障害がある方の一人暮らしの実態

笹川 楓子

こんにちは、ミライロの笹川です。

私が大好きな絵本の中に、脳性まひの女の子の成長物語があります。
物語の中で女の子はストレッチャーで街中を移動をし、生活のほとんどをヘルパーさんと過ごしていますが、持ち前の明るさと広い人脈で念願の一人暮らしを始めます。

この絵本を読んだとき、私はまだ小学校の低学年でしたが、障害がある方の一人暮らしについて考えるきっかけになったのを覚えています。

では実際に、障害があって一人暮らしをしている方は、どのくらいいらっしゃるのでしょうか?
今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさん「一人暮らし」について質問しました。

10人に6人が一人暮らし経験あり

一人暮らしの経験があるかどうかを、197名の障害のあるモニターさんに伺いました。

「過去に一人暮らしをしていたことがある」が24%
「現在一人暮らしをしている」が40%
「一人暮らしはしたことがない」が36%

という結果になりました。

障害のあるモニターさんのうち、半数以上が一人暮らしの経験があることが分かります。

国立社会保障・人口問題研究所が2018年に公表した「日本の世帯数の将来推計」では、2040年には、全世帯に占める一人暮らしの割合が4割に達すると言われています。
障害のある方は、既にこの推計と同等の割合に達しているようです。障害のある方の一人暮らしの経験を表すグラフ  過去に一人暮らしをしていたことがある24%  現在一人暮らしをしている40%  一人暮らしはしたことがない36%

半数以上が「一人暮らしをしてみたい」と回答

「一人暮らしはしたことがない」と回答した方に、「一人暮らしをしてみたいと思いますか」と確認したところ、63%の方が「一人暮らししてみたい」と回答しました。

まだ一人暮らし経験のない方でも、一人暮らしに対する憧れや希望を抱いてる方は少なくないようです。

障害がある方の一人暮らしをしてみたいかを表すグラフ  一人暮らしをしてみたいと思う63%  一人暮らしをしてみたいと思わない37%

では、障害のある方が「一人暮らしをしてみたいと思う」理由や、「一人暮らしをしてみたいと思わない」理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

「一人暮らしをしてみたいと思う」理由

●1回自分だけで暮らせるのか、体験程度でいいのでしてみたい。(20代女性/発達障害・精神障害)

一人でどこまでできるか確かめたい。(40代女性/肢体不自由)

家族と離れて生活してみたい。(20代女性/肢体不自由)

一人暮らしをしてみたい、と回答した方の中で最も多かったご意見は「自分の力を試したい」「挑戦したい」というものでした。
障害を理由に制限を受けるのではなく、自分の力でできることを模索したいという前向きなご意見が多数見られました。

「一人暮らしをしてみたいと思わない」理由

●一人だと不安しかない。(40代男性/内部障害・精神障害)

●障害の程度で1人暮らしは不可能なため。(50代男性/肢体不自由)

体調に波があるため。(20代女性/内部障害)

一人暮らしをしてみたいと思わない、と回答した方の理由としては、「生活の中で必ず介助が必要になるのでできない」「体調に波があるので不安がある」等、ご自身の障害に関連したお悩みが多々挙がりました。

次回以降のブログでは、「肢体不自由の方編」「視覚に障害がある方編」「聴覚に障害がある方編」の3つに分け、障害のある方が一人暮らしをする際の困りごとや、その解決方法についてご紹介します。

まとめ

今回の調査によって、意外にも半数以上の方が一人暮らし経験があることが分かりました。
一人暮らしをしていない方の中には、障害に関連した困りごとで不安が拭えない方も多いようです。

一人暮らし経験者の方からいただいたコメントの中には、障害に関連した困った理由や、ならではの工夫がたくさん見られましたので、次回以降お伝えしていきます。

 

ミライロ・リサーチでは、障害がある方のお声をブログ記事として社会に発信していきます。
皆様の興味関心あるテーマをピックアップし、アンケートを配信していますので、どしどしご意見等をお寄せください。


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笹川 楓子

笹川 楓子

株式会社ミライロ ビジネスソリューション事業部 リサーチチーム。 大学で4年間手話を学ぶ。「バリアバリュー」の理念に共感し、2017年より株式会社ミライロに入社。入社後は、障害のある視点や経験を価値に変える調査サービス「ミライロ・リサーチ」の運営メンバーとして従事。日々、障害のある当事者モニターさんの声を聞き、社会に届けている。 好きな食べ物は白あんのイチゴ大福。