ブログ 代表メッセージ
2020年09月03日

代表・垣内に聞いた!ミライロのサービスの裏側

ミライロ

社会には「環境、意識、情報」、3つのバリアが存在しています。
環境面は施設や商品、意識面は心の部分、情報面は、求められている情報が必要な人々に届いておらず、分からないことがバリアになっています。

今回は、そんな3つのバリアを取り除くためにミライロが行なっているサービスの裏側を、新入社員の私が代表の垣内にインタビューしました。

Q:3つのバリアの解消を目指したきっかけはありますか?

ミライロの初めての仕事は、滋賀県立大学さんのバリアフリー調査でした。
雪が降る中で行ったキャンパスのバリアフリー調査を今でも鮮明に覚えています。

調査費用は10万円で、当時持っていた知見を最大限まで活かし、3か月半かけ約80ぺージにも及ぶ学内のバリアフリー資料を納品しました。

その後、徐々にいくつかの大学から声をかけていただくようになりました。
調査を行っていくうちに「学生にも一緒に調査をさせたい」、「教職員に研修をさせたいです」、「バリアフリーマップを作成したいです」といった声をいただきました。
こうしたことが、多くの事業に広がっていきました。

そうして多くのクライアントと調査・提案の仕事をご一緒していく中、予算や施設の仕様上から環境面を変えるだけでは限界がありました。

某テーマパークの調査をさせていただいた際も、予算や構造上、バリアフリー化できない部分が多くありました。
そのため、環境面では変えられない面を意識の面で補えるよう、教育研修を行いたいと依頼をいただきました。

嬉しいことにこの研修は広がりを見せ、多くのクライアントからご依頼をいただくようになりました。
一方で、都度クライアントに合わせた研修を作っていたので、1つの研修を行うのに過度なコストと時間がかかっていました。

そこで、研修で伝える内容を言語化し、規格化していかなければと考え、ユニバーサルマナー検定を考案しました。
ここまでが、環境と意識のバリア解消に至った経緯です。

情報のバリアを解消するサービス誕生のきっかけは、Web版のバリアフリーマップの制作依頼があったことです。

Webを用いたバリアフリー情報の発信は重要性の高いものでしたが、このお仕事で発信する情報は大阪に限定されたものでした。
そのため、日本全国でも同様のものが必要だと感じ、日本財団さんと共同で、バリアフリー情報の発信、共有を行うアプリ「Bmaps(ビーマップ)」を開発しました。

こうした取り組みを経て、環境、意識、情報の3つの視点が重要だということに至りました。


外出できる環境があっても、そこにいる人々の意識が無いと意味がありません。
外出できる環境があって、人々に意識があっても、その情報を届ける方法が無ければ意味がありません。


つまり、環境、意識、情報、全てのバリアが解消されていないと、良い循環は生まれないのです。

3つのうちどれか十分でないと積極的に外出しようとならない。
外に出なければ、お金がいらないから働かない。
すると障害者雇用も進まない。
全てが大事なんです。
ひとつじゃ足りないのです。
これからも、この環境、意識、情報のバリア解消を、多くの業界に広げていけたらと思っています。



Q:これから進めていきたい、広めていきたいサービスはありますか?

ミライロでは「ミライロID」という障害者手帳のアプリを運営しています。

今まで障害者手帳には課題が多く存在していました。
手帳の種類は自治体毎に規格が異なっており、その数は約300種類にもなります。
そのため、手帳を確認する事業者側は、必要な情報を瞬時に判別できず確認をする際に時間がかかります。

さらに、障害者手帳を使用する当事者側も、手帳を取り出すことに手間を感じたり、持ち歩くことで劣化してしまったり周囲の目線が気になったりといった課題を感じています。

ミライロIDでは、障害者手帳の必要な情報だけを表示するため、事業者側の確認の手間も少なく済みます
スマートフォンを持ち歩くだけで済むため、紛失や個人情報の漏洩リスクも減ります

リリースしてまもなくして、都内でタクシーに乗車した際、私自身、ミライロIDを使ってみました。

ご存じの方も多いと思いますが、障害者手帳を持っている方はタクシーや電車などの交通機関で割引の適用を受けることができます。
割引してもらうには、障害者手帳の呈示が必要です。

タクシーの精算をするタイミングで、私は恐る恐るミライロIDを呈示しました。
すると、乗務員の方は「はい、確認しました!」と快活に応えてくれました。
障害者手帳を呈示する際に今まで感じていた抵抗や葛藤が一切なく、バーコード決済やポイントカードのような感覚で使えたことに感動しました

初めて母親が障害者手帳を持ち帰ってきたとき、それを泣きながら手渡されたことを覚えています。
やはりそこには、障害者と呼ばれること、レッテルを貼られたことに、計り知れない葛藤があったのだと思います。

しかし、これからは重々しいレッテルではなく、ひとつのクーポンアプリを入れているぐらいの感覚にできるのであれば、きっと多くの障害のある方の負担も軽減できるのではと考えています。

今から5年ほど前、ある人が「手帳はかわいそうだからあるんじゃないよ、それは応援なんだよ」と話してくれました。
これからは、受け手も当事者も負担なく「ミライロIDあります」の一言で伝わる社会にしたいと考えています。



■インタビュー後の感想

今回のインタビューで、ミライロが目指している世界を再認識しました。
私は祖父が半身不随でなかなか一緒に遊ぶ機会がありませんでした。
気軽に外出する社会の実現を目指し、一人でも多くの人が楽しく過ごせる世界にしていきたいと思います。


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