優先駐車場ってなぜ必要なの?

笹川 楓子

こんにちは、ミライロの笹川です。
商業施設などで見かける優先駐車場ですが、「なぜ建物の近くにあるのか」「なぜ広いスペースがあるのか」「なぜ『必要』なのか」をご存じでしょうか。

今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさんに聞いた、優先駐車場の必要性についてお伝えします。

車いすでどうやって車に乗るの?運転できるの?

実は一昨年、ミライロのSNSで下記の動画が話題を呼びました。

「手だけで車を運転してみた」

■Instagram

 

車いすユーザーのミライロ社員が、車いすから車の運転席に移乗し、車いすを後部座席に積み込み車を運転するというこの動画。
投稿から2日でシェア200件、再生数1万回を越え、海外の方からも多くの関心が集まりました。

寄せられたコメントには、「車いすからどうやって車に乗るのか知らなかった」「いろんな人に見てほしい」といった声が挙がっていました。

題名:Facebookのコメント 。説明:車椅子を使って車へ乗り降りする姿勢や、ドアを開けておく時間を考えると、専用駐車場にはかなり広めのスペースと屋根はあって欲しいですね…。その為には、健常者の皆様が駐車スペースを空けておく意識を高くしなければなりません。


今回見ていただきたいのは、特に乗降の部分です。

上記のコメントにある通り、動画をよく見てみると、車のドアを大きく広げ、車いすを座席近くに横付けして乗降しています。
乗降時のスペース確保は、車いすユーザーにとって非常に重要なのが分かります。

実際にあった、優先駐車場の困った話

では、優先駐車場を利用している障害のある当事者は、どんなことに困っているのでしょうか?

●車いす用駐車場に駐車していたにもかかわらず、他の場所が空いていなかったからと隣にぴったりくっつけて駐車され、帰りにドアを開けて車に乗り込むことができず、大変困ってしまったことがありました。係の方に呼び出しをしてもらったところ、該当の運転手に「こんなに広いんだから贅沢言うな!!お前だけの場所じゃないんだぞ!!」と怒鳴られたことがあります。ドアを全開にしないと乗り込めないことをもっと知ってもらえたらと思います。また、車いす利用者=運転手以外だと思われることが多く、車いすの方だけここで下ろして、一般の場所に停めてくださいと言われることもあり、車いす利用者が運転することもあると知ってもらえたらいいなと思います。(40代女性/肢体不自由)

駐車できる台数が少ないので、空いていない事が多い。最近は高齢者が駐車していることも多いため、広いスペースが必要な人とそうでない人を分けて欲しい。(50代女性/肢体不自由)

●自動車に貼る車椅子マークのシールなどは100円ショップでも買えるため、車椅子を利用していなくても貼って優先駐車場に停めている方がいます。大きなショッピングモールだと映画、買い物、食事、ジム、音楽スタジオなどかなりの時間の駐車になって空きづらいです。何のための優先駐車場かの案内板を立てて欲しいと思います。(50代女性/肢体不自由)

●車の乗降には、時間がかかりますので、雨の時に屋根があればなぁ…と思います。(50代女性/肢体不自由)

●ドアを全開にしないと乗降不能なことがわかってもらえません。妊婦さんやベビーカーで駐車している方がいると困ってしまいます。車いすで利用できる駐車場とは別に、移動に楽なスペースを妊婦さん用にも整備してほしいです。(50代女性/肢体不自由)

●高速道路のSAやPAでは、使用されれていることが多いです。大きな施設ではいくつか優先駐車場がありますが、多くの施設では1つしかないため、使えない事もしばしば。(40代女性/肢体不自由)

優先駐車場のイメージ写真


今回寄せられたコメントの中で最も多かったのは、「広いスペースが特に必要でない方が使ってしまっている」「乗降のためのスペースに駐車されてしまった」という声でした。

大変残念なことに、そこしか使えない、本当に必要な方が利用できていない現状があることが分かりました。

広めたい、優先駐車場の必要性

今回のコメントでは、実際には優先駐車場を利用していない、という方からもご意見をいただきました。

●私は視覚障害なので、歩くことや移動そのものに不自由を感じません。ところが世の中には障害者であれば誰でも優先駐車場を使用してもよいと考える人もいるようです。優先駐車場の設置目的や、その駐車場が空いていないことでどんな人が困るのかを多くの人が認識できるとよいです。(40代男性/視覚障害)

●優先駐車場の幅が広くとってある理由を知らない一般の人も多いのだろうと思う。自分が困らないと想像を働かせるのは難しい。もっと啓発が必要と思う。(60代以上女性/発達障害)

今一度、「なぜ建物の近くにあるのか」「なぜ広いスペースがあるのか」「なぜ『必要』なのか」を考えることで、みんながちょっと過ごしやすい社会に一歩近づけるかもしれません。

まとめ

私はミライロに入社するまで、車いすの方が車に乗り込むのは見たことがありませんでした。
入社していなかったら…まだ知らないままだったかもしれません。
当事者でないことを自分事として考えるのは、とても難しいことです。

しかし、「なぜ?」「どうして?」「もしかしたら…」と想像を働かせることができたなら、少しでも興味を持って知ることができたなら、「こうだったらいいな」が「あたりまえ」になるのかもしれません。

まだ小さな自分の甥っ子が大人になったときのために、今から少しずつ「こうだったらいいな」を「あたりまえ」に変えていきたいと思います。

 

ミライロ・リサーチでは、障害がある方のお声をブログ記事として社会に発信していきます。
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笹川 楓子

笹川 楓子

株式会社ミライロ ビジネスソリューション事業部 リサーチチーム。 大学で4年間手話を学ぶ。「バリアバリュー」の理念に共感し、2017年より株式会社ミライロに入社。入社後は、障害のある視点や経験を価値に変える調査サービス「ミライロ・リサーチ」の運営メンバーとして従事。日々、障害のある当事者モニターさんの声を聞き、社会に届けている。 好きな食べ物は白あんのイチゴ大福。