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2026年02月12日

プロ49人が語る「手話通訳」という仕事 ー後編ー

ミライロ・コネクト

(写真)手話通訳をしている様子

目次
1.はじめに
2.手話通訳の「やりがい」を教えてください
3.印象に残っている先輩や講師、ろう者の言葉や、現場などのエピソードがあれば教えてください
4.登録通訳者インタビュー
5.まとめ

1.はじめに

前編では、手話通訳者の学習のきっかけや、プロとして大切にしている準備・健康管理といった「土台」の部分について、アンケート結果をご紹介しました。数字や傾向から、手話通訳という仕事の全体像が見えてきたのではないでしょうか。

後編では、49名の現役通訳者が感じている「やりがい」や、現場で直面した「忘れられないエピソード」をさらに深掘りします。また、登録手話通訳者として活躍する3名へのインタビューも掲載。

手話通訳者として活動する方々のリアルをお見せします!

2.手話通訳の「やりがい」を教えてください

アンケートを通じて見えてきたのは、手話通訳という仕事が「誰かのため」であると同時に、「自分自身の人生を豊かにしてくれる」ものであるということです。(以下、主なコメントを抜粋)

・社会の「扉」を共に開く喜び
ー「手話通訳がいることで、ろう者が様々な場面に参加し、可能性を拓いていける。その瞬間に立ち会えることが一番の価値だと感じる」 
ー「当事者が直面する課題・問題に寄り添い、当事者間の意図をより的確に伝え、解決の糸口が見つかった時にやりがいを感じる」

・知らない世界へ飛び込める「知的好奇心」
ー「通訳をしていなければ知らなかったこと、行けなかった場所へ行けるのが勉強になる」 
ー「自分自身の視野が広がり、自分も成長できる」

・「伝わった」という実感と、心の交流
ー「通訳がいないかのように会話が弾み、関係性が築けることができた」
ー「対象者が周りの人と同時に(時間差なく)笑ったり、泣いたり感情が出た時にやりがいを感じる」

 

3.印象に残っている先輩や講師、ろう者の言葉や、現場などのエピソードがあれば教えてください

現役通訳者から寄せられたエピソードには、私たちが「手話通訳」という仕事を通じて向き合っている”リアル”が詰まっていました。(以下、主なコメントを抜粋)

・リアルタイムの感動
ー「今日、初めて社内の人がどんなことを考えて仕事をしているのかがリアルタイムで分かって感動した」 
ー「初めて会話の内容が分かった時」
ー「初めて発言を待たせずに済んだ時」

・技術を磨き続ける誠実さ
ー「大切なのは、やる気や親切ではなく技術」
ー「技術なくして正確な情報保障はできない」
ー「現状維持は退歩と同じ」

・当事者たちが教えてくれた「通訳者のあり方」
ー「みんなの手話が自分に移るほど、深く関わってこれた証」
ー「私が教えたから合格したんだ!」
ー「あなたに手話(通訳の技術)を教えたい!」

・葛藤と悔しさを乗り越えて
ー「自分だけが場違いだ、と泣きながら辞めたいと訴えた日があった」
ー「理不尽な差別を目の当たりにして人混みで大泣きしたことがある」
ー「あるお笑い芸人の言葉『やらない後悔よりやって大成功』をモットーにこれからも頑張っていきたいと思っています。」

 

4.登録通訳者インタビュー

【Case 01】「現場でのハッとした気づきが、私をプロに成長させた」

―― Oさん:若手から幅広い現場へ挑戦中

登録のきっかけ: 他の現場で一緒になった通訳仲間からすすめられたのがきっかけです。地域以外の場所にも目を向けてみようと思い、登録を決めました。

経験した現場: 社内イベント、動物関連の催し、企業の会議、さらにはオーディション会場まで。本当に多種多様な現場を経験させてもらっています。

一番印象に残っている現場と、その理由: ある大手企業の社内イベントです。次々と飛び出す難しい専門用語(横文字)を前に、社会人経験がまだ浅かった私は、どう訳すべきか分からず「お手上げ状態」でパニックになってしまいました。 その時、同行していた先輩から「今、パニックになって、何ができていて何ができていないか自分でも分からなくなっているよ」と指摘されたんです。その言葉にハッとしました。どんなに困難な場面でも、一度冷静になって自分を客観視すること。その重要性を痛感し、忘れられない教訓となりました。

こんな方におすすめ: 「コミュニティ通訳だけでなく、イベントや企業の会議など、とにかく多くの刺激的な現場を経験してみたい!」という意欲のある方におすすめしたいです。

【Case 02】「在宅×プロ活動。丁寧なサポートが育む、非日常の楽しさ」
――Mさん:遠隔通訳を中心に、家庭と仕事を両立
 
登録のきっかけ: 家庭の事情があり、在宅でできる「遠隔手話通訳」の仕事を探していた時にミライロを見つけました。

経験した現場: 大学の講義や企業の会議、さらには国際的な団体の会議など、自宅にいながらにしてグローバルな場に携わっています。

一番印象に残っている現場と、その理由: 外資系企業での通訳です。日頃の生活ではなかなか接点のない「外資系の世界」に飛び込めるのは、まさに非日常。自分の知らない世界を覗けることの楽しさは、この仕事ならではの醍醐味だと感じています。

こんな方におすすめ: 私のように在宅で活動したい方におすすめです。介護や子育て中の方で外出に制約がある方に理想的かもしれません。それに、ミライロはコーディネーターさんが非常に丁寧で、事前に資料をしっかり揃えてくれるので、準備万端で現場(画面)に臨むことができます。「やるからには、きちんと準備をして挑みたい」という方に最適な環境です。

【Case 03】「『合理的配慮』の最前線へ。通訳者としての新しい道」
――Yさん:専門性を追求し、キャリアを切り拓く

登録のきっかけ: 知人の紹介で、「地域や大学以外にも、通訳者が求められている場所がある」と知りました。自分の活動の道がパッと拓けたような感覚になり、登録を決めました。

経験した現場: 企業の通訳、大規模イベント、遠隔通訳など多岐にわたります。

一番印象に残っている現場と、その理由: 専門家が集う「学術系」の通訳です。非常に難易度の高い事前資料を読み込み、身の引き締まる思いで準備に励んだことが記憶に刻まれています。 何より驚いたのは、「その場にろう者がいなくても、合理的配慮として通訳を配置する」という考え方です。私の住む地域にはまだなかった文化に触れ、情報保障の真意を考えさせられました。

こんな方におすすめ: 通訳者としてしっかりとした将来設計をしていきたい方。また、「地域での活動」と「仕事としての通訳」をしっかり切り分けて活動したい、という方にもぜひ一歩踏み出してほしいですね。

 

5.まとめ

ミライロ・コネクトでは、これからも手話によるコミュニケーションが自然に行える社会を目指し、多岐にわたる場面でのサポートを続けていきます。

あなたのスキルを活かし、私たちと一緒に手話通訳業界を盛り上げていきませんか?まずは登録のための選考を受けてみてください。

あなたの一歩をお待ちしています!

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