ノウハウ ナレッジ 暮らしの工夫
2025年12月14日

~「入浴編〈後編〉」~ 入浴したくない、したくてもできない…そんな時でも“髪や体を清潔に保つ”皆さんの工夫をご紹介します。

ミライロ

暮らしの工夫、入浴(洗髪・体洗い)編後編のサムネイル画像
※ミライロは、一般財団法人 花王みらい共生財団と連携し、障害のある生活者やそのご家族に向けて、日常の生活場面で直面する悩みの解決につながる情報をお届けする取り組みをしています。
(これまでの連載記事をまとめた特集ページはこちら

 

目次
  1. . はじめに
  2. . アンケート調査から見えた「入浴時の洗髪・体洗いの悩み」
  3. . アンケート調査から見えた「悩みを解決するための工夫」
    ー サッとふくだけ!地肌、髪も清潔に“ドライシャンプーシート”
    ー 弱酸性スキンケア水たっぷりシートで清潔に“全身すっきりボディシート”
  4. . まとめ
    ※皆さんのご感想をお寄せいただけるアンケートもご用意しています。
この記事は…

・入浴そのものがおっくうな方
・入浴できない日でも、髪や体を清潔に保ちたい方
・入浴後の洗ったあとの動作・工程(髪を乾かすなど)が大変な方

などに、おすすめの記事となっています。

 

1.はじめに

今回は、前回に引き続き、皆さんの関心が高い「入浴(洗髪・体洗い)編〈後編〉」です。

前回の記事では、入浴(洗髪・体洗い)に関する困りごとをテーマに、皆さんの洗髪・体洗いの頻度や満足度についてお伝えしました。

髪や体を毎日洗ってはいない人の約半数が「できれば洗う回数を増やしたい」と回答されました。「疲れてしまう」「気力がわかない」など、入浴は、体力的・精神的におっくうで負担が大きいことがわかりました。また、これらの悩みを解決する「洗髪・体洗いの工程を減らす工夫」や「負担となる動作がラクになる方法」についてご紹介しました。
前回記事はこちら

前回記事の読後アンケートでは…

「自分だけでなく、多くの人がお風呂への課題を感じていると知れて、今後の生活への自信につながった。」

「入浴がつらい時の工夫や考え方がたくさんあり、とても参考になった。」

などの声をいただきました。ほかにも、「同じ悩みに共感した」「泡で出てくるボディウォッシュ シャワーヘッドは使ってみたい」など、たくさんのうれしい反響がありました。声をお寄せいただいた皆さん、ありがとうございました。


今回も、引き続き「入浴(洗髪・体洗い)」に関する困りごとや工夫をご紹介します。どうしても入浴がおっくうに感じる日、入浴ができない日に、洗髪や体洗いをせず、髪や体を清潔に保つ方法についてお伝えします。

記事の作成にあたり、ミライロIDユーザーを対象に「ご自宅でのご自身の入浴(洗髪、体洗い)状況についてのアンケート」を行いました。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。

身体障害・知的障害・精神障害・発達障害など、さまざまな障害がある合計656名の方の回答から、特に気づきのあった内容をピックアップし、まとめました。
※「入浴(洗髪・体洗い)編」は、前回(前編)と今回(後編)の2回に分けてお届けしています。
2.アンケート調査から見えた「入浴時の洗髪・体洗いの悩み」

多くの方が、入浴そのものに負担を感じ、全身を洗うことだけでなく、洗ったあとの工程(髪を乾かすなど)にも困っています。

Q髪や体を洗う際、障害があることによる「やりづらい動作」や「困っている工程」があれば教えてください。

障害によりやりづらい動作・困る工程に関するグラフ。シャンプーやリンスを手にとる73人。シャンプーを泡立てる80人。シャンプーで髪を洗う116人。リンスを髪全体になじませる70人。シャンプー・リンスをすすぐ91人。ボディソープを手やタオルにとる62人。ボディソープを泡立てる71人。体全体を洗う178人。ボディソープを流す77人。体を洗うのに使ったタオルやブラシをすすぐ66人。タオルで髪を拭く108人。ドライヤーで髪を乾かす184人。ブラシで髪を整える76人。タオルで体を拭く135人。入浴後スキンケアをする133人。着替える127人。その他77人。総件数1724件(複数回答)、n数は394人。

洗髪・体洗いでは、髪や体を「洗う」動作や工程に関して困りごとを感じている人が多い。

「ドライヤーで髪を乾かす、整える」「タオルで体をふく」「スキンケアをする」など、洗ったあとの工程でも困っている人が多数。

 

<寄せられたお悩みの声>

「入浴がおっくうで時間がかかる。翌日に回してしまうことも。」(精神障害)

「髪も体も一度に洗うと、疲れてしまう。」(精神障害)

「毎日洗いたいが、透析後は難しい。」(内部障害)

「(ドライヤーで)髪を乾かすのに時間がかかるので、休み休みしている。」(下肢障害)

ドライヤーで髪を乾かすのがつらそうな女性のイラスト

 

 

3.アンケート調査から見えた「悩みを解決するための工夫」

 

ここからは、障害があることによる悩みを解決するための工夫について、皆さんからいただいた意見をご紹介します。

体力・精神面の負担を減らす工夫として、簡単に地肌や髪、体を清潔にする商品を取り入れているといった声がありました。下記にいただいた声の一部と、関連したおすすめの方法をご紹介していきます。

 

Q髪や体を洗う際、障害があることによる困りごとを解決するための工夫は?また、髪や体を洗うのがラクになるようなアイデアやグッズがあれば教えてください。

 

<「洗髪」について寄せられた工夫の声>

「入浴したくない時は入らない。入浴しない時は、ドライシャンプーを使う。
 ※障害種別にかかわらず、役立ったグッズとしてあげた方:
  ・洗い流さないドライシャンプー(液状、泡状):38人

  ・洗い流さないドライシャンプー(シート状):20人

  
洗髪では、洗うこと自体が大変なだけでなく、濡れた髪を乾かすのに時間がかかるし、ドライヤーも重い…。でも、洗っておかないと地肌や髪がベトつき、ニオイ、かゆみをガマンしなければならない…。

そんな時に役立つのが、水やお湯を使わずに髪や地肌のベタつき、ニオイをケアできるドライシャンプー。液や泡、ジェル状で使うものやシートでふくものなど、さまざまなタイプがあります。
なかでもシートタイプは手軽に使えますが、「髪の表面はふくことができても、地肌までは難しい」と感じる方も多いようです。
このような悩みは、中身や形が工夫されたシートタイプのドライシャンプーを使うことで解決できるかもしれません。

 
 

 

サッとふくだけ!地肌、髪も清潔に“ドライシャンプーシート”

凹凸穴あき構造のシートが、髪の内側までフィット。地肌や髪についた汗のニオイ・ベタつき、ホコリなどの汚れもすっきり落としてくれます。液たっぷりの厚手大判シートは、やぶれにくく、ふきやすそうです。

また、さっぱりしたいけど、メントールは苦手…という方や子どもでも使いやすいタイプもあります。地肌と同じ弱酸性でメントール無配合、無香料、顔もふけるタイプもあるので、自分に合ったものを選びましょう。

ドライシャンプーシートの特徴を表したイラスト。左側に、ドライシャンプーシートを手に持っているイラストがあり、破れにくくふきやすい、厚手の大判シート・凹凸穴あき構造液たっぷりの文字。右側に、使い方。シートを広げて指先を小刻みに動かし、地肌・髪を拭くの文字。拭き方を示したイラストが3コマ構成になっており、上から順に「襟足・首筋から」「頭頂部へ」「シートを持ったまま手ぐしを通す」

ドライシャンプーシートの種類を表したイラスト。とにかくすっきりさせたい時に、すっきり爽快タイプ。メントールが苦手な方に、メントール無配合・顔もふける。

「ドライシャンプーシート」
~使用した方の声※~

「目の病気で定期的に注射をしている。注射をすると4日間はシャンプーできず、仕事も休めないので毎回不快な思いをしていた。初めてこの商品を使用したが、お手軽で朝も夜も使えて、使い心地もとてもよかった。」

「入院してシャワーができないので、このシートでふき始めました。今朝で一週間経ちましたが、ずーっとさらさらで、かゆみもフケも出なくて、本当に感動しています。退院したら避難用品としても購入しておこうと思います。」

「これは、抜け毛もシートにくっつき汚れずに快適に使える。体調不良でお風呂に入れない時に使っている。」

※メーカーのお客さま相談窓口に寄せられたご意見を提供いただいています。
(声が寄せられた商品:花王 メリット ドライシャンプーシート(すっきり爽快タイプ))


 

<「体洗い」について寄せられた工夫の声>

「体をふくボディシートなどを活用する。
 ※障害種別にかかわらず、役立ったグッズとしてあげた方:109人


汗をかいた時や外出した後のホコリを洗い流したいけど、シャワーするのがおっくう。でも、肌の汚れは気になって不快…。このような悩みは、ボディシートを使うことで解決できるかもしれません。

弱酸性スキンケア水たっぷりシートで清潔に“全身すっきりボディシート”

ここでは、香料やメントールなどを使わず、赤ちゃんの肌にも使え、お湯を浴びた時よりもすっきりするボディシートをご紹介します。

天然コットン100%の厚手シートに、素肌と同じ弱酸性のスキンケア水がたっぷり含まれており、肌荒れやあせもの原因にもなる“汗・皮脂・汚れ”をきちんとふき取れます。大人もシート1枚で全身ふくことができます。

全身すっきりボディシートの特徴を表したイラスト。右側に、お風呂に入れない時も、弱酸性スキンケア水を含ませた天然コットン100%の厚手シートといった文字と、お風呂に入れない時の代替として使えるイメージイラスト。左側には、男性がベッドに座って、ボディシートを使って体を拭いているイラスト。汗・皮脂汚れをきちんと拭き取れる。肌にやさしく1枚で全身ふけるの文字。

「全身すっきりボディシート」
~使用した方の声※~

「肌が敏感ですが、この商品は、赤ちゃんにも使えて肌に優しく、しかも無香料なのと、シートが大判なのがとてもよいです。液がたっぷりなのでふけている感じがしっかりあり、とても気に入っています。香りが苦手な友人にあげたら、とても喜んでくれています。」

※メーカーのお客さま相談窓口に寄せられたご意見を提供いただいています。
(声が寄せられた商品:花王 ビオレu 全身すっきりシート)

また、夏の暑い時期などには、汚れを落とし、肌をひんやりさせるタイプのボディシートもよいですね。ふいた後も持続性パウダーの働きで、ずっとさらさらするものや、ふいている時に、ほのかに香るものなどもあるので、好みのものを選べそうです。

 

今回ご紹介したようなシートタイプの商品は、手軽に使えるだけでなく、災害などで水が使えなくなった時などにも備えておくとよいですね。

災害時には、歯磨きができずに困ることもあるかもしれません。水が使えない時でも、お口をすっきり清潔にできる“歯みがきシート”も一緒に備えておけば、いざという時に役立ちそうです。

歯みがきシートの使い方例についてのイラスト。シートを指に巻いている様子と、汚れを拭き取る手順のイラスト。シートを指に巻き、歯の表面やほほの内側などの粘膜を拭く。

参考:災害時に備える清潔情報

 

 

4.まとめ

工夫次第で、洗髪・体洗いはもっとラクになります。
ぜひ、今後の暮らしにお役立てください。

いかがでしたか?今回は、「入浴(洗髪・体洗い)」に関する困りごとと、どうしても入浴がおっくうに感じる日、入浴ができない日に、洗髪や体洗いをせず、髪や体を清潔に保つ工夫をご紹介しました。

日常生活には多くの動作が存在し、それぞれに困りごとを感じている方がいらっしゃいます。より多くの方に、皆さんの困りごと、そして工夫を知っていただき、お役にたてればうれしく思います。障害のある生活者やそのご家族が日常生活で直面する悩みや困りごとを理解し、その声を皆さんと、そして社会と共有しながら、解決につながる活動を進めてまいります。今後の活動をより充実したものにしていくため、ぜひ、ご感想と共に皆さんの困りごとや日常での工夫の声などをお寄せください。

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※頂戴した声は、次回以降の記事に使用することがあります。

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協力:一般財団法人 花王みらい共生財団