障害のある方から見た「多目的トイレ」の実情

笹川 楓子

こんにちは、ミライロの笹川です。
先日は「多機能トイレと多目的トイレの違い」をお伝えしました。

今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさんから「多目的トイレ」※についてたくさんのご意見を頂きましたので、皆様のコメントを中心にご紹介します。
※様々な呼ばれ方がありますが、ここでは「多目的トイレ」と記載しています。

本当にあった困った話

「多目的トイレ」に関するお悩みは、ほとんどのモニターさんが抱えています。
信じられないような話ですが、中にはこんな不正利用の場面に遭遇したとのお話もありました。

●化粧やヘアメイクなどで長い間使っている人がいると、ずっと立って待たなくてはならずキツイ。でもひょっとして自分より障害の重い人が使っているかも…と思うとドアをノックすることができない。(40代女性/肢体不自由)

●購入をした衣料品や化粧品を身に着けるために利用をする学生さんや女性がいます。優先順位を細かく表示するわけにもいかないだろうし、個人のモラルが問われるところだと思います。もし、優先トイレが2つ並んであったら、3つ並んでいたら…そのように思い浮かべたことがあります。(50代女性/肢体不自由)

●以前公園の車いす用トイレに入ろうと扉を開けたら中に住んでいる方がいて、もう本当に『部屋』になっていたことがあった。 ヘアカラーをしている場面にも出会ったことがある。先日はガラッと開けたら高校生くらいのカップルが抱き合っていて慌てて扉を閉めた。このトイレしか使えない人がいるのだ、ということをもっと知ってもらえたらいいなと思う。(40代女性/肢体不自由)

多様な方を一手に引き受けた「多目的トイレ」

「多目的トイレ」を利用するのは、車いすを利用している方だけではありません。
様々な事情を抱えた人が、数限りある場所を共有しています。
多様な利用者を一手に引き受けた「多目的トイレ」は今、そのあり方を問われています。

●「みんなのトイレ」と標榜する場所が増えたことで、利用者の裾野が広がり、以前より混雑具合が顕著になった。(30代男性/肢体不自由)

●一般トイレが和式しかない時があり優先トイレを使用しなければならず、車いすの方がまたれているときは申し訳ない気持ちになる。(20代女性/肢体不自由)

LGBTの私なので優先トイレを利用することあります。(50代女性/聴覚障害)

●オストメイトを利用しているが、見た目は健常者なので、使用しようとすると何故使うのか問われる時がある。(40代男性/内部障害)

●子供(10歳 女の子)が知的障害があり外出先では一緒に入らないといけないので多目的トイレに入ります。(10代女性/知的障害)

あったらいいというものでもない「多目的トイレ」

「多目的トイレ」には様々な機能があります。
ただ、広ければ良い、手すりがあればいいというものではありません。
どんな方がどんな機能を必要としているのでしょうか?

ゴミ箱が設置されていない所だと使い捨てのカテーテルを使用した場合、使用後のカテーテルをまたゴミ袋に入れて鞄に入れて出ないといけないので、四肢麻痺だとかなり時間がかかり、 優先トイレを長い時間占拠するので気を使ってしまう。(40代男性/肢体不自由)

●多目的トイレでも、車椅子ユーザーには狭いことがある。(10代男性/肢体不自由)

大人がオムツ交換できるトイレが少ないので増やしてほしい。(30代男性/肢体不自由)

●私は右半身麻痺なので便座に座った状態で左側に手摺りがある方が助かるのだが、右側の方が多い気がする。(60代以上男性/肢体不自由)

絶対的に数が少ないので(1フロアに1か所あるかないか)増やしてほしい。紙おむつを使用しているので、使用済み紙おむつ入れがあるトイレが多いのは助かる。(40代男性/肢体不自由、精神障害)

 

まとめ

「多目的トイレ」しか使えない人がいます。
ベットや手すり、広いスペースを必要としている人もいます。

もちろん、ハード面の整備は不可欠ですが、個人の意識次第で、解決される課題もたくさんあります。
ハードはなかなか変えられなくても、ハートは今すぐ変えることができます。
モラルをしっかり守り、多様な方が使い易いトイレを皆で提供していきたいですね。


ミライロ・リサーチでは、障害がある方のお声をブログ記事として社会に発信していきます。
皆様の興味関心あるテーマをピックアップし、アンケートを配信していますので、どしどしご意見等をお寄せください。

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笹川 楓子

笹川 楓子

株式会社ミライロ ビジネスソリューション事業部 リサーチチーム。 大学で4年間手話を学ぶ。「バリアバリュー」の理念に共感し、2017年より株式会社ミライロに入社。入社後は、障害のある視点や経験を価値に変える調査サービス「ミライロ・リサーチ」の運営メンバーとして従事。日々、障害のある当事者モニターさんの声を聞き、社会に届けている。 好きな食べ物は白あんのイチゴ大福。