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2021年02月10日

買いたいものが買えないWEBサイト!?WEBアクセシビリティの重要性

原口淳

近年、「WEBアクセシビリティ」「WEBユーザビリティ」など、誰もが使いやすいWEBコンテンツに関する取り組みが注目を集めています。

今回は、全盲の私の経験談で、買いたいものが買えないWEBサイトのお話です。

その前に、「視覚障害のある方でもWEBサイトを利用するの?」と思われる方もいると思いますので全盲の私がどのようにWEBサイトを利用しているのか、下記の動画をご覧ください。

 

いかがでしたでしょうか?
(私と同じように視覚障害のある方の9割以上が、WEBサイトを利用しているという調査結果もあります)

全盲の私がどのようにWEBサイトを利用しているか、イメージを持っていただけたところで、本題です。

最近私は、とある企業のWEBサイトから商品を購入しようと、会員登録を行なうことにしました。

ところが、、、

個人情報の入力を進めていき、未入力箇所があった場合に「入力内容に誤りがあります。恐れ入りますが下記の入力項目をもう一度ご確認下さい」という、メッセージが表示されます(下図参照)。

しかし、この時「文字によるメッセージの表示」と「該当箇所の色づけ」がされるのですが、全盲の私には見ることができません。結果として、音声で未入力箇所が読み上げられないため、どの項目が未入力箇所なのか気づくことができません。この場合は未入力箇所を1つずつ確認する必要があり、手間がかかってしまいます。

画像 未入力箇所に色がついている様子

この他にも、会員登録の利用規約に同意する際、キーボード操作(マウスが使えないため)ではチェックボックスにチェックができませんでした。このチェックが出来ないと、会員登録が行えず、買いたいものが買うことができなくなります。

画像 利用規約に同意する画面

どうしても商品を購入したかった私は友人の助けを借りることにしました。

その際、友人に会員登録時のことを伝えたところ、「それは企業も気づかないよ~!」と驚かれてしまいました。

最近、そんな出来事があり、今回の記事を書くことにしました。

全盲の私だから気づくこと、そんな日常の気づきを少しでも発信することで、より多くの人に知ってもらうきっかけになれば嬉しく思います。

企業の皆さま、自社のWEBサイトについて、是非この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか?

障害者や高齢者はもちろんのこと、誰もが利用しやすいWEBサイトを一緒に構築できれば嬉しく思います。

ちなみに今回は友人のおかげで商品を購入することができました(笑)


WEBサイトのアクセシビリティやユーザビリティについて
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