多くの人が出社を制限され、職場の光景は一変しました。
ミライロでも、4月からテレワークを推進しています。
働き方が変わったことで、障害のある社員はどのように感じているのでしょうか。
今回は、視覚障害のスタッフ・原口に話を聞きました。
テレワークの良いところは?
■移動が少ない!
通勤がなくなったことは、大きなメリットです。
視覚障害者にとって、移動は精神的な負担がありますし、どうしても危険を伴います。
日本盲人会連合のアンケートでは、なんと視覚障害者のうち4割がホーム転落経験があると答えています。
(参考:日本盲人会連合)
特に朝夕の通勤ラッシュ時は人混みの中移動するので、移動に慣れている私でも、何度かヒヤッとしたことがあります。
そのような負担や危険が軽減されたのは、大きいですね。
■イヤホンの使用頻度が減る!
業務中にイヤホンをする必要がなくなったことも、うれしく思います。
私はスクリーンリーダーという画面読み上げソフトを活用して仕事をしているため、職場ではイヤホンを使っています。
自宅は静かな環境で仕事ができるため、イヤホンは不要です。
イヤホンをすると、情報がパソコン音声のみからしか得られず、体力を使います。
その必要がなくなったことは、とても助かっています。
テレワークのデメリットは?
■コミュニケーションのタイミングが難しい!
資料の読み上げを気軽にお願いできなくなったのは、困りごとです。
例えば会議中。
今までは隣の人に資料の説明を気軽に依頼していましたが、ウェブ会議ではそうはいきません。
ですので、私のために資料説明の時間をとってもらうのですが、会議の進行が止まってしまうため少し気を使います。
また、発言のタイミングも難しく感じます。
今までは場の雰囲気で発言のタイミングを察知できましたが、ウェブ会議だと発言が重なってしまうことが多々あり、これから工夫が必要だなと感じています。
この他、業務以外でも代読してもらう機会が減りました。
以前は家に届いた郵便物を休み時間に同僚に確認してもらっていましたが、今はそれが難しいので、内容を確認できていない郵便物がたまり始めています笑
コミュニケーション頻度を増やす改善策は?
ミライロでは、自習室という形で、誰でも参加できるウェブ会議室を用意しています。
休憩がてら会話目当てに参加をするのも良いですし、皆の会話を聞きながら仕事をするのもOKというフリーな空間です。
私はそこに参加して、代読などをお願いすることがあります。
なかなか気軽に依頼することができないため、このようなフリーな空間があると、視覚障害者が仕事をする中で助かることも多いのではないかと思います。
また、資料の情報保障については、できるだけ具体的な言葉を使って説明をしてもらっています。
「こそあど言葉」や「代名詞」は、イメージをしにくいです。
ミライロは本社が大阪にあるので、関西独特の擬音語(グアー!、チャチャッと等)を使って説明してくる人もいますが、やっぱりイメージするのは難しいですね笑
日常生活に戻る不安も…
移動が少なくなったことはメリットである一方で、デメリットになっていることもあります。
外出自粛要請が解除されたときに、今まで慣れていた通勤ルートをスムーズに移動できるのか、少し不安です。
視覚障害者は白杖を使い、音を頼りに移動しています。
これだけ外出機会が減ると、白杖から伝わる情報、音から伝わる情報を感じる力が鈍っていると思います。
以前の日常をに戻ったとして、しばらく通勤するのは難しいように感じています。
慣れるまでは、移動補助をしてもらうなど工夫が必要かもしれません。
わからないこと、不安なことは相談しよう!
私は少し困ったことがあれば、誰かに相談していました。
困りごとをきちんと伝えることで、改善に繋がることが多くありました。
前述の自習室も、テレワーク導入初期はありませんでしたが、今では定期的に開催されています。
自分が職場環境を改善するという気持ちを持つことが大切であると、今改めて思っています。
距離は離れているからこそ、心は密にして支え合っていきましょう!
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