企業の方向け
2020/09/23

精神障害者雇用のマナーと注意点

岸田 ひろ実

【写真】車いすユーザーの方など多様な方が働くイメージ

精神障害のある人と聞くとどんなイメージを持たれますか?

一番多いのは、「どんな障害かわからない」「どう接したらいいかわからない」など、「わからない」という答えです。
なぜかというと、私たちは精神障害のある人を日常で見かけたり、接したりする機会が少ないからです。
また、目に見えない障害なので、気づかず接している場合もあります

障害者の中で、最も人数が多いのは、肢体不自由といって手足の不自由な人たちです。
私も、肢体不自由で車いすに乗っています。
私のように車いすに乗っている人や、目が見えなくて白い杖をついている人は、見た目でわかりやすいので日常でも見かける機会が多いと思います。

しかし精神障害のある人は、見た目で障害があるとわかりづらく、見かける機会や接する機会が少ないがゆえに、障害についてわからない、知らないとなってしまいます。
また、精神障害に関する様々な情報や噂により、怖いイメージや、漠然とした不安を持つこともあります。
そのままでは、精神障害のある方と一緒に安心して働くことはできません。

まずはこの「わからない」を「わかる」に変えることが大切です。

精神障害とは

精神障害は、気分の浮き沈みが激しいことがあり、その内容にも色々な種類があります。
鬱病、パニック障害、適応障害などが代表的な精神疾患の例です。
落ち込んでいることが多い人もいれば、パニックを起こしたり、興奮状態になってしまったりする人もいます。

ただし、精神障害だからこうと一言で言い表すことはできません。
障害の詳しい種類や程度、症状は、人によって多種多様だからです。
あくまでもこういった傾向の人が多いという一例にすぎません。

しかし、これらの症状だけを聞くと本当に一緒に働けるのかと不安になると思います。
だからこそ、適切な知識、向き合い方を、身につけていただきたいと思います。

障害・症状ではなく、相手の「原因」を見る

精神障害やその症状については、ざっくりとした特徴だけを知って、イメージがつけばそれで十分です。
その代わりに知っていただきたいことは、お互いが気持ちよく一緒に過ごす上でのマナーです。

精神障害のある方が、体調不良などのメンタルダウンを起こす原因のほとんどは、不安です。

不安から感じるストレスが原因で、体調不良、パニック、睡眠障害など様々な症状を引き起こしてしまいます。
まずは、精神障害のある方が持っている不安の原因に、気づこうとしていただきたいのです。

不安に気づくことがマナー

精神障害のある方と働く上で重要なマナーは、最初から不安を起こさないようにすることではなく、本人が抱えている不安に気づくことです。
不安に気づくことで、不安が原因で起こってしまうメンタルダウンなどの問題を予防することができます。

その人がなぜ不安を感じるのか、どんな不安を持っているのかに気づき、向き合ってください。
まずは相手の不安に気づくこと。
それが、精神障害のある方と一緒に働く時のマナーです。

相手を「認める」ことからはじめましょう

その人が抱える不安に気づいたら、今度はその人のことを認めてください。
ここで言う「認める」の意味は、正しい・構わないと判断するということではありません。
目に止める・気づく、という意味になります。

相手の言うことや行動に共感や同意ができなかったとしても、まずは認めてください。

そんな考え方もあるんだね
あなたはそうやって考えるんだね
そういう不安があるんだね

と気づくだけでいいのです。

では、気づいているということを、どうやって相手に伝えたらいいでしょうか。
それには、話し方が大切です。
「否定」や「押しつけ」ではなく、相手を認める話し方を意識してください。

私たちは、「でも」「そうではなくて」「それは違う」など、否定から入ってしまう会話をしてしまいがちです。
実は、精神障害のある方の不安が大きくなり、メンタルダウンを起こすきっかけとなるのは、この否定から始まる会話となってしまうことが多くあります。
何気なく言った言葉によって、自分を否定されてしまったと感じたり、相談ができなくなってしまったりすることがよくあります。

例えば、「でも」は「そうだったんですね」、「それは違います」は「それ、わかります!」といったように、意識すれば相手を認める言葉に置き換えることができるのです。

否定から始まる会話ではなく、相手を認める言葉に置き換えて会話を始めるように心がけましょう。

今日からできること

早速、実践していただきたいことは、相手の不安に気づくこと、相手を認める言葉に置き換えて会話をすることです。

お気づきかもしれませんが、ここで話したことは、精神障害のある方だけに限ったことではなく、少なからずすべての人に当てはまるものだと思います。
もしかしたら皆さんの中にも、似たような経験がある人もいらっしゃるかもしれません。

相手が誰であっても、相手の不安に気づき、否定ではなく相手を認める言葉に置き換えて会話をすることが、働く上で良好な関係を築けるマナーなのです。

ぜひ今日から、会社で、ご家庭で、皆さんと関わる全ての人に実践していただければと思います。


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