こんにちは。
新宿二丁目バリアフリーマップラボのモンです。
今回は、「LGBTQ+についてのアンケート」についてのお話です。
「新宿二丁目バリアフリーマップラボ」の活動の一環として、障害のある方たちにアンケートを行いました。
障害がある方たちの、LGBTQ+についての認知、LGBTQ+関連のお店やイベントへの興味、心配事などを調査した結果、非常に興味深い内容になりましたので紹介します。
※アンケート結果は個人が特定できないよう匿名で集計をしています。
■調査概要
調査手法:webアンケート(ミライロIDアプリ※のお知らせページに掲載)
調査日程:2024年11月1日(金)~11月30日(土)
回答者数:1,027件
対象者条件:ミライロIDアプリユーザー
※デジタル障害者手帳「ミライロID」は障害のある人に向けたスマホ用アプリです。
■サマリー
今回、あえて「LGBTQ+についてのアンケート」というアンケートタイトルでアンケートを実施したこともあり、回答前に内容が予測できる状態でした。そのため、LGBTQ+に関心のない人はそもそも回答をしていないかもしれません、という前提での集計結果です。
セクシュアリティについての認知
セクシュアリティに関する言葉、どれくらい知っていますか?
「LGBT」という言葉が一般的に使われるようになって約20年と言われています。聞き馴染みもあり、知っている方が大多数でした。「Q」や「+」をつけて表現されるようになったのは最近で、それに該当するような言葉はまだそこまで認知度は高くないようです。
「LGBTQ+についてのアンケート」というアンケートタイトルによる先入観もあったかもしれませんが、マジョリティであるヘテロセクシュアル(異性愛者のこと)・シスジェンダー(自認する性別と、出生時に割当てられた法律上の性別が一致する人のこと)という言葉の認知が低いのも特徴的でした。自分のアイデンティティと一致していることから、意識的に情報を得ようとする機会が少ないのかもしれません。
※アンケート結果(テキスト版)は下記のワードデータをダウンロードしてご覧ください。
LGBTQ+についてのアンケート結果(テキスト版)
LGBTQ+関連イベント、店舗の参加経験と意向
アンケートは全国対象で実施したため、「新宿二丁目」に限定せず、関連イベントや店舗にいった経験、また関心について質問しました。
LGBTQ+についてのアンケート結果(テキスト版)
結果として、障害当事者の4割以上が行った経験か、関心がありました。
少なくない方が興味を持っていることがわかります!
一方で、行ったときや行こうと思ったときに自分の障害特性に起因して困ったこと、心配になることを聴取したところ、コミュニケーションの心配が多く挙がりました。次いで発作などの症状、店内の騒がしさなどを気にされており、トイレやエレベーターなど、設備面についての心配はそこまで多くありませんでした。
一般的な飲食店や施設などに行った経験から設備についての懸念はある程度予測できているのかもしれません。
参加にあたり、事前に知っておきたい情報
とは言っても、設備の情報は事前に知っておきたいというのが本音のところ。
事前にどんな情報があると行きやすいですか?という質問では一番多かったのは設備でした。
LGBTQ+についてのアンケート結果(テキスト版)
トイレや店内の広さ、通路幅、座席など事前に知っておくことで、そこに行くかどうかの判断基準になるようです。
また、次いで多かったのはスタッフのサポートや情報保障についてです。段差があったとしてもスタッフにサポートしてもらえれば大丈夫、手話や筆談などの情報保障があれば楽しめるなど、設備の改修をしなくても対応可能なものもあるので、そのような情報を提供できていれば、不安を払拭することができるかもしれません。
このアンケートでは1,000名を超えるたくさんの方にLGBTQ+のこと、そしてLGBTQ+関連のイベントや店舗のことについて意見を集めることができました。
皆さんから収集した貴重なご意見を参考に、必要な情報が掲載されたバリアフリーマップを作成していきたいと思います。