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2025年06月30日

パリ2024大会にボランティアとして参加された方へインタビューpart2

ミライロ

1人目に続き、パリ2024大会にボランティアとして参加された方へ、インタビューを行いました!

目次

はじめに
東京2020大会での素晴らしい体験
応募しないという選択肢ははじめからなかった
めげずに向き合うことと、メンバーに頼ること

 

インタビューの方とボランティア仲間の写真

(写真)オリンピック期間中、グラウンドホッケーの試合が行われたイブ・ドゥ・マノアール競技場にて

 

はじめに

ーー本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。自己紹介をお願いします。

現役の会社員で、30年以上海外ビジネスに携わっていました。新しいことにチャレンジすることが好きで、好奇心も旺盛です。東京2020大会での経験が面白くて、そこからボランティアを始めました。ずっと英語で仕事をしてきたため、英語には抵抗がなく、ボランティアでも英語を使うことができるタスクが好きです。

 

東京2020大会での素晴らしい体験

ーーパリオリンピック・パラリンピックのボランティアに参加をしようと思ったきっかけを教えてください。

4年前にコロナ禍の中、無観客で開催された日本での東京2020大会に私は初めてボランティアとして参加しました。この時の経験があまりに素晴らしいものでした。毎日新しいトラブルに見舞われましたが、チームメイトと協力して乗り切ってゆく充実感や、エスコートしたVIPから示される感謝や彼らから見聞きする知識、その中でできた仲間との出会いなど、全てが今後の自分の糧となり、世界が広がってゆく感覚を覚えました。この素晴らしさをもう一度味わいたいと考えて、パリ2024のボランティアに申し込みをしました。

 

応募しないという選択肢ははじめからなかった

ーー今大会のボランティアの選考はとても倍率が高かったと聞きました。それでも応募しようと思ったのは何故ですか?

今回は外国人枠となるため、かなりの競争率になると噂には聞いていました。45,000人の枠に対して全世界から30万人の申し込みがあったようです。それでもぜひ関わりたい、そんな想いから、パリ2024事務局へ、英語で複数回アピールメールを送りました。しかし落選の連絡を受け、せめて現地で試合を観戦しようと渡航の準備をしていたちょうどその頃、改めてオファーの連絡をもらったのです。

ーーボランティア活動はどんな内容ですか?

オリンピックでのボランティアは研修もあわせて16日間、パラリンピックは14日間、事務業務や開会式当日の選手団誘導、試合会場での観客対応を行いました。勤務はシフト制で、オフの日も数日ありました。ただし、滞在期間の食費やホテル代、渡航費は自身で負担をしました。一生に一度のまたとない経験のためであったと捉えています。

 

めげずに向き合うことと、メンバーに頼ること

ーーボランティア活動はどんな内容ですか?

オンラインレッスンやアプリを活用し、フランス語と英語の勉強を2021年以降継続していました。また、スポーツボランティアとしての経験や知識が不足していると感じ、国内で開催された様々な大会に、3年間で15回以上、ボランティアとして参加しました。また、ボッチャの審判の資格を取得したり、ボランティア活動に役立ちそうな研修を複数受講しました。

ーーボランティアを通じて、何か気づいたことはありますか?

学んだことは、「あきらめないこと」、「簡単に気落ちしないこと」です。フランス語をあまり話せないことで、慌ただしくしているスタッフから仕事を振ってもらえないという経験をしました。心が痛みましたが、ボランティアすることを諦めたくなかったので、他のボランティアに「何か手伝うことはありますか」と笑顔で声をかけ、他のボランティアの作業を一緒に行いました。

ボランティア仲間との写真

(写真)ボランティアとして活動した仲間とともに 車いすテニスの試合が行われたローランギャロス競技場にて

ーー今大会での心に残っている、思い出やエピソードなどあれば教えてください。

パラリンピックでは、私はローランギャロス競技場(車いすテニス)の観客対応に配属されましたが、そのポジションはチームリーダーでした。一番の不安要素は、フランス語が流暢に話せないことでした。それでも、16人のメンバーをまとめあげなければなりません。メンバーへの説明がうまくできているか不安に思っていたときに、メンバーの中で自主的に、私の英語をフランス語に訳してくれているスタッフの存在に気づきました。内容の伝達を「一人で抱え込まずに、得意な彼に任せてみよう」と考え、お願いしたところ、快く引き受けてくれました。メンバーの皆の協力のおかげで、無事に任務を遂行することができました。

 

テニス競技場の写真車いすテニスの試合が行われたローランギャロス競技場にて

ーー最後に、この経験を振り返っていかがでしたか。また、同様の機会に参加したいと思われますか。

パリでの日々が大変充実しており、今はまだ次の大会のことは考えられていません。
今回の大会での経験から学んだことは、柔軟性、忍耐力、決してあきらめないこと、他人を尊重すること、そして自分自身を大切にすることです。たくさんの新しい友達と思い出ができました。



ボランティアにもう一度チャレンジされる過程で、他の大会へのエントリーや資格取得に積極的に取り組まれていた姿勢が印象的でした。様々なバックグラウンドのメンバーが集まる場では、仲間との信頼関係がとても大切なのですね。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!




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