一般の方向け お知らせ
2020年08月31日

一人暮らしのススメ ~ 聴覚に障害がある方編 ~

笹川 楓子

こんにちは、ミライロの笹川です。

先日は、「障害がある方の一人暮らしの実態」をお伝えしました。
今回は、ミライロが運営する調査サービス「ミライロ・リサーチ」に登録している、障害があるモニターさんのうち、一人暮らしの経験がある聴覚に障害がある方に、お話しを伺いました。

当事者にしか分からない悩みや、当事者だからこそのアイディア、想いをたくさんお寄せいただきましたので、ぜひご覧ください。

■一人暮らしのススメ ~ 肢体不自由の方編 ~ はこちら
■一人暮らしのススメ ~ 視覚に障害がある方編 ~ はこちら


一人暮らしのアイディア

障害のある方の一人暮らしには、その方にしか分からない困りごとや生活の工夫があります。
特有の困った!とその解決方法を紹介します。

 

●【困ったこと】生活音が隣の住人に迷惑かけていないか心配。(20代男性/聴覚障害)
 【工夫】スマホのアプリで音量を測定、または聞こえる友人を招いてうるさいかどうか確認しています。

●【困ったこと】朝起きること(20代男性/聴覚障害)
 【工夫】3種類の目覚まし時計を併用して、三段構えにしています。 一つ目は、バイブ式のもの。二つ目は、ライト式のもの。三つ目は、鉄道会社でも運転士が使っている自動起床装置というもの。それぞれ10分間隔で時間差を設けて、三段構えにしています。

●【困ったこと】 不意の来客でドアベルが鳴っても分からず、宅配便はいつも初回で受け取ることが難しいです。(50代女性/聴覚障害)
 【工夫】ドアベルは、市販のフラッシュライトで知らせるドアベルを付けました。また、これを購入するまではドアに「呼鈴が聴こえませんので、電話をかけてお知らせ下さい」とメモを貼り、携帯電話へ着信してもらっていました。

写真 目覚まし時計
 

聴覚に障害のある方からは、音に関する困った!が多く寄せられました。
中でも多かったのは、インターホンや電話に関する困りごとでした。
インターホンであればフラッシュライトや張り紙で、電話に関してはメール問い合わせや電話リレーサービス等で、解決している方が多いようです。


一人暮らしをしてみたい人へ、一人暮らしのススメ

アンケートにご回答いただいた方に、これから一人暮らしをする同じ障害のある方へ伝えたいこと、ご自身の経験、工夫などを伺いました。
生活に基づいたアイディアや温かいメッセージなど、幅広いご意見をたくさんいただきましたので、一部をご紹介します。

●音漏れなどを防ぐため、壁の厚さを確認した方が安心かもしれない。(20代男性/聴覚障害)

●失敗も工夫も経験ですね。福祉機器の補助金や福祉サービス制度も自治体によって制度や補助金の限度額も違うし、障がいの程度やできる事、できない事は、個人差もあるのでケースバイケースで対応していく事かなと思います。災害時、緊急時はどうしていくか?という面では、家族や地域のサービス、身近な地域の人と話し合って決めておく、状況に応じて柔軟に対応できるようにしておく方がいいと思います。都市部に住んでますが、台風で数日間、町ごと停電しました。幸いにも、水道とエレベーターの発電機がマンションにあったので水道、エレベーターは使えましたが、他の地域に給水車がきていることを知らずにいました。地域の情報が全く入らず色んなことを見てたまたま知った事が多かったです。(行政のLINE等は、当時はなく災害後に運用開始されました) 停電が続いて、スマホのバッテリーがピンチになりました。スマホの情報が頼りなのでモバイルバッテリーもパソコンもスマホの充電に使いきってしまったのです。充電できるカフェまで電車で行って、充電しにいきました。(30代その他/聴覚障害)

●自立するためにはトライ&エラーが必要です。豊かな生活を目指す度に社会のバリアを目の当たりにして心が折れることもありますか、めげずに何度でもトライすることが大切だと思います。(20代男性/聴覚障害)

フラッシュランプがあると良いです。宅配ボックスのある家に住むと良いです。また、何かあった時にメール連絡対応可能な管理会社を探すことも重要だと思います。(30代女性/聴覚障害、肢体不自由)

●役所関係、銀行など、電話のみの受付しかない所がまだあります。こういうときのために、電話リレーサービスに登録されることをお勧めします。なお、本人確認のため、受話器から口頭で話すように指示される企業様もありますが、これらも少しずつ改善へと向けている所もあります。一人暮らしは、絶対無理ではありません。自分次第で快適に環境を整えられますし、社会生活に必要な手続きを知っておくと、意外に仕事にも役立つ情報と繋がったりします。(50代男性/聴覚障害)

スマホは必需品。聞こえないことを理解してくれる、支援者を何人か近くに住む人を作る。災害時にも活用できるように。(60代女性/聴覚障害)

イメージ写真 電話リレーサービス

肢体不自由の方、視覚に障害のある方、そして今回の聴覚に障害のある方に共通するメッセージとして、「有事を想定すること」がありました。
何かあったときのために、頼れる先を見つける、サービスやアプリを見つけておく、といった日々の備えをしておくことが大切ですね。


まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、聴覚に障害がある方の一人暮らしについてお伝えしました。

これまで肢体不自由の方、視覚に障害のある方、聴覚に障害のある方の一人暮らしに関して紹介しましたが、皆さんそれぞれ、障害に関連するお悩みやならではの工夫、どの障害にも共通するアドバイスやメッセージがありました。

この記事が、これから一人暮らしをしようとする方の不安解消に少しでも繋がれば幸いです。


 

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