調査データ 一般の方向け
2020/08/17

一人暮らしのススメ ~ 肢体不自由の方編 ~

笹川 楓子

配達員がインターホンを鳴らすイメージ写真

こんにちは、ミライロの笹川です。

前回、「障害がある方の一人暮らしの実態」をお伝えしました。

今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさんのうち、「一人暮らしの経験がある」肢体不自由の方にお話を伺いました。

当事者にしか分からないお悩みや、当事者だからこそのアイディア、想いをたくさんお寄せいただきましたので、ぜひご覧ください。

一人暮らしのアイディア

寝転がったあと、なかなか起き上がれない…めんどくさい…そんな想いで伸びた電気紐を友人の家で見たことがあります。
誰しも、少しでも生活を快適にしようと家にはいろんな工夫を凝らしているものです。

障害のある方の一人暮らしには、その方にしか分からないお部屋の困りごとや生活の工夫があります。
特有の困った!とその解決方法を紹介します。

配達員がインターホンを鳴らすイメージ写真
 
●【困ったこと】電球や蛍光灯の取り替えが出来なかったり、洗濯も調理も杖を使いながらしないと行けなくて時間がかかりました。(40代女性/肢体不自由)

【工夫】電球や蛍光灯は値段はするが、倍長持ちみたいなタイプの物を使っていました。 取り替えはマンションの管理人さんを呼んでお願いしていました。 料理も休みの日にまとめて作り、冷凍して、料理の時間が短縮するようにしていました。 洗濯物も、障害のある人でも使える専用の物を使っていました。


●【困ったこと】部屋探しのしづらさを痛感しました。車いすを利用しているので、少しの段差や道幅が狭いとだめになってしまいます。車いす対応住宅だと、賃料が高くなってしまうことも悩みでした。ほとんどの賃貸住宅は入口の段階で階段になっていることが多いので、探すのに大変苦労しました。(30代男性/肢体不自由)

【工夫】入念に賃貸サイトを回って一件一件探し続けました。そしてなんとか探すことができました。参考として、グーグルマップのストリートビューを見ながら、坂は無いか・段差の有無・道幅等を確認しました。

●【困ったこと】買い物はネット通販が多いのですが、配達が来た時にインターフォンに出るまで時間がかかるため、不在と思われて帰られたことがしばしばありました。(50代女性/肢体不自由)

【工夫】一戸建てならインターフォンの子機・リモート端末でしょうけれど、集合住宅で共通のオートロックでは解決策がありませんでした。結局、電動アシスト車いすを申請して、走る距離も運べる量も増えたので自力でスーパーまでこまめに買い出しに行くことにしました。水のペットボトルは毎回一本ずつとか。電動アシスト車椅子はパワーがあるので買い物の量が多くても坂道でも頑張れます。

●【困ったこと】人工股関節のため、床に座る事が出来ずしゃがむことも出来ないため、掃除やシンク下の奥の物を取ることが出来ない等が不便。(50代女性/肢体不自由)

【工夫】掃除ロボットを購入してやっと掃除できるようになった。水拭きもできるのでおすすめです。

●【困ったこと】車椅子のままだとキッチン側に向けると特に冷蔵庫があけられない玄関の扉が閉められなず、挟まってしまう。インターホンが遠くて間に合わない。(30代女性/肢体不自由)

【工夫】冷蔵庫については、一人暮らしで金銭的な問題で広いところには住めないため、向きを変えることで工夫しています。玄関の扉はネジを緩めてもらい扉を軽く開けられるようにしました。閉めるのに室内の取っ手に犬のリードを使っています。手繰り寄せて閉められるので便利です。インターホンは、最初は間に合わないですが、必ず2~3回押してください。と貼り紙をしています。身体が不自由と書くと違う人に見られたときに狙われるのも怖いので理由は中で教えています。配達員さんは基本的に同じ方なので、この時期でも中まで必ず持ってきてくれるようにお願いしています。

ご自身の障害に関連した理由で困っている方は、たくさんいらっしゃいます。
しかし、生活の知恵や行政・団体の制度の活用など、試行錯誤して一人暮らしをされているようです。

一人暮らしをしてみたい人へ、一人暮らしのススメ

今回アンケートにご回答いただいた方に、これから一人暮らしをする同じ障害のある方に伝えたいこと、ご自身の経験、工夫などを伺いました。

生活に基づいたアイデアや温かいメッセージなど、幅広いご意見をたくさんいただきましたので、一部をご紹介します。

●当たり前のことかもしれないが、近所の人へ挨拶をしたり、コミュニケーションを取って、近く、あるいは同じ建物内に障害のある人が住んでいることを知ってもらうことが大切。自然災害や、体調が急変した時などに、助けてもらいやすくなるし、健常者と変わらない一人の人間として障害者のことを知ってもらえると思います。(30代女性/肢体不自由)

●障害の程度によりますが、ほとんど寝たきりで要介護度が重いと、介護サービスの充実した市に住まなければ、市によっては介護の時間数が決まっていたり、ヘルパーさん不足で困ることが多々あります。住んでいる市や、部屋を借りようと思う市に電話し、介護状況を確認した方がいいと思います。(20代女性/肢体不自由)

●一人暮らしをする際、部屋探しはとても重要です。部屋の設備や間取りの他、外出先から部屋に入るまでの道筋も不自由なく移動できるのか、よく確認した方がいいです。交通機関が近かったり、買い物がしやすい場所かどうかも重要です。(30代女性/肢体不自由)

●不安はとても多いが、福祉制度を活用すれば、生活は出来る。社会は重度障害者も見捨てることなく、意外に楽しく過ごせます。(60代男性/肢体不自由)

●私は中途障害のため、出来ると思ったことが出来なかったりすることも多いですが、その自分を受け入れて生活しやすい工夫をしています。あとはヘルパーさんを使っていれば遠慮なく頼むことです。人に頼むのがすごく苦手でしたが、出来ないことは感謝の気持ちを持って甘えることも大事だと思います。(30代女性/肢体不自由)

●私の経験上、どれだけ自分なりに対応策を講じても、他の住民に助けていただくことが沢山ありました。大家を含め、他の住民と普段から顔見知りの間柄になるよう積極的に接すること、特に接する可能性の高い大家と同じ階の住民には身体の状態や困ることが予想できることを事前に伝えていくと、生活の安定に役立つと思います。(20代男性/肢体不自由、視覚障害)

●自分で頑張れば出来る事でも、それに費やす時間を考えて天秤にかけ、サポートしてもらったほうが自分の身体と心の負担が軽くなるなら、遠慮せずにサービスを利用する。無理をし過ぎないことがとても大切です。自分ひとりで何でも出来ることがカッコ良く見えますが、ひとり暮らしを長く続けるにはひとりで抱え込まないことです。(30代男性/肢体不自由)

●自分で全部抱え込まないで、人に相談しながら生活すると良いと思います。周りにはケースワーカーさんや保健師さんもいます。親身になって相談に乗ってくれるので絶対に1人で抱え込まないで下さいね。(50代女性/肢体不自由)

相談しているイメージ写真

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、肢体不自由の方の一人暮らしについてお伝えしました。
障害のある当事者ならではのお悩み、アイデア、メッセージがたくさんありましたね。
この記事が、これから一人暮らしをしようとしている方の不安解消に少しでも繋がれば幸いです。

ミライロ・リサーチでは、障害がある方のお声をブログ記事として社会に発信していきます。
皆様の興味関心あるテーマをピックアップし、アンケートを配信していますので、どしどしご意見等をお寄せください。

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