お客様の声に寄り添う!マルイ“ru”「車いすユーザーの視点を取り入れたラクチンきれいパンツ」の誕生秘話

私・車いすユーザーの岸田ひろ実が感動した、マルイのオリジナルブランド“ru”のラクチンきれいパンツの、車いすユーザーの視点を取り入れたラクチンきれいパンツ(商品ページ

詳しい感想は前編記事をご覧ください。

どんなきっかけで、どうやって開発されたのでしょうか。

株式会社丸井専門店事業部アパレル課の手島香織さんと、小雀聡さんにお話を伺いました!

街へ出てみてわかった!障害のあるお客様や、ご高齢のお客様のニーズ

岸田
「ラクチンきれいパンツ」は、マルイさんのオリジナル商品ですよね?

手島
はい。マルイのオリジナルブランド“ru(アールユー)”の商品です。「ラクチンシリーズ」として展開していて、パンツの他に、シューズやバッグなどもあります。

岸田
私、母娘そろって、ラクチンきれいシューズの大ファンです……。履きやすいだけではなくて、サイズ展開がとても幅広いですよね!

手島
ありがとうございます!すべてのお客様のご要望にお答えするというコンセプトのシリーズなので、サイズやカラーは豊富です。ラクチンきれいパンツも、12サイズで展開しています。

岸田
12サイズ!XS、S、M、L、LL、3L……えっ、まだあるんですか?

手島
XXS、SS、4Lから7Lまであります。

岸田
すごい!自分にぴったりのサイズを探せますね。

手島
でも、従来のラクチンきれいパンツで、本当に「すべてのお客さまがはきやすい」にお応えできているだろうか?と、疑問に思ったんです。

岸田
サイズやカラーバリエーションだけでは、不安だったということですか?

手島
貴社(ミライロ)の垣内社長の講演で「障害のある人は服選びに困っている」と知りました。そこでフィールド調査として、私たちが街や駅に出て、歩いている人を見に行ってみたんです。そうしたら、ご高齢の方や、身体の不自由な方が、自分の想像より多くいらっしゃることに気づきました。もしかしたら、服選びに困っている方ってもっとたくさんいらっしゃるのではないか……と思ったんです。

岸田
そうですね。私も、車いすに乗っている自分の体型に合う服がなかなか見つからないので、いつも探し回っています。

手島
すべてのお客様の「はきやすい」にお応えするため、次はご高齢の方や、身体の不自由な方の悩みを解決する工夫を、ラクチンきれいパンツに取り入れよう!と思いました。

岸田
すごい決断ですね!まずどんなことからスタートしたのですか?

手島
本当に手探りで……とにかく、色んなところに足を運んで、様々な障害のある方のお話を伺いました。

岸田
たくさんの方々の話を聞く中で、どうやってコンセプトを決めたのでしょう?

手島
聴覚障害や視覚障害のある方は、どちらかと言えば、服そのものより、店舗やサービスにニーズを感じていることがわかりました。私たちが取り組めるパンツの領域だと、一番困っていらっしゃるのは、手足が不自由な方や車いすユーザーさんだったので、その方々に喜んでいただける工夫を取り入れたら、誰もが脱ぎ履きしやすいパンツになるのでは、と思ったんです。

岸田
なるほど。車いすユーザーだと、脱ぎ着しづらい、足がむくみやすい、座っている時間が長くて蒸れやすい、などパンツの悩みがたくさんありますもんね。

手島
まさにそうでした!しっくりくるパンツを選びたくても、そもそも選択肢が狭くて出会えないと聞いて、衝撃でした。

お客様が本当に求めていたのは、「さりげない工夫」と知った座談会

手島
方向性が決まってからは、お客様にもご協力いただいて、ああでもないこうでもない、と試行錯誤の繰り返しです。例えば、足の不自由なお客様をお招きして、合計で3回の座談会を行いました。

岸田
座談会の手応えが気になります。

手島
最初、私たちは「足の不自由なお客様にとっての便利を盛り込んだ、究極のパンツ」や「その人に合わせてカスタムできるオーダパンツ」のアイデアを提案しました。

岸田
オーダーだと、障害の程度や、体型が違っても、その人にピッタリのものを提供できますね。

手島
ですが、お客様からは「それは求めているものと違う。オーダーは大変だし、高価。普段使いする服は、種類がたくさんある中から、自分の気に入ったものを気軽に選びたい」とご意見をいただきました。

岸田
確かに、おっしゃる通りです……。小雀さんも、パンツの細かい工夫を考えられたんですよね?

小雀
はい。二回目の座談会では、パンツに様々な工夫を取り入れてみました。持ち手、裾のファスナーなど、便利そうだなと思うものをたくさん。

岸田
なるほど!

小雀
履きやすさを重視して、腰回りや裾が大きく開くように、あらゆるところにファスナーをつけてみた試作品は、特に自信作でした。

岸田
お客様の反応はどうでしたか?

小雀
なんと大不評で……(笑) 自信作だっただけに、ショックでしたね。でも、その時にお客様からいただいた「健常者の人にも履きやすく、障害のある自分も履きやすいパンツが欲しい。健常者の人にも、意見を聞いてみてください」というアドバイスで、ハッとしました。

手島
健常者のお客様にも同じように話を聞いてみたら、ファスナーや持ち手が沢山ついていると、着心地も良くないし、見た目も良くないというご意見がありました。そこで、お客様が本当に求めているパンツに気づきました。

岸田
求めているのは、障害のある人に特化した “障害のある人専用”のパンツではなくて、皆にとって履き心地もデザインも良い“さりげない工夫”のあるパンツだったんですね。

障害のあるお客様の声が、貴重な戦力になった

小雀
さりげない工夫の中から、お客様の使用感などを踏まえ、最終的に「大きく開くファスナー」「伸びやすい生地」「ウエストゴム」を取り入れました。

岸田
無駄を削ぎ落として、優先度の高い工夫が絞られていったんですね……!

手島
障害のあるお客様からは「足が動きづらくても着やすい」と、健常者のお客様からも「ラクチンなのにスッキリ見える」と言ってもらえました。どちらのお客様からも喜んでいただけることがわかって、本当に嬉しかったです。

岸田
わあ、大成功じゃないですか!

手島
完成までの1年半、途中で何度か、諦めそうになりました。障害のあるお客様と、障害のないお客様、双方に選んでもらえるものを作るのが、こんなにも難しいのかと。

小雀
「こんな工夫が喜ばれるんじゃないか?」と思って試作品を持って行っても、お客様のニーズは全く違っていて……何度もやり直しました。でも、お客様の声をいただきながら作ることができて良かったです。

岸田
お客様から、率直なご意見もたくさんいただいたんですよね。中には、厳しいご意見も。

小雀
はい。でも、私たちの思い込みだけで作って商品化していたら、どなたにも選んでもらえないパンツになったと思います。お客様と一緒に作ったパンツだから、自信も持てました。

手島
座談会が終わってもお客様が、使用感について丁寧なメールをくださるんです。障害のあるお客様が、商品づくりの貴重な戦力になってくださいました。

岸田
そんな風に言ってもらえて、私もとっても嬉しいです。私たちの視点に一緒に立ってくださって、出来上がった商品ですね。

手島
今、ユニバーサルデザイン視点を取り入れているのはスキニータイプのパンツだけですが、順次、ストレートタイプやワイドタイプなどのパンツにも取り入れていきたいです。もっともっと、すべてのお客様に喜んでいただけるように、改良も続けたいですね。

小雀
足の不自由な方、ご高齢の方、小さなお子様のいるお母さんなど、パンツに少しでも悩みを感じていた人に、ぜひ手にとってもらいたいです。

岸田
開発チームの思いが込められたラクチンきれいパンツが、日々の外出を楽しむきっかけになれば嬉しいですね。ありがとうございました!

ちょっとゆるめのスキニーパンツ(ぬぎはきラクチン)商品ページ

読者プレゼントは前編の記事の最下部をご覧ください!

9月有楽町マルイで開催!みんなのフィッティングルーム試着体験会&ファッションのお悩み相談会

車いすユーザーや、視覚・聴覚に障害のある方々など「すべての人」に心地よくおしゃれを楽しんでもらいたい……という丸井さんの思いが形になったイベントのご案内です。

ユニバーサルデザインな工夫を沢山取り入れた「フィッティングルーム(試着室)」で、レディスファッション・シャツ・オーダースーツなどを試着することができます。スタッフさんに、洋服選びのお悩みも相談できる、素敵なイベントです!

※レディスファッションアイテムは有楽町マルイ3階アールユーコンセプトストアお取扱いアイテムになります。

日程

9月14日(土)、15日(日)、16日(月・祝)
① 11:30〜13:30
② 13:30〜15:30
③ 15:30〜17:30
④ 17:30〜19:30

場所

有楽町マルイ 7F みんなのオーダー by VISARUNO

フィッティングルームの特徴

ご家族やお連れ様と一緒に入室できる広いスペースです。
横になれるベッドソファ、筆談ボード、手すり、呼び出しベル等の設備があります。
ご不明・ご不安な点はお気軽にお問い合わせください。

お申し込み・お問い合わせ先

お電話:03-6738-3616
または
みんなのオーダー by VISARUNO公式ラインアカウント

 

 

※ご参加には事前のお申し込みが必要です。
※ご家族やお連れ様と一緒にご参加いただけます。

岸田 ひろ実Hiromi Kishida

株式会社ミライロ 講師

長女と知的障害のある長男を育てる中、2005年に夫が心筋梗塞により突然死し、2008年に自身も大動脈解離により下半身麻痺となる。2011年より株式会社ミライロに入社し、講師として年間180回以上の講演を行う。2014年世界的に有名なスピーチコンテスト「TEDx」に登壇後、日本経済新聞「結び人」・朝日新聞「ひと」・テレビ朝日「報道ステーション」など数々のメディアで取り上げられる。