はじめに
聴覚障害理解及び聴覚障害者とのコミュニケーション方法の理解を目的とした「情報保障に関するセミナー」についてお伝えします。本セミナーは、行政職員や市民を対象に現地会場にて実施しました。
・行政職員の方
・手話言語条例の制定により市民向けにセミナーを検討されている方
・その他、お困りの方
はぜひ最後までご覧くださいませ。
聴覚障害者への対応方法を中心に、窓口で使える手話講座や遠隔手話通訳など体験型のセミナーを実施
この度は弊社があいおいニッセイ同和損害保険様と共に提供しているユニバーサルマナー講習の一環として、霧島市様からのご依頼により、市職員と市民向けに「情報保障に関するセミナー」を開講する運びとなりました。
事前に実施した職員アンケートでは「聴覚障害者への窓口対応スキルを向上したい」という意見が多くありました。そこで、ご希望に合わせたカリキュラムの考案及び講師を選定し、今回はCODA(コーダ:聴覚障害者の両親を持つ人のこと)の講師がセミナーを担当しました。
セミナーでは、聴覚障害における社会情勢の説明をはじめとした講演のほか、聴覚障害者の市民が来庁された時を想定し、窓口で使える簡単な手話講座を行いました。
また、最近話題のUDトーク(自動音声認識アプリケーション)や遠隔手話通訳サービスも体験していただきました。
セミナー中盤では、参加した聴覚障害者から手話通訳者を介して直接意見を聞き、情報保障の重要性をリアルタイムで感じていただけたと思います。
最後に、セミナー内容をふまえて「社会の中で聴覚障害者が困ること、また、その解決方法」についてグループに分かれ意見交換を行いました。
市職員と市民の、合計80名を越える方が参加されました。
お互いの立場から
・聴覚障害者にとって暮らしやすい社会とは何かを考え、
・地元等にはどのような課題があるのかを知り、
・それを解決できる方法について職員と市民が一緒になって考えていただく
機会となりました。
参加者の声
参加された皆さまにアンケートを取ったところ満足度は高く、98%でした。多くの参加者にとって「聴覚障害」への理解と手話学習の機会に繋がったことがわかります。
【参加者の声(職員)】
- 現状の課題、問題点がわかった。
今日から改善できることも見つかったのですぐに取り組みたい。 - 本日の研修で習った手話は必要最低限のものであるので、朝礼の挨拶トレーニングに合わせて実践した方がいいと思った。
職員が人に優しい気持ちであることが市民サービスの向上に繋がると思う。 - 簡単な手話でのあいさつや遠隔での手話通訳など、体験型の研修でとても貴重だった。 また、今後窓口等で聴覚障害をお持ちの方とお会いしたときに勇気をもって手話であいさ つ等をすれば相手も安心できるのではないかと思った。
- グループワークで挙がった災害時や庁内での課題について、この 研修を踏まえてより深く考えていくべきだと思う。
- 最近、聴覚障害者が物語に登場するドラマを見ていたので、非常に興味深い内容であった。なかでも、ろう者の方が筆談でコミュニケーションをとることが難しいとのお話を聞き、初めて知ったので今までの自分の考えを改めさせていただいた。
- 窓口に来られる方は、聞こえて当然という思いが当たり前だったので、新たに気づけた ことや学べたことが多かった。これから少しずつ手話ができるようになれるといいなと思った。
- 耳が聞こえないことで日常生活の様々な場面で、不便なときがあることを学び、不便さを 感じさせない体制作りが大切であると感じた。
【参加者の声(市民)】
- 研修に参加でき大変勉強になった。見た目でわかりにくい聴覚障害者の方々が困っている 時を見かけたら、どんな事ができるのか考えたいと思う。
- 普段、生活している中で、私にとって当たり前のことや情報を得る手段が、聴覚障害者の方にとっては、難しいことに改めて気づく事ができた。
- 手話を学んでいる立場として改めて勉強になりました。
聴覚障害者の方は、あらゆる場面で情報に困っている事が多いため、聞こえる人と対等に情報を得ることができるようになればよいと思う。 - グループワークで聴覚障害者と同じグループになれたので当事者の話を聞けて良かった。
- 聴覚障害者の課題はどんなものがあるか。その場面の解決にはどういう方法があるかと 言った情報を参加者全員で共有できたことが良かったと思う。手話通訳に対する意識が深まっていくといいと思った。
- UDトークや遠隔手話通訳を実際に見ることができて良かった。
ワークショップで、いろいろな意見が聞けて良かった。聴覚障害者が来庁しやすい市役所になるといいと思った。 - 自分も少しでも手助けができればと思いながらも障害がある方が、不便を感じる内容 (状況)など普段、何も考えていないことを痛感した。市職員の皆さんが熱心に受講され感心した。
今回のセミナーは当初、職員向けの研修として実施予定でした。しかし、市民にも呼びかけたところ、手話学習者を中心に20名近くの方にご参加いただきました。テレビドラマで話題になっていることもあり、手話へ興味を持つ方が増えていると感じます。少しでも多くの方に手話言語へ関心を持っていただき、聴覚障害について理解が広がればうれしく思います。
今後も「聴覚障害と情報保障の重要性」をテーマにセミナーを実施してまいります。
お問い合わせ先
>ミライロコネクトチーム connect@mirairo.co.jp