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2022年06月23日

手話を学ぶ理由や今後の目標とは?~後編~

ミライロ・コネクト

経緯

聴覚障害のある方が暮らしやすい社会を築くために、手話で会話や通訳ができる方を増やしていきたいという想いから誕生した「ミライロ・コネクトClub」。

今回は「ミライロ・コネクトClub」の手話講座を受講している3名に受講動機や講座の内容、今後の目標などを聞いてみました。

この記事は前編と後編に分かれています。後編では受講者に加えて、講師にもインタビューをしたので順にご紹介します。(前編はこちら

 

【イラスト】受講者 越野 葉子さん
 (手話初級後期講座~コミュニケーション応用講座修了者)
    職業:人事(パナソニック株式会社)

 


Q:「ミライロ・コネクトClub」を知ったきっかけや受講動機を教えてください。


ミライロのことは、以前から知っていました。パナソニックでは聴覚障害者への情報保障としてミライロ・コネクトにUDトークの導入や手話通訳派遣等でご支援をいただいています。
私が多様性採用担当として、聴覚に障害がある方の採用面接や入社時研修を担当する場面があり、
その時に『挨拶だけでも、手話で直接伝えることができたらいいな』という気持ちがありました。
手話を学習するために、地域の手話サークルに参加しようと思いましたが、なかなか決心がつかず…
そのような時に、仕事を通してミライロ・コネクトに手話講座があることを知り、それが受講をする決め手となりました。

Q:手話通訳がいない状況での手話講座の参加に、不安な気持ちはありませんでしたか?

初めての手話講座への参加で、且つ、オンラインでの参加のため大変不安でした。
参加されている方のレベルはどれぐらいなのか?講師への質問はどうしたらいいのか?なども不安の要因の一つでした。しかし、参加すると講師が優しく接して下さったり、集まった受講者の雰囲気も良い方ばかりで不安が吹き飛びました。
初回の講座では、普段通りイヤホンをつけてZoomに参加しました。
ですが、イヤホンから音声が聞こえてこないことに気が付きイヤホンを外しました。初めて「音が聞こえない」世界を体験したような気持ちでした。

Q:講座の内容はいかがでしょうか?

講座内では、前回の学習内容の復習の時間があります。
また、講師は、受講者の顔の表情を見ながら適宜フォローしてくださるので、安心して受講ができています。講座内容は学習歴に合ったレベル感です。また、時間帯も毎週金曜日の夜に受講しているため丁度良かったです。もし、休日なら講座が2時間でもいいかもしれませんが、仕事終わりなので1時間半の間に休憩もあり、丁度いいと感じています。

Q:講師の印象はいかがでしょうか?

講座の開始直後にアイスブレイクとして、最近の出来事を話してくれます。
その時に、受講者のちょっとした反応を見落とさないで対応したり、欠席者が欠席した次の回に参加された時は、前回の内容がわかるように手厚く復習するなど人柄があたたかく和やかな雰囲気です。とても明るい講師の方で、講座がとにかく楽しいです。

Q:受講中、どのような方法で講師へ質問していますか?

最初は、Zoomのチャット機能を使用して質問をしていました。
ですが、今は質問したい内容が簡単であれば、手話や指文字を使用して講師に伝えています。

Q:受講して良かった経験はありましたか?

キャリア入社者の入社時研修を担当していた時、聴覚に障害がある方が入社の際には手話で挨拶ができるようになりました。
ご本人が素敵な笑顔で返してくださり、少しでも不安や緊張を和らげることができていたら嬉しいなと思いました。
また他のセミナーに参加した時に、聴覚に障害のある知人が参加していました。その方に、手話で挨拶や会話をしたら、私が手話ができること、手話を学習をしていることを喜んでくれました。

Q:手話の学習方法はどのようにされていますか?

講座以外では、YouTubeで手話動画を見て復習をしています。
主に、都道府県の聴覚障害者協会が投稿している手話動画などがわかりやすいです。

Q:講座を通しての今後の目標や今後の展望を教えてください。

平日夜間の受講の為、手話を学習していることを職場の上司や同僚にも伝えて理解をしてもらっており、継続受講ができるよう、応援してくれています。ミライロの福島さんから「聴覚障害者の背景を深く理解することが、本当の理解に繋がる」ということを教えていただき、腑に落ちました。
今後も手話だけではなく本質的な理解も深め、会社や社会でバリアをなくしていけるように私にできることから取り組んでいきたいと考えています。

 




【画像】手話講師、鈴木 義雅 鈴木 義雅さん
(弊社の手話講座の講師)

   



Q:弊社を知ったきっかけを教えてください。

5年ほど前にFacebookを見ていたところ、ミライロが投稿した「障害者モニター募集」の記事が目に留まり、モニター登録をしたことがきっかけです。後日ミライロ・リサーチから連絡が届き、登録することができました。リサーチの調査員と同行して、あるデパートでの接客、高齢者や車いすユーザーの移動経路や行動などを調査しました。

Q:手話講座の講師を目指した動機を教えてください。

厚生労働省の手話通訳養成カリキュラム「手話通訳者養成講座」のテキストが改定されたのをたまたま見たことがきっかけで、手話を指導することに魅力を感じるようになりました。その後、一から手話の指導方法を学ぶために、NPO手話教師センターが開催している「手話教授法講座」と、東京手話通訳等派遣センター主催の「手話指導者養成クラス」を受講しました。各講座に参加し、自分と同じろう者である講師から指導方法を学びました。また、日本手話と日本語対応手話の違いや、日本手話の仕組みなどを独学で学びました。
2017年に地元で開催している手話講習会の初級助手から始まり、今日まで講師を続けています。考えると地域の手話講習会の受講者とコミュニケーションを取りたい気持ちはありますが、通訳技術をもっと磨き、育ってほしいという想いが強くなり、指導者として導きたい気持ちに繋がったと思います。

Q:講師として良かったことや嬉しかったことはありますか?

受講者から講座内容に関して、質問をされることが嬉しいです。質問されることで受講者の理解度や疑問点が分かり、講座の進め方や内容を振り返り、吟味することができるからです。受講者からの質問に対して、納得してもらえるような説明に悩むことがあります。その時はその場で曖昧に回答するのではなく、回答を持ち帰って自分の経験と照らし合わせてみたり、適切な人に質問するなどして、考えをまとめてから回答するように心がけています。逆に受講者から質問が出ることを想定して講座内容や進行を調整することもあり、予想が的中することも嬉しいですね。

Q:講師として苦労したことはありますか?

ある受講者から「すべてが分からない。難しい」とご指摘を頂いたことがあります。その時はうまく伝わる方法を考え、伝わるまで根気強く繰り返し教えることを心がけました。最終的には「分かった」と仰ってくださり、胸をなでおろすことができました。
それ以降、受講者の反応を見ながら、時には質問したり、発言を促したりと工夫をするように心がけています。

Q:受講者からの一言で印象に残っていることを教えてください。

「楽しく勉強することができた」「色々な講座や講習会に通ったけどミライロ・コネクトClubが良かった」と言っていただけたことです。コミュニケーションコースは、ろう者が指導するため、音声がない状態でご受講いただきます。音声がないからこそ、講師の手話をじっと見て学習することができたのかもしれません。
また、「手話通訳士や手話通訳者を目指したい」という声もあります。様々な知識や技術を身につけ、幅広く対応できる通訳者が必要だと考えています。そのため、たくさんのろう者と出会い、経験を積み重ねてほしいと伝えています。

Q:今後受講しようか迷っている方にメッセージをください

ご受講を迷っている方は、まずは申し込んでみてください。ここではコミュニケーションを取ることを目指しているため、参加している受講者と対話をしながら進めていきます。その中で、日本手話には、一つの語彙が様々な意味を持つ場合があることも伝えています。例えば「メール」には自分から相手1人に送る場合、2〜3人に送る場合、複数人に送る場合、もしくはメールをもらう等、多くの言葉が存在し、一つの日本語に対して手話ではいくつも表現方法があります。その使い方を例文や補足資料のイラストを用いて伝えています。最も大切なことは、受講者が各自で学習するだけでなく、お互いに話し合える雰囲気づくりを心掛けて調整しています。皆さんに助けられることもありますが、一緒に頑張っていきましょう。

お問い合わせ

徐々にステップアップできる「コミュニケーション入門から応用講座」、「手話通訳士試験対策講座」などあります。

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