしたら一緒に行けるのかな?」という思考回路が生まれないんですよね。それでは、不健全な関係をつくることになってしまいます。

画像 子どもが仲間外れにされているイラスト

藤巻
確かに。
気を遣ってしまって、結局誘えないこともありそうですね…

苫米地
私が入社した時の話ですが、障害のあるスタッフと一緒に仕事をするとき、サポート方法がわからなくて不安になったことがありました。そのときは、「どんなサポートが必要か教えてください!」と聞いてコミュニケーションをとるようにしましたね。

社長
その対応は、百点満点だね!(笑)
どうしてほしいのかは本人が一番わかっているからね。
あと、働いてから気づいたのですが、障害のある自分からも「こんなことができる」、「こんなことをされるとうれしい」、「こういう時に嫌な気持ちになる」と周りに伝える必要があるなとも感じました。
でも、障害がある人だけが自分のことを伝えるのでは、本当の意味で仲良くはなれないと思います。

 

障害者としてではなく、会社の先輩と歩いている気分でいい

 

藤巻
一緒に働くなら、仲良くしていたいですよね。

社長
配慮に対してありがたいな、過剰だなと感じる根本には、個人の価値観の違いもあると思います。
しかし、配慮に対して一定の距離を置いてしまうのが、一番いらない配慮だと思いますね。
この人は障害があるから、この点では関わらないようにしよう。みたいな。

苫米地
入社してから、視覚障害のあるスタッフと、初めて会う機会があったんです。
これまで視覚障害の人と接する機会がなかったこともあって、サポート方法がわからなくて。
その視覚障害のスタッフと仲が良い同期にどうしたらいいか聞いてみたんです。
そうしたら、
視覚障害の人としてではなく、会社の先輩と歩いている気分でいいのでは?
って言われたんです。
それまで、視覚障害の人へのサポート方法が完璧に分かっていないといけないと考えていましたが、
「それでよかったんだ!」と気づかされました。

社長
さすがだね!!

苫米地
分からないことがあったら、本人に聞けばいいって。
聞いてもらえることがうれしいと思うよって言ってくれたんです。

藤巻
今までは、サポート方法は事前に分かっていないといけない思っていましたが、
「分からなかったら、聞けばいい」
当たり前のことですが、人間関係においてとても重要なことですね。
そんな風に考えられる方が多くいたら、皆さんが過ごしやすい環境になりますね!

社長
そう考えると、ミライロはすごく過ごしやすいですね。
僕は普段、自分で移動するときは、一緒にいる人に迷惑をかけないようにと、経路や訪れる施設のバリアフリー情報を完璧に調べるんです。
でも、ミライロスタッフと一緒の時は、エレベーターやトイレ、お店選びなどをすごく自然にやってくれるんですよね。だから一番楽だし、気兼ねなく目の前のものを楽しめます。
ミライロスタッフの間で、気兼ねなくサポートしあえる関係性ができているからこそですね。

 

「気遣いを忘れずに、必要に応じて『教える・支える・叱る』」障害を特別視しない、フラットな関係の作り方

 

藤巻
最後に、「障害を特別視しない、フラットな人間関係を築く」には、何が必要でしょうか?

社長
障害に配慮して距離を置いてしまうのではなく、同じ会社の仲間として、必要に応じて「教える・支える・叱る」ことが大切だと思います。
「障害者だから、気を遣って何も言わない。」は違う、と私は考えています。

苫米地
障害の有無にかかわらず、ビジネスにおける基本的な気遣いがとても重要だと思います。
たとえば、「報告・連絡・相談」は基本ですよね。
他には、人のことを知りたい!だけじゃなくて、自分を好きになってもらおうと行動することを大事にするといいんじゃないかなと思います。

藤巻
同じ会社の仲間として、時には厳しさも必要ということですね。
相手のことを知るだけではなく、自分を好きになってもらう努力もする。
障害の有無に関わらず、人間関係を作っていく上で基本的なことが、障害のある人と関わる上でも重要なんですね!
お二人の話しを聞いて、ミライロへの入社がとても楽しみになりました!
今日の気づきを、社内でのコミュニケーションに活かしていこうと思います。

社長
いま、リモートワークが主だからこそ、感謝の気持ちを丁寧に伝えることも重要ですね。
感謝を目に見える形で、しっかり伝える。これも、コミュニケーションで信頼関係を築くために大切なことです。
特に新しいメンバーは、どんな人間関係か見えづらいので、お互いに考えていることを伝えられるよう感謝の見える化が必要かもしれませんね。

苫米地
リモートワークになって、リアルで交流できることの大切さを痛感しています。
コミュニケーションをとれる機会はチャンスだと思って、メンバーに話しかけに行くことも大事なことですね!

まとめ


人間関係で悩むことが多かった私にとって、今回の対談は多くの気づきを得ることができました。
障害に対して配慮しすぎて、一定の距離をおいてしまうのではなく、友人として、同じ会社の仲間として、必要に応じて「教える・支える・叱る」こと。
分からなかったら、教えてもらいにいくこと。
「知らないから関わらない」ではなく、「教えて!」の気持ちを大切にしたいと思います。
障害の有無に関わらず、お互いが自己開示した先に、インクルーシブな職場が待っているはずです。


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