知的障害のある息子とコンビニ店員さんから教えてもらった、地域社会で暮らすということ

講師の岸田ひろ実です。

今回はダウン症で知的障害もある息子、良太についてお伝えします。

良太には1人でおつかいに行ける所があります。自宅から歩いて5分のローソンです。

良太くん

幼い頃から私や姉の奈美と一緒にお買い物をしているので、ローソンの店員さんにも良太のことをよく知ってもらっています。

 

良太が中学生の時にはこんなエピソードもありました。

下校の途中、お金を持たずに1人でローソンへ。そしてスポーツドリンクとレシートを持って帰ってきました。レシートの裏には、「今度来られる時で大丈夫です」と書かれていました。

お金も持たずに1人で勝手に買い物に行ったことは勿論、しっかりと叱りました。そして後日、良太と一緒に謝りに行き、お金を支払いました。

「ここを頼りに来てくれたんですよね」と、店員の皆さんにはとても優しく接していただきました。

 

店員の皆さんのお陰で今では簡単なおつかい、例えば牛乳や食パンなどは良太にお願いすると買ってこられるようになりました。

 

今日はドライブの帰り、久しぶりに良太とローソンへ。すると、店員の皆さんそれぞれが良太に声をかけてくれます。

「こんにちは!」
「久しぶりだね!」
「何か取ろうか?」

そして、良太もニコニコ嬉しそうに、

「こんにちは!」
「大丈夫です!」
「ありがとうございます!」

と答えています。

良太の言葉は不明瞭でとても解りづらいのですが、しっかりとコミュニケーションがとれているその光景は、特別どころかあまりにも普通で当たり前で、私は嬉しくて泣きそうになりました。

 

そして、店員さんにお礼を伝えました。

すると店員さんは、

「いえいえ。こちらこそいつもありがとうございます!」
「また来てくださいね、待っています!」

と私たちに言ってくださいました。

 

店員さんも、もしかしたら最初は良太を見かけた時、身構えてしまったかもしれません。

しかし、何度も訪れることで知っていただき、慣れていただき、このように関わっていただけるようになったのではないかなと思います。

店員の皆様の、息子に向き合う姿勢には、私も毎回刺激を受け、そこから講師として学ぶことがあります。

ちなみに、こちらのローソンは「接客が素晴らしい」と近所でも評判のお店なのです!

 

障害のある息子のことを、家族だけではなくこのような地域の皆さんにも見守ってもらえる環境があることに改めて感謝の気持ちいっぱいになりました。

障害があっても、なくても、気軽に声をかけあえる、そんな地域社会であってほしいです。

また、そんな環境づくりに講師として貢献していきたいと思います。

岸田 ひろ実Hiromi Kishida

株式会社ミライロ 講師

長女と知的障害のある長男を育てる中、2005年に夫が心筋梗塞により突然死し、2008年に自身も大動脈解離により下半身麻痺となる。2011年より株式会社ミライロに入社し、講師として年間180回以上の講演を行う。2014年世界的に有名なスピーチコンテスト「TEDx」に登壇後、日本経済新聞「結び人」・朝日新聞「ひと」・テレビ朝日「報道ステーション」など数々のメディアで取り上げられる。