一般の方向け お知らせ
2020年08月24日

一人暮らしのススメ ~ 視覚に障害がある方編 ~

笹川 楓子

こんにちは、ミライロの笹川です。
先日は、「障害がある方の一人暮らしの実態」をお伝えしました。

今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさんのうち、一人暮らしの経験がある視覚に障害がある方に、お話しを伺いました。
当事者にしか分からない悩みや、当事者だからこそのアイディア、想いをたくさんお寄せいただきましたので、ぜひご覧ください。

「一人暮らしのススメ ~ 肢体不自由の方編 ~」 はこちら

一人暮らしのアイディア

障害のある方の一人暮らしには、その方にしか分からない困りごとや生活の工夫があります。
特有の困った!とその解決方法を紹介します。

●【困ったこと】契約してもらえない。更新を断られた。(50代男性/視覚障害)
 【工夫】障害者でも入居可能な物件を半年かけ自力で探した。

●【困ったこと】お部屋探しの時点で断られることがあった。届く郵便物等が整理できず、必要な書類を出すのを忘れたりする。(20代女性/視覚障害)
 【工夫】部屋探しについては、周りの人たちの口コミ等で不動産屋を選んで解決した。郵便物については、アプリを使ったり、ヘルパーさんに読んでもらったりしている。

●【困ったこと】自宅と通勤先の移動はなんとかわかるが、それ以外の生活に関わること…買い物やゴミの捨て方等などをどうやって把握すれば良いか困った。(50代女性/視覚障害)
 【工夫】職場の人に教えてもらったり、市役所のHPを参照したりしました。後から、支援センターがあることを知り、歩行訓練で安全に日常的に利用するところへの移動の練習ができましたから、支援に関する情報を最初の頃に知っていればなぁ…と今、思います。

●【困ったこと】全盲で一人暮らしをするには、ある程度の技術を事前に訓練しておく必要があるみたいです。パソコンやスマホが仕える、家事でできることとできないことを自覚している、ヘルパーが家に入ってきても恥ずかしくない程度の生活を自力でできているなど。(60代男性/視覚障害)
 【工夫】パソコン・スマホによるネット検索、ネット申込みですね。障害のある方はその障害に応じた機器にてネットが利用できるように技術を身につけておく必要があります。全盲者の場合は、音声をたよりにネットが使える訓練でしょうね。

イメージ写真 スマ―トフォンを利用している

2016年4月に施行された障害者差別解消法により、障害者に対する入居拒否や立ち退き要求は、明らかな違法行為だと主張できるようになりました。
それでもなお、事実上の入居拒否や強制退去はあるようです。

※「賃貸住宅の利用実態に関する調査~障害者の約3割が「入居拒否」「立ち退き要求」を経験~」はこちら

一人暮らしをしてみたい人へ、一人暮らしのススメ

アンケートにご回答いただいた方に、これから一人暮らしをする同じ障害のある方へ伝えたいこと、ご自身の経験、工夫などを伺いました。
生活に基づいたアイディアや温かいメッセージなど、幅広いご意見をたくさんいただきましたので、一部をご紹介します。

スマホのOCRやビデオ通話は、思っている以上に随分活躍してくれます。虫は出ないにこしたことはないので、窓や扉を開けっぱなしにしないなど、工夫をしながら、掃除も入念に。災害時、ガス給湯器のロックがかかってしまった時などは、やはり為すすべもなく、近くに住む友人が本当にありがたかった。なので、ご近所づきあいも本当に大切だと思う。(40代女性/視覚障害)

市役所に尋ねれば支援してくれる団体などを教えてくれるので利用すると良いと思います。最近はインターネットでの情報も活用しやすくなってきたと思うので試すと良いかと思います。(50代女性/視覚障害)

自分でできることとできないことを振り分けしてできないことは業者に頼むしかないと思います。(60代男性/視覚障害)

●今は、コンビニや宅配サービス、ルンバなど便利なものが沢山あります。出来ないことはこうしたものに頼りつつやっていったら良いと思います。近所の病院の場所と体調不良の時に必要なもの(うどんやゼリー冷凍食品、飲み物、マスクやナプキンなど)は、揃えてきらさないようにするのがオススメです。(20代女性/視覚障害)

●新しいチャレンジをするのだから、何事にも前向きに取り組むこと。また「自立」というお題目に対して現時点で自分がどれだけのことをできるのかについては恥ずかしいことではない。これからできるようになりたい項目も明らかにし、それについての協力を求めることも重要。(40代男性/視覚障害)

イメージ写真 視覚に障害のある方が手引きをされている

 

肢体不自由の方のアドバイスと同様、「できること、できないこと、どんなサポートがあればよいのかを明確にすること」「コミュニティを形成し、有事に備えること」などが多く挙がりました。

使えるサポートや安心できるコミュニティを活用して、快適な一人暮らしができると良いですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、視覚に障害がある方の一人暮らしについてお伝えしました。
一人暮らしの困りごとは障害によって異なるようですが、コツは共通しているものが多いようです。

この記事が、これから一人暮らしをしようとしている方の不安解消に少しでも繋がれば幸いです。


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