9月29日・30日、陸前高田市でまちびらきまつりが開催されました。
新しい中心市街地における交通広場の完成や高田南幹線の開通などを記念し、ご支援いただいた方々への感謝を伝えるとともに、復興が進むまちの姿を市内外へ発信し、市民と喜びを分かち合う機会にしようというものです。
ノーマライゼーション学校
これまで、陸前高田市とは「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」に関する包括連携協定を締結し、高齢者や障害者にも優しいまちづくりを協働してきました。
今回のまちびらきまつりのイベントに関連して「ノーマライゼーション学校」を開催しました。
第一部では、代表・垣内が、約150名の皆さまに、「バリアバリューから未来を創る~復興のまちづくりからUD先進国をリードするまちへ~」という題目で講演させていただきました。自身の経験を踏まえながら、これからの日本に求められるユニバーサルデザインの考え方などをお話しました。
第二部では、同市に住む中高生や障害のある方に参加いただき、車いすに乗ったり、アイマスクを付けたりして中心市街地を回り、バリアフリーの実態を調査しました。
ある学生から、「なぜ点字ブロックの色が黄色ではなく、グレーなのですか」という視点が素晴らしい質問をもらいました。
点字ブロックは一般的に黄色が多いですが、明るい舗装材を基調とする場合は、濃いグレーが向いています。利便性だけでなく、道路全体の印象が単調にならない色の工夫も必要です。
弊社も道路や公園の在り方の検討会に参加し、点字ブロックの色や設置位置について助言した案を反映していただいています。
商業・図書館複合施設「abasse TAKATA(アバッセ高田)」の前には、触地図やインターホーンが設置されていました。多様な利用者の視点に立ち、どんな配慮が必要かを考える機会になればうれしいです。
参加してくださった学生さんからは、以下の感想をいただきました。(一部抜粋)
「一人ひとり考えていること、状態が違うからこそ、それぞれのニーズに合わせて、押し付けではなく選択肢を与えていきたいです」
「障害のある方と一緒のグループだったので、多くのことを聞くことができました」
ご参加いただき、本当にありがとうございました。
新中心市街地のユニバーサルデザインな施設を紹介
アバッセ高田の前には、「人にやさしい駐車場」が設置されています。
アバッセ内にあるスーパーマーケットには、車いすユーザー用の買い物カートや多目的トイレが設置されています。
新中心市街地にある中華料理屋「熊谷」。
小さな店舗でも、多目的トイレが設置されています。
あの日から7年半。復興をスタートしてから、一区切りであるまちびらき。
陸前高田市に、人々が戻り、建物が戻り、賑わいが戻り、日常生活の営みが戻るには、もう少し時間がかかるでしょう。
弊社では、今後も復興を見守り、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」に貢献できるよう、邁進してまいります。
取組みへの御礼として、感謝状をいただきました。
写真は、陸前高田市市長の戸羽太様、副市長の岡本雅之様と。