ユニバーサルマナー 情報保障
2022年02月14日

聴覚障害者とのコミュニケーション方法とは?

ミライロ

 

皆さんは、聴覚障害者とコミュニケーションを取るには、どのような方法があるかご存じですか。恐らく、多くの方は「手話」を連想すると思いますが、実は聴覚障害者の中には手話を使わない方も多くいます。

では、聴覚障害者は普段手話以外の方法で、どのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?

本記事では、聴覚障害について基礎知識をお伝えしつつ、普段の生活でのお困りごとについて、そしてどのようにコミュニケーションを取ればよいのかをご紹介します。

聴覚障害とは

はじめに、聴覚障害についてお伝えします。
聴覚障害とは、音が「聞こえない」「聞こえにくい」状態のことを指します。

また、聴覚障害に起因して、音の概念や発音がむずかしく、「話ができない」「話がしにくい」言語障害という特性があります。聴覚障害者の中には聴覚障害と言語障害を合わせ持つ方が一定数いらっしゃいます。

聴覚障害の種類

聴覚障害者の中でも、音の「聞こえにくさ」は人によってさまざまです。
難聴の種類や聞こえ方の違いについて、図を用いてご紹介します。

伝音性難聴

伝音性難聴の聞こえ方

伝音性難聴は、外耳や中耳が正常に機能しなくなり、音が小さくなったりして伝わりにくくなる難聴です。慢性中耳炎や滲出性中耳炎など主に中耳の疾患でみられます。補聴器などで音を大きくすれば比較的聞こえる方もいます。

感音性難聴

 

感音性難聴の聞こえ方

感音性難聴は、内耳やそれより奥の中枢の神経系に障害がある場合に起こり、音が歪んだり、響いたりする難聴です。そのため、はっきり言葉として理解することが難しいです。また、補聴器などで音を大きくするだけでは、うまく聞こえない方もいます。

混合性難聴(伝音と感音の混合)

混合性難聴の聞こえ方

混合性難聴とは、伝音性難聴と感音性難聴の特性を合わせ持った状態の難聴です。音が小さく、特定の音を聞き分けたりすることが難しい方もいます。

 

一般的に、3種類に大きく分かれると言われていますが、人それぞれ聞こえにくさは異なります。そのため、一概に症状で区別するのではなく、聴覚障害者のある本人に直接確認することが望ましいです。

聴覚障害者とのコミュニケーション方法

聴覚障害者とのコミュニケーション方法には、どのようなものがあるのかご存じですか?聴覚障害者とコミュニケーションをとるときは、一つの方法だけではなく、さまざまな方法を組み合わせるとより伝わりやすくなります。

筆談

紙や、ホワイトボードなどの文字が書けるものを用いて、コミュニケーションを取る手法です。手話や口話と比べるとテキスト情報でのコミュニケーションを取ることが出来ます。

手話

手話とは、手や指・顔の動きや表情を使って表現する視覚言語です。音声言語(日本語・英語など)とは異なり、独自の文法や単語があり、独立した言語です。そのため、聴覚障害者の中には、手話が第一言語という方も多くいます。また、世界各国ではその国独自の手話言語(アメリカ手話、中国手話など)があり、他に、国際交流の場で手話の共通語として使われている「国際手話」もあります。

口話

口の動きなどで相手が発している言葉を読み取る手法です。また、読話とも呼ばれています。「箸」と「橋」などの同音の言葉や、「1(いち)」と「7(しち)」など似たような口の動きをする言葉の場合は、情報として取得しづらい場合があります。

聴覚障害者とのコミュニケーション方法

また、厚労省のデータによると、聴覚障害者のコミュニケーション手段として

手話・手話通訳が25%、口話が10%、筆談・要約筆記が23%、補聴機器(補聴器など)の使用が25%となっています。このことから聴覚障害者は、手話だけでなく、筆談や口話、補聴器の使用など、コミュニケーション手段が複数あることが分かります。

(参照:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」平成28年

聴覚障害者の困りごと

聴覚障害者の困りごとについてお伝えします。

ここ数年、新型コロナウィルスの影響で、リモートワークなど職場のDX化が急激に進んでいます。弊社で実施した新型コロナウイルスによる影響の調査」の中で、聴覚障害者の職場での困りごとについて、以下が挙げられました。

  • オンライン会議時に音響の問題で聞こえにくい
  • オンライン会議時に画像が粗くて口元が読み取れない
  • 不織布などのマスクでは、口元が隠れてしまって見えな

コロナ禍において、聴覚障害者はオンライン会議時やリモートワーク時の情報の取得に、特に課題を感じていることがわかります。

働く環境において聴覚障害者が働きやすい環境をつくるために以下の配慮や工夫が必要です

  • 正しい情報を取得するために、情報保障をする
  • 周囲との円滑なコミュニケーションができるようにコミュニケーション保障をする

情報保障とは、音声情報を手話や文字など別の代替手段を用いて、情報を伝えることです。また、コミュニケーション保障とは、良好な人間関係を構築するために、対象や状況に合わせたコミュニケーションに関する配慮や工夫を行うことです。

情報保障やコミュニケーション保障の体制を整備するためには、下記が必要不可欠です。

  1. 社内で聴覚障害に関する研修を実施し、多様なコミュニケーションがあることを知る
  2. 情報保障が必要とされる場面(面接、会議、研修など)では、可能な範囲で情報保障を準備する
  3. 費用の問題で情報保障の手配(ハード)が難しい場合には、社員がサポートを行う(ソフト)ことで聴覚障害者のバリアを解消する。

2に関しては、聴覚障害者が場面に合わせて情報保障の手段(手話または文字)を選択できる環境を整えることが望ましいです。また、自動音声認識システムを利用している企業も増えてきており、代表的なものとして「UDトーク」があります。音声を認識し、リアルタイムで文字に変換するアプリケーションです。会議時や面接時の情報保障をする上で有効なツールの一つです。

 

ミライロ・コネクトでは手話通訳・文字通訳派遣サービスを行っております。

会議時や社内イベント、セミナーを開催する際に、聴覚障害者への情報保障をご検討されているご担当者は是非ご活用ください。

ミライロ・コネクトの手話・文字通訳派遣はこちらから

多様なコミュニケーション方法を身に着けるために

聴覚障害者のコミュニケーション方法は複数あり、求めている情報保障の方法は筆談、手話、口話などさまざまです。また、聴覚障害者が働く上での課題は、同じ職場で働く聴者とのコミュニケーションが多く挙げられます。

情報保障を準備することは、もちろん大切なことです。ただし、コミュニュケーションへの配慮なくしては、聴覚障害者と適切にコミュニュケーションを行い、良好な人間関係を築くことは難しいのです。

始めの一歩として、今この記事を読んでいるあなたが、知識として「聴覚障害について理解を深め、多様なコミュニケーション方法を知る」ことや、向き合い方として「聴覚障害者とのコミュニュケーションの本質について考察する」ことも大事だと考えます

私たちミライロが運営しているユニバーサルマナー検定では、障害のある方をはじめとする多様な方への向き合い方を身につけることが出来ます。

さらに、聴覚障害者への向き合い方を学ぶ「ユニバーサルコミュニケーション研修」では、聴覚障害のある講師から本当に喜ばれるコミュニケーション方法を実体験も交えてお伝えします。また、筆談、読話、手話など様々なコミュニケーション手段について、「今日からできる」実践的なアドバイスをお伝えしています

ご興味のある方は下記からご確認ください。

■ユニバーサルコミュニケーション研修

https://universal-manners.jp/kennsyu_communication

ユニバーサルマナーコミュニケーション研修

■ユニバーサルマナー検定

https://universal-manners.jp/3kyu_details?exam=g3

ユニバーサルマナー検定

少しずつでも聴覚障害について理解を深め、実際に同僚やお客様の中に聴覚障害者がいらっしゃった際に、多様な方法を用いて、コミュニケーションを取っていただけると幸いです。